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再発防止治療であるベージニオについて

[管理番号:11819]
性別:男性
年齢:49歳
病名:左乳がん
症状:
投稿日:2024年05月27日

いつも勉強させてもらっています。
今日は夫のことで質問させてください。
よろしくお願いします。

男性49歳
左乳がん、リンパ転移あり(6個)
ルミナールタイプ
粘液がん純型
ki67 15.5%
しこり5.5センチ ステージ3a

左乳房全摘、リンパ郭清→DDEC→DDPTX→放射線25回
ここまで完了しました。

その後の治療で男性なので、タモキシフェンは必ずと言われました。ベージニオは男性49歳で粘液がんの前例がほぼないので、はっきり効果が分からないと言われ、本人次第と言われました。女性ならば飲んだ方が効果があると伝えるが、、、とのことでした。
先生ならベージニオも進めますか?
副作用も下痢や白血球減少、肺炎等あるのでそこと比較してそれなりの対価があるか、分からないと言われました。
先生のご意見をお聞かせください。よろしくお願いします。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

先生ならベージニオも進めますか?
⇒勧めません。

男性乳癌は少なく、そもそも薬物療法のエビデンスもありませんが(タモキシフェンは標準療法とはいえるでしょう)「女性に準ずる」というのがガイドラインです。
其の意味では抗癌剤までは(ステージを考えれば)信頼性が高く認知されている治療と言えます。

但しCDK4/6 inhibitorとなると男性乳癌への使用経験は極端に少ない筈であり、(適応はあるので、患者さん本人からの強い希望が無い限り)勧めることはしません。

***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/6/10
***

  

質問者様から 【質問2】

男性乳がん再発の可能性
性別:男性
年齢:50歳
病名:男性左乳がん
症状:
投稿日:2025年09月01日

いつも勉強させていただいております。
夫の血液検査の結果について相談させてください。よろしくお願いします。

現在 タモキシフェンを1年3ヶ月、ベージニオも本人のできる限り治療をしたいとの
希望で1年2ヶ月飲んでいます。

8月末の血液検査で
γ-gt 196 ALT 113 AST 76
とかなり高い数値が出ました。

薬を飲み始めて半年ほどは問題なかったのですが徐々に上昇し、先月まではγ-gtは120くらいだったのが急に上昇しました。
ALTとASTは5月には正常値に戻ったこともありましたが、また上昇しました。

5月下旬には骨シンチグラフィと単純CTをしており、その際は特に問題なかったです。
主治医も肝臓転移の可能性は低いと考えているのか(分かりませんが)、ひとまず様子見でお酒を控えるとなったようです。もともと350mlのビールを週に5日程度でした。
また、本人は痩せ型で脂肪肝は特に指摘されていません。

腫瘍マーカーの推移です。

CEA
2024.5/(下旬) 3.6→ 8/(下旬) 4.9 → 10/(下旬) 4.9 →2025. 1/(上旬) 4.4→ 3/(中旬) 4.2 →5/(下旬) 5.1 → 6/(中旬) 4.5 → 7/(下旬) 5.2 →8/(下旬) 4.8

CA15-3
2024.5/(下旬) 7.2→ 8/(下旬) 8.3 → 10/(下旬) 11.7 → 2025.1/(上旬) 9.2→3/(中旬) 9.4 →5/(下旬)
9.0 →
6/(中旬) 10.5→ 7.(下旬) 10.3 → 8/(下旬) 9.5

タモキシフェンの副作用で肝機能障害と考えても大丈夫なのでしょうか?
また、もしタモキシフェンが飲めなくなった場合、男性乳がんで変わりの薬はあるのでしょうか?

よろしくお願いします。

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

タモキシフェンの副作用で肝機能障害と考えても大丈夫なのでしょうか?
→tamoxifenとabemaciclibの両方の薬剤性肝障害の可能性があります。

そもそも肝転移で数値に出るような肝機能障害となることは「よっぽど」進行しない限りありえないし、腫瘍マーカーからはその可能性はほぼありません。

また、もしタモキシフェンが飲めなくなった場合、男性乳がんで変わりの薬はあるのでしょうか?
→ありません。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/9/17
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