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治療方針について

[管理番号:11849]
性別:女性
年齢:36
病名:再発高リスクのトリプルネガティブ乳癌、早期乳癌
右乳癌(A区域)(cT2(43mm)N3bM0、cStage ⅢC)
病理組織診断:浸潤性乳管癌、ER(0%)HER2(1+)Ki67(90%)
症状:
投稿日:2024年06月09日

??経過:
2023年10月に出産。2024年3月中旬から右乳房に小さなシコリと押すと痛みを感じたが、断乳していたため乳腺炎と思い込み様子をみていた。4月末より2cm大になったが、搾乳すると小さくなったり、溜まると大きくなったりを繰り返ししていた(今思えばそんなことはあるんでしょうか?)
5月には4cm大になり、出産をした5/(下旬)大学病院・乳腺外科を受診。マンモグラフィ、乳腺エコー(検査技師が行いました)にて乳癌と診断。5/(下旬)PET-CT受け、5/(下旬)針生検受け、6/(上旬)上記診断説明された。PET画像見る限り、右腋窩リンパ節が腫れている感じはあるが、転移はしてない。右鎖骨のリンパ節が転移しているように見えるから、よってStageⅢとのこと。

??治療方針:
術前療法:ペムブロリズマブ+パクリタキセル療法+カルボプラチン療法→ペムブロリズマブ+AC療法
術後療法:ペムブロリズマブ
上記のように術前抗がん剤治療を勧められ、6/(中旬)から実施する予定となっています。
医師からは、今は癌が暴れている状態だから、リンパ節転移も考えられるし、手術ではなく、術前抗がん剤優先の方が良いと言われた。またトリプルネガティブなので抗がん剤がよく効くはずだと言われました。
手術より抗がん剤を先に行う方が良いのか、不安が残ります。先生でしたら、どのような治療方針とされますか?

CT.MRIは受けておらず、予定もありません。PET受けたので、検査しなくて良いのでしょうか。

トリプルネガティブと言われましたが、HER2(1+)であっても、トリプルネガティブなのでしょうか。

腫瘍の痛みが強くあり、ロキソニンを服用しています。医師からは癌が皮膚に浸潤しているからと言われましたが、本当に浸潤する痛みなのでしょうか。抗がん剤治療の過程で癌が小さくなれば痛みも無くなりますか。

2022年7月人間ドックにて、マンモグラフィ異常なし。乳腺エコーでは右乳房のう胞を指摘されました。癌はいつ頃から出現し始めたと考えられますか。

この先手術する際に乳房の温存か全摘かで悩んでおり、できれば温存希望ですが、再発リスクが高いのであれば、全摘をしたいと思っています。7ヶ月の子供のためにも必ず生きなければなりません。現状では、再発リスクを考慮した場合、全摘した方が良いのでしょうか。
お忙しいと思いますが、是非先生の見解を伺いたいので、何卒ご回答のほどよろしくお願いします。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

またトリプルネガティブなので抗がん剤がよく効くはずだと言われました
⇒効くタイプもありますが、効かないタイプもあることは認識が必要です。

 トリプルネガティブとはER,PgR,HER2が陰性であること「だけ」が共通点である「雑多な(つまり様々な種類が混在している)集団」にすぎません。

手術より抗がん剤を先に行う方が良いのか、不安が残ります。先生でしたら、どのような治療方針とされますか?
⇒「リンパ節転移陽性」や「トリプルネガティブだから」という理由では、術前抗がん剤をする理由とはなりません。

 Pembrolizumab(免疫チェックポイント阻害剤)を受けたいのであれば(再発以外は、トリプルネガティブの術前抗がん剤としてのみ適応があるため)術前に行うべきですが、免疫チェックポイント阻害剤特有の多岐にわたる副作用が許容できるのか?
 十分考える必要があります。
 ★私は、上記希望がない限り手術先行とします。

CT.MRIは受けておらず、予定もありません。PET受けたので、検査しなくて良いのでしょうか。
⇒もしも温存手術を検討するのであれば「乳房MRIは必要」ですが、やらないということは(ご本人の意思はともかくとして、)担当医は「大きいから全摘一択」と考えている可能性があります。
 もしくは「術前抗がん剤ありき」だから、「術前抗がん剤が終了してから」撮影するつもりなのかもしれませんね。

トリプルネガティブと言われましたが、HER2(1+)であっても、トリプルネガティブなのでしょうか。
⇒勿論です。

 HER2陰性とは HER2(0)、HER2(1+)
 HER2陽性とは HER2(3+)
 ♯HER2(2+)の場合にはFISH法で(陰性か陽性か)判定します。

腫瘍の痛みが強くあり、ロキソニンを服用しています。医師からは癌が皮膚に浸潤しているからと言われましたが、本当に浸潤する痛みなのでしょうか。抗がん剤治療の過程で癌が小さくなれば痛みも無くなりますか。
⇒痛みは癌とは無関係でしょう。

2022年7月人間ドックにて、マンモグラフィ異常なし。乳腺エコーでは右乳房のう胞を指摘されました。癌はいつ頃から出現し始めたと考えられますか。
⇒癌細胞ができてから(画像上)認識されるまで5年程度はかかると言われています。

この先手術する際に乳房の温存か全摘かで悩んでおり、できれば温存希望ですが、再発リスクが高いのであれば、全摘をしたいと思っています。7ヶ月の子供のためにも必ず生きなければなりません。現状では、再発リスクを考慮した場合、全摘した方が良いのでしょうか。
お忙しいと思いますが、是非先生の見解を伺いたいので、何卒ご回答のほどよろしくお願いします。

⇒癌の拡がりのタイプによっては「術前抗がん剤により小さくなり」温存の適応となる可能性があります。
 但し、「小さくなっても安全に温存できないタイプの拡がり」もあるので、それこそMRI撮影してから検討しましょう

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/6/17
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