[管理番号:12104]
性別:女性
年齢:55
病名:左浸潤性乳管癌
症状:脇の痛みなどはなし
投稿日:2024年10月07日
初めてお世話になります
よろしくお願いします
2023年2月に○○医科大学にて乳がん左乳房全摘手術を受けました
術後病理検査の結果
ハーツー陽性
ホルモン陰性
浸潤径2ミリ??4ミリ
広がりは乳管のなかに2センチくらい
リンパ管血管侵襲陰性
センチネルリンパ節生検陰性
術後の検査結果の用紙をもらっていないため覚えている事を書きました
術後治療なし
2024年2月に一年後の検査 骨シンチ CT 血液検査異常なし
この時エコーはしていません
2024年9月に市の乳がん検診に別の病院に行き
エコー検査で左側のリンパ節転移がみつかりました
今後手術 抗がん剤治療になると思いますが
1 浸潤径私のおおきさで全身転移の可能性があるでしょうか?
2 全身転移があればリンパ節の郭清はできないのでしょうか?
3 最初の手術のときに無治療の為手術一年半も経っている事これは大きなリスクになりますか?
4 市の検診で行った先生から僕のところで手術する?と聞いてくれましたがどちらの病院を選べばいいのか?
普通なら○○医科大学に戻るのでしょうか?
5 抗がん剤治療はどのようなものになりますか?
○○医科大学でセンチネルリンパ節生検陰性となったのにリンパ節に転移とはなぜ?
と悲しくて仕方ありません
お忙しいところ申し訳ありませんが
よろしくお願いいたします
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
1 浸潤径私のおおきさで全身転移の可能性があるでしょうか?
⇒それは、「ほぼ(確率的に)」ないでしょう。
ご安心を。
2 全身転移があればリンパ節の郭清はできないのでしょうか?
⇒全身転移は無いとは思いますが…
いずれ、(万が一、遠隔転移があってもそれがコントロールされれば)手術すべきです。(その場合、全身療法と手術の順番は状況によりますが)
3 最初の手術のときに無治療の為手術一年半も経っている事これは大きなリスクになりますか?
⇒全く、無関係です。
センチネルリンパ節生検陰性で(ごくごく小さな転移が別のリンパ節に残存していた場合には)術後「数年以上」経ってから「再発として可視化」するのが通常です。
逆に「僅か1年半で再発(可視化)」というのは、(1年半前の手術時に)すでに「それなりの転移があるリンパ節が存在していた」となります。
それなのに、(転移のない)別のリンパ節を「センチネルリンパ節として摘出」したという比較的稀な例と言えます。
申し訳ありませんが、これは大学病院だからこそ起こりうる「素人の手術(大学病院は研修医や若い医師の修行の場だからです)」と感想を持たざるえません。
4 市の検診で行った先生から僕のところで手術する?と聞いてくれましたがどちらの病院を選べばいいのか?
普通なら○○医科大学に戻るのでしょうか?
⇒ここは質問者にとってターニングポイントとなりえます。
無論、大学病院は避けるべきです。(お節介かもしれませんが、大学病院での手術は極めてリスクが高いと言わざるを得ません)
その検診の医師がどの程度の「リンパ節再発の手術に慣れているのか?」私には判断しようがありません。
5 抗がん剤治療はどのようなものになりますか?
⇒「抗癌剤ありき」では、決してありません。
手術したリンパ節のサブタイプに応じた全身療法となります。(リンパ節再発の個数が不明ですが、4個以上の場合には抗がん剤が必須とはあります)
♯初発病理と同様の「HER2 type」であればanti-HER2
therapy(anthracyclin⇒pertuzumab+trastuzumab+docetaxelx4⇒
pertuzumab+trastuzumabx14 ♯現在はpertuzumab+trastuzumabはphesgoで置き換えの施設が多い)
○○医科大学でセンチネルリンパ節生検陰性となったのにリンパ節に転移とはなぜ?
⇒残念なことに、手術精度に差があるのは(ドイツにマイスター制度があるように)寧ろ当たり前と言えます。
腋窩リンパ節再発に対して、「どこまで郭清できるのか?」「腋窩だけ郭清して、
後々鎖骨下に再度再発」などないように、鎖骨下郭清に習熟した術者を選ぶべきだと思います。(無論、皆さんそれぞれ諸事情があることは承知の上ですが…)
後悔のないような選択を
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/10/21
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