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異時性両側乳がんと骨転移の治療方針について

[管理番号:12038]
性別:女性
年齢:76
病名:右胸全摘ずみ、左胸粘液がん(1㎝)/骨転移疑い(自覚症状はなし)
症状:
投稿日:2024年09月01日

母の代理で相談させていただきます。
2022年12月に右胸乳がんで全摘手術しました。
その時の乳がんは浸潤がんで0.6センチ、リンパ節転移は0でした。
グレード1、微小なリンパ管への広がりなし、微細な静脈への広がりなし、her2スコア0でした。
当時の主治医には、「ホルモン治療しても、再発率5%が3%になるだけ」
「副作用もあるから再発したらホルモン治療したのでも間に合う」と言われ、特に術後の治療はしていません。
高齢ということもあり、治療しなくていいならよかったね、ということで経過観察だけしていました。

それが、2024年7月の診察で、左胸にしこりが見つかり、検査したところ粘液がんで全摘予定でした。
こちらもルミナールAでKi-67は10%です。
なお、家族にもほかに乳がんになった者がおり、前回のときに遺伝性乳がんについての検査もしており、こちらは陰性でした。

今回の(左胸の)手術前のPETで胸椎に怪しい部分があり、レントゲンとCTをしたところ、
整形の医師には「たぶん大丈夫」と言われましたが、
念のためにととったMRIで、小さいけれど、骨転移の可能性が否定できないといわれています。

主治医からは、骨転移があるので手術はしない。ホルモン療法をメインに考えているといわれています。
こちらとしては、骨転移が右胸からか左胸からかわからない以上、左胸の手術をしていただきたい気持ちがあり、
ただ、そうなると骨転移に対する治療の開始が遅くなるし、と思い、どのような治療が最適なのか悩んでいます。

今のところ本人の自覚症状はなく、乳がんになる前から膝が悪いくらいで基本的には体力があるほうです。
なるべく痛みをコントロールして、長く現在の平穏な生活を維持していきたいと思っています。
本人は、抗がん剤も頑張るとは言っていますが、先生ならどのような治療をされますか。

手術をするかしないか、するならどのタイミングで、なのか
どのようなお薬を使っていくのが考えられるか、教えていただきたいです。
よろしくお願いいたします。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

先生ならどのような治療をされますか。
⇒無論手術です!!

「念のためにととったMRIで、小さいけれど、骨転移の可能性が否定できない」
⇒この程度の骨転移(でないかもしれない)を理由に手術しないなど、本当に嘆かわしい!

手術をするかしないか、するならどのタイミングで、なのか
⇒無論、手術しましょう。

骨転移は(疑いのままでも)念のために、「骨転移という診断名で照射を術後に行う」がベストと思います。

どのようなお薬を使っていくのが考えられるか
⇒骨転移が「疑いのまま」であれば、(上記)照射後はホルモン療法単独も十分に選択肢となりますが、(治療意欲が高いのであれば)CDK4/6阻害剤+ホルモン療法もいいでしょう。
★私であれば、このケースでは抗癌剤は視野には入れません。

***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/10/1
***

  
  

質問者様から 【質問2】

異時性両側乳がんと骨転移について
性別:女性
年齢:76
病名:異時性両側乳がん
症状:右:全摘済み、左:1cmのしこりあり、胸椎に骨転移(1ヶ所)
投稿日:2024年09月07日

母の代理で質問させていただきます。
2022年12月に右胸乳がんで全摘手術しました。
その時の乳がんは浸潤がんで0.6センチ、リンパ節転移は0でした。
グレード1、微小なリンパ管への広がりなし、微細な静脈への広がりなし、her2スコア0でした。
当時の主治医には、「ホルモン治療しても、再発率5%が3%になるだけ」
「副作用もあるから再発したらホルモン治療したのでも間に合う」と言われ、特に術後の治療はしていません。
高齢ということもあり、治療しなくていいならよかったね、ということで経過観察だけしていました。

それが、2024年7月の診察で、左胸にしこりが見つかり、検査したところ約1cmの粘液がんとわかり、
9月に全摘を予定していました。
こちらもルミナールAでKi-67は10%、her2スコア+1でした。
なお、家族にもほかに乳がんになった者がおり、前回のときに遺伝性乳がんについての検査もしており、こちらは陰性でした。

今回の(左胸の)手術前のPETで胸椎に怪しい部分があり、レントゲンとCTをしたところ、
整形の医師には「たぶん大丈夫。MRIをとったらはっきりするんだけど」と言われ、
念の為にとお願いしたMRIで、結局は小さいけれど、骨転移の可能性が否定できないといわれてしまいました。

乳腺の主治医からは、骨転移があるので手術はしない。ホルモン療法をメインに考えていると言われました。
もちろん遠隔転移していれば手術しないというのがスタンダードとは理解しておりますが、
今回はどちらからの転移かもわからず、左胸の手術はしないのかを尋ねたところ、非常に悩ましいと言われ、
セカンドオピニオンで別の先生にもご意見をお伺いすることにしました。

主治医の意見は、手術なし、フェマーラ+ベージニオ+ランマークで治療です。
セカンドオピニオンの先生は、主治医の意見もスタンダードで間違いではないけれど、骨転移も小さいし一箇所しかないので
手術+骨転移は放射線治療で再度根治を目指し、その後ホルモン療法5年という選択肢もありえるとのご意見でした。
ランマークについては、顎骨壊死の副作用もあるし、骨転移かどうかもはっきり断定できない段階で、
まだ使わなくてもいいのでは…ということでした。

セカンドオピニオン後、家族間では手術+放射線で治療をお願いし、その後ホルモン療法をしていきたいという意志に固まりつつあります。
迷っているのが、ベージニオとランマークの使用です。
本人は今のところ自覚症状もなく、もともと膝が悪いくらいで体力もあるほうですが、
なるべく長く今までのような生活を維持していきたいという気持ちと、年齢のこともあるので副作用のことも
考慮しなければならないのかなと思ったりしまして、どのような決断をしたら良いのか悩んでいます。
先生でしたら、手術のタイミングも含めどのような治療をお考えになりますか。
ご教示ください。

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

前回の続きですね?
セカンドオピニオンの医師に私は賛成です。(前回、回答したように)

セカンドオピニオン後、家族間では手術+放射線で治療をお願いし、その後ホルモン
療法をしていきたいという意志に固まりつつあります。
迷っているのが、ベージニオとランマークの使用です。
本人は今のところ自覚症状もなく、もともと膝が悪いくらいで体力もあるほうですが、
なるべく長く今までのような生活を維持していきたいという気持ちと、年齢のこともあるので副作用のことも
考慮しなければならないのかなと思ったりしまして、どのような決断をしたら良いのか悩んでいます。
先生でしたら、手術のタイミングも含めどのような治療をお考えになりますか。
⇒CDK4/6阻害剤(abemaciclib 商品名ベージニオ)の使用に関しては前回回答通り、「ご本人の治療のモチベーション次第」で保留でいいと思います。

Denosumab(商品名ランマーク)の使用も含め、先々に追加するか?保留として大事なことはとにかく「手術」をきちんとして、(疑いではあるが)骨転移に照射をすることですよ。
何も全てを1度に決めなくてもいいのです。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/10/3
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