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乳管がんルミナールBの手術時期、術式、治療法について

[管理番号:12195]
性別:女性
年齢:54
病名:左下外側乳房 浸潤性乳管がん
症状:
投稿日:2024年11月01日

◯病状
6本中5本にがんが見られる。
推定組織型:invasive ductal carcinoma,scirrhous type in situ:solid cribriform
波及度:f
nuclear grade:1
histological:Ⅱ
ホルモン受容体 陽性
HER2 陰性
ki-67 60-70%
ルミナールB
遺伝性なし
サイズ 幅9mm 奥行150mm
ステージ1
MRIでは明確なリンパ転移は見られない
自覚症状は、10月初めには感じていなかった胸のしこりを今は明確に感じる

◯質問
来月早々に、乳房温存術での手術が決定しているのですが、主治医に不信感が出てきてしまい、自助するためにも、先生のご意見をお聞きしたく、投稿いたしました。

2023年8月の人間ドックのマンモグラフィーにて微細石灰化が見つかり、大学病院受診し半年ごとの経過観察となっていました。(問題なしとのことで)
ところが、2024年9月で初めて、針生検法による検査を実施し、乳管がんが判明しました。

1年以上前から半年ごとに経過観察していたのに、なぜここまでわからなかったのか?とどうしても思ってしまい、
自分でも、もっと追求すべきだったと、後悔がぬぐえず、苦しんでいます。
半年でここまで進行するものだと、判明してからでも2,3か月経っていますし、手術までにステージ2に上がることやリンパ転移の可能性が上がらないのか、手術の時期や本当に乳房温存術よいのか?
というところが疑問に思っています。
主治医は問題ないと思うとのことでしたが。

現時点の計画では、術後の治療は、術後の結果が1か月かかるので、その後から、
放射線治療
ホルモン治療(飲み薬)
と聞いております。
ただ、ルミナールBで、特に私はki67が60~70%と非常に高く、増殖度(進行)が速いと聞いております。
ルミナールBは化学療法が必要で、TC療法が必要という情報をよく見ます。
ルミナールBで、どういう場合は、化学療法が不要となるのでしょうか?
主治医曰く、HER2陽性だと化学療法が必要とのことだったのですが。
私はこの治療計画を疑問を持たず受け入れてよいのか、判断するためにもご意見をお聞かせいただければと思います。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

大学病院での診療を嘆くよりは(そもそも大学病院が優れていると勘違いしている)
患者さん側の認識を変えるところから変えなくてはなりません。
たとえとしては良くは無いかもしれませんが…

癌の浸潤径が(複数、浸潤部分があったとしても)その合計ではなく「最大浸潤径」となることと似ています?
大学病院で経験の浅い医師(浸潤径に例えれば浸潤径が小さい医師)が幾ら大勢いても、実際になされる医療(これを最大浸潤径とするならば)は、それら全てを足し算はできず「一人一人の技量」となるのです。

と、変な前置きをしてしまいましたが、ここから質問に回答します。

ただ、ルミナールBで、特に私はki67が60~70%と非常に高く、増殖度(進行)が速いと聞いております。
⇒そもそも「ルミナールBと決めつけずに」手術標本でOncotypeDXすべきです。

ルミナールBは化学療法が必要で、TC療法が必要という情報をよく見ます。
⇒OncotypeDXしてRS>25となれば、そうなります。(今から考えることではありません)

ルミナールBで、どういう場合は、化学療法が不要となるのでしょうか?
⇒そもそも「Ki67だけで」ルミナールBと判断して「抗癌剤必須」とすべきではありません。
Ki67単独での評価ではなく(Ki67遺伝子も含めた16がん遺伝子+5遺伝子による評価である)OncotypeDXで確認しましょう。(勿論術後に)

