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乳がん検診から即針生検

[管理番号:12497]
性別:女性
年齢:50
病名:
症状:
投稿日:2025年02月21日

はじめまして。
とても、不安な気持ちが強いので先生の回答をいただきたいです。

2年に一度の自治体の乳がん検診でマンモとエコーを毎回受けていました。嚢胞や石灰化が少しあるということは度々言われていたのですが、今回は前回2年前の検診ではなかった1.8cmのしこりがあって、画像見る限りでは気になるので、このクリニックでMRIなど詳しい検査も出来るが、年齢や妊娠したことがないなどの高リスクもあるから、大きい病院で針生検をした方がいいと紹介状を貰いました。この時点で医師がすぐに針生検した方がよいと言われたことで悪性の可能性が高いのか、と半ば癌告知を受けたような気持ちになってしまい不安だったところ、先日紹介状を書いた大きな病院で診察と触診を行ったところ、やはりここでも画像を見て気になるしこりだ。

触診ではしこりは感じられないが、しこりは乳頭の下かもと、次回はレントゲン、エコー、針生検と言われました。MRIや細胞診などをすっ飛ばし、即針生検ということはやはり悪性の可能性が高いということでしょうか。先生、率直な感想をお願いいたします。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

MRIや細胞診などをすっ飛ばし、即針生検ということはやはり悪性の可能性が高いということでしょうか。先生、率直な感想
⇒そもそも「MRIは診断目的で行うべきものではない」ので診断のために「針生検を行うこと自体は、寧ろ当然」なことです。

ただ、①「2年前の検診ではなかった1.8cmのしこり」②「画像見る限りでは気になる」からは、「乳癌の疑いは極めて高い」と思います。

重要なことは確実に診断して、キチンと治療をすることです。

***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/3/8
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質問者様から 【質問2】

非浸潤性乳管癌(DCIS)診断後の治療選択と再発・新規発症リスクについて
性別:女性
年齢:50
病名:右乳房:非浸潤性乳管癌(DCIS)左乳房:乳腺線維症
症状:
投稿日:2025年04月11日

田澤先生

以前、左乳房のしこりについてご相談させていただいた者です。その節はありがとうございました。

その後の針生検の結果、先生のご見立て通り「非浸潤性乳管癌(DCIS)」と診断されました(腫瘍の大きさ:1.8×2.2cm)。
また、右乳房にも4~5mmの所見があり細胞診を行いましたが、その時点では悪性の可能性は低いとのことでした。

血液検査・造影CT・胸部レントゲン・心電図・造影MRIなどの検査を経て、リンパ節や他臓器への転移は認められませんでした。ただし、乳腺MRIでは右乳房にも「怪しい」所見があるとのことで針生検を実施。その結果は「乳腺線維症」などの良性変化との診断で、治療の必要はないとのことです。

主治医から提案されている左乳房の治療方針は「乳頭乳輪温存乳房切除術」です。ただし腫瘍が乳頭下にあるため、術中に乳頭への浸潤が確認された場合は乳頭を切除し、乳輪のみを残すと説明を受けています。術後の病理結果に変化がなければ、放射線治療・ホルモン療法ともに不要との方針です。

このような中、いくつか不安に感じている点があるため、田澤先生のご意見を伺いたくご質問いたします。

【1】右乳房についての不安
?MRIではBI-RADS 4b(中等度の悪性の可能性)とされ、主治医からは「増殖の盛んな細胞が見られる」とのコメントがありました。

もし悪性であれば遺伝子検査を勧めたが「良性」と診断されている以上、何もできないというグレーな対応であることに不安を感じています。

以下の点についてご意見を伺えますでしょうか。

① 乳腺線維症などの良性病変が将来的にがん化するリスクはあるのでしょうか?

② アポクリン分化を伴うDCISや葉状腫瘍などが隠れている可能性はないと考えてよいのでしょうか?

③ 「増殖が盛ん」ということは、今後しこりが大きくなり、たとえ良性でも手術などの治療が必要になる可能性があるということでしょうか?

【2】左乳房の治療方針に関する不安

① 腫瘍が乳頭下にある状態で「乳頭乳輪温存乳房切除術」を選択することで、再発リスクが高くなるのではと心配しています。
乳房のボリュームも少なく、見た目は大きく変わらないとのことで勧められていますが、やはり「温存」によるリスクが気になります。

② 術後の治療は「ステージ0(DCIS)なので、ホルモン治療も放射線治療も不要」との説明ですが、右側のこともあり、今後の再発や新規発症を考えると、ホルモン療法を取り入れた方が安心なのではないかと感じています。
何度か主治医に希望を伝えましたが、「ホルモン療法は必要ない」と言われてしまいました。

以下、参考までに診断内容をまとめます。

【左乳房】
?針生検:非浸潤性乳管癌(DCIS)核グレード2、comedo壊死なし
?ホルモン受容体:ER(+99%)、PgR(+99%)、AgR(+99%)、HER2(1+)
?Ki-67:10%
?腫瘍は乳頭下に位置し、浸潤所見なし

【右乳房】
?MRI:BI-RADS 4b
?針生検:閉塞性腺症、硬化性腺症、アポクリン化生、乳管胞状拡張などの乳腺症(悪性所見なし)
?主治医の説明:増殖が盛んな細胞であるが良性のため、追加の検査・治療は行わず経過観察

長文になってしまい恐縮ですが、田澤先生であればどのような治療方針をご提案されるか、ご意見をいただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

まずは(余計かもしれませんが)一言。 「癌化」はそもそも存在しません。
少なくとも乳癌で、「癌化」というコメントをする医師がいたら、それは「最初から癌だったのに、診断能力の欠如(生検の精度不足、平たく言えば「外した」)」を誤魔化しているだけにすぎません。
と言う訳で、私は「癌化」という言葉自体認めません。

① 乳腺線維症などの良性病変が将来的にがん化するリスクはあるのでしょうか?
⇒良性は未来永劫良性、癌は最初から癌です。
ただ診断能力不足で(本当は)癌と診断されるべきが、良性と診断され(後に)それが本当は癌だった(勿論、最初から癌だったわけですが)と判明したときに「言い訳」として使われることが「しばしば」あるようです。

② アポクリン分化を伴うDCISや葉状腫瘍などが隠れている可能性はないと考えてよいのでしょうか?
⇒その医師の診断能力を私が評価することはできませんし、する意味もありません。
もしも正確に採取されたうえでの結果であれば、それは「良性」であり「隠れていた」とか「癌化」などとは無縁の話です。

③ 「増殖が盛ん」ということは、今後しこりが大きくなり、たとえ良性でも手術などの治療が必要になる可能性があるということでしょうか?
⇒良性でも(無論、絶対に癌にはなりませんが)当然、増殖する可能性はあります。
(特に閉経前であれば)

【2】左乳房の治療方針に関する不安

① 腫瘍が乳頭下にある状態で「乳頭乳輪温存乳房切除術」を選択することで、再発リスクが高くなるのではと心配しています。
乳房のボリュームも少なく、見た目は大きく変わらないとのことで勧められていますが、やはり「温存」によるリスクが気になります。

⇒無論「優先順位」で「患者さん自身」が決めるべきことです。

② 術後の治療は「ステージ0(DCIS)なので、ホルモン治療も放射線治療も不要」との説明ですが、右側のこともあり、今後の再発や新規発症を考えると、ホルモン療法を取り入れた方が安心なのではないかと感じています。
何度か主治医に希望を伝えましたが、「ホルモン療法は必要ない」と言われてしまいました。

⇒私は非浸潤癌では決してホルモン療法を含めた薬物療法はしません。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/4/29
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