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MRIと非浸潤性乳管癌

[管理番号:12203]
性別:女性
年齢:56
病名:非浸潤性乳管癌
症状:超音波で7ミリのしこりあり マンモグラフィでは異常無し 針生検で非浸潤性乳管癌の疑いあり
投稿日:2024年11月06日

はじめまして。
最近毎日拝見して勉強させていただいております。ありがとうございます。

16年前に左乳房に石灰化からの非浸潤性乳管癌が見つかり、部分切除と放射線治療を受けて以後現在に至るまで異常無しです。
その後半年に1回の超音波と1年に1回のマンモグラフィの検診を受けておりましたが、今回超音波で右乳房に小さなしこり(7ミリほど)が見つかり(マンモグラフィでは異常無し)、針生検の結果非浸潤性乳管癌の疑いありとなりました。
MRIをとってみると、かなり広範囲に広がっており、全摘する予定です。

しかし驚いたのは放射線科によるMRIレポートの診断内容です。
「8.6ミリを最大とする浸潤癌が複数存在する。」「右腋窩レベルⅠに1つ転移を考えるリンパ節腫大がある」と書かれており、所見の最後に「右腋窩レベルⅠに11.4×9.6mm大の脂肪沈着を欠くリンパ節が存在し、転移を考える所見である。」と記載されております。

そこで質問です。
①田澤先生の過去のQ&Aのご説明では、「MRIでは広がりはわかるが良性か悪性かの判断はできない。」「リンパ節への転移について画像でわかるのは超音波だけである」
「針生検で非浸潤癌と判断されたもので、リンパ節への転移があった人はいない」
だったと思いますので、私としては上記のMRIレポートの内容に納得が行かないのですが、田澤先生はどう考えられますでしょうか?

②今回のMRIで、すでに広範囲に広がっていることが判明しました。最近になって自費で受けられる「MRI乳がん検診」なるものがあると知り、自分でもっと早くMRIを受けておけば、こんなに広がる前に発見できたのでは無いか、全摘は免れたのでは無いだろうか?と後悔しております。先生はどのようにお考えになりますか?
またその場合、MRIはどのぐらいの頻度で受けるのが理想的でしょうか?

以上よろしくお願いいたします。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

リンパ節の画像診断について
当院でも(癌の診断後、拡がり診断目的で)MRIを撮影しますが、その際放射線科医が(読影で)「リンパ節転移疑い」などの所見を記載します。
無論、放射線読影医の「職務」なので否定はしませんが、その所見は全く信用していないどころか「参考にもしていない」ですよ。

①田澤先生の過去のQ&Aのご説明では、「MRIでは広がりはわかるが良性か悪性かの判断はできない。」「リンパ節への転移について画像でわかるのは超音波だけである」「針生検で非浸潤癌と判断されたもので、リンパ節への転移があった人はいない」だったと思いますので、私としては上記のMRIレポートの内容に納得が行かないのですが、田澤先生はどう考えられますでしょうか?
⇒冒頭で記載したとおり、「放射線科医なりの読影」であることは理解できますが、
全く参考にする必要はありません。
質問者の理解は正しいです。

②今回のMRIで、すでに広範囲に広がっていることが判明しました。最近になって自費で受けられる「MRI乳がん検診」なるものがあると知り、自分でもっと早くMRIを受けておけば、こんなに広がる前に発見できたのでは無いか、全摘は免れたのでは無いだろうか?と後悔しております。先生はどのようにお考えになりますか?
またその場合、MRIはどのぐらいの頻度で受けるのが理想的でしょうか?

⇒MRIは私は(癌と診断された後の)「拡がり診断目的」でしか行いません。

検診目的で使用することは物事を混乱させるだけであり、シンプルに「エコーがいい」のです。

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(回答が公開されてから2週間後)
2024/11/22
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