***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2024/11/21
***

質問者様から 【質問2】

乳管癌Ⅰ期 オンコタイプDX高リスクの治療法について
性別:女性
年齢:54歳
病名:左下外側乳房 浸潤性乳管がん
症状:
投稿日:2025年02月12日

田島先生
前回の質問の際は、丁寧にご回答いただきありがとうございました。
その後、手術を終え、病理結果が出ました。
病理結果からは、ステージⅠ期でリンパ節転移もなく、針生検で高スコアだった
ki-67も低く、
心配な要素はないということで、化学療法は不要だろうと言われておりましたが、
田島先生からのアドバイスをいただいていたおかげで、オンコタイプDXの受検を依頼
することができました。
その結果、高リスクとなり、田島先生からお聞きしていなければオンコタイプDXを受
けず、化学療法も受けなかったかもしれませんので、本当に感謝しております。
今後の治療方針を提案されましたが、主治医に対してまだ信頼しきれておらず、この通りでよいのか?と心配に思うところがあります。
仕事と治療を両立するためには今の病院を変えられず、自分でも調べて、納得する治療を選択していきたいと思っております。
またアドバイスいただけますと幸いです。

◆病理結果
浸潤性乳管癌 Ⅰ期

組織型      :Invasive ductal carcinoma scirrhous type
pT1c, Ly1, V0, f, pN0(0/2)(i-)
ER(+)   80%
PgR(-)   <1%
HER2 score 1
ki-67   5-10%
浸潤径      :13×9×11mm(pT1c)
in situ;cribriform, comedo
Nulear grade    :2
Histological grade :Ⅱ
nuclear atypia   :3
mitotic counts   :1
tubule formation  :3
リンパ管管侵襲 軽度 静脈侵襲 なし 切除断端 陰性

◆オンコタイプDX結果
再発スコア(RX) 30
9年遠隔再発率   19%
化学療法の上乗せ効果 >15%

◆提案されている治療
放射線療法:16回(長照射)★1月に完了
化学療法 :TC療法(ドキタキセル・シクロホスファミド)3w×4回コース
内分泌療法:タモキシフェン 5年(~10年までの間で増える可能性あり)

TS-1 (14日投与7日休薬)1年

質問
①一般的に手術を受けてから2か月以内に放射線治療を受けるべきと言われておりましたが、
私の場合、年末年始等にかかったため、各種結果がそろうのが遅れ、放射線の開始が3か月近く開きました。
開いたことで再発リスクが上がることやそれにより今後の化学療法や内分泌療法の期間を変える必要はありますでしょうか?
②田島先生はTS-1を提案することはないこと認識しております。
TS-1を拒否するとしたら、今提案されているTC療法と回数、
タモキシフェンの服用期間は変わりますでしょうか?
調べていると、オンコタイプDXの結果が私に近い例として、TC療法の回数が6回だったり、
タモキシフェン服用期間が10年だったりしました。
田島先生はこの提案(TS-1以外)は妥当と考えられますでしょうか?

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

OncotypeDXを受けたのだから「極めてシンプルに」その結果に従いましょう。

①一般的に手術を受けてから2か月以内に放射線治療を受けるべきと言われておりました
⇒違います!!
手術後「5か月以内」ですよ!!

 私の場合、年末年始等にかかったため、各種結果がそろうのが遅れ、放射線の開始が3か月近く開きました。
⇒5か月以内なのだから「全く」問題ありません。

 開いたことで再発リスクが上がることやそれにより今後の化学療法や内分泌療法の期間を変える必要はありますでしょうか?
⇒「全く」開いていません。

②田島先生はTS-1を提案することはないこと認識しております。
TS-1を拒否するとしたら、今提案されているTC療法と回数、
タモキシフェンの服用期間は変わりますでしょうか?
調べていると、オンコタイプDXの結果が私に近い例として、TC療法の回数が6回だったり、
タモキシフェン服用期間が10年だったりしました。
田島先生はこの提案(TS-1以外)は妥当と考えられますでしょうか?

⇒私は「田澤」であって「田島」ではありません。(それは蛇足でした)

TC4回です。
ご参考に。

★同じ質問には、再度回答しませんのでOncotypeDXの結果通りにTCしましょう。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/3/3
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