金曜日、素敵なバームクーヘンとの出会い
下は治一郎(カットタイプ)です。
写真でも、その「しっとり感」伝わる?
○本文
診断(と、いうか診断手技)
きっかけは水曜日のセカンドオピニオン
患者さん(Aさん)の「悲痛な叫び」それが私を動かし今週のコラムへと駆り立てたのです。
腫瘤非形成性病変
(前医エコー)
注)セカンドオピニオン受診でしたので当院でエコーしていません。
前医エコー2
病理結果は、鑑別困難
僅かに乳頭状構造、乳頭腫、低異型度非浸潤性乳管癌が鑑別
含まれる病変量が少なくて評価不能。
↓
と、ここで(前医では)何を血迷ったか?(診断目的で)MRIを撮影しています。
注)診断目的でMRIを撮影することは「全く無意味」なのに…
US画像通りに「不均一」な造影効果(白)
放射線科読影医のコメントは
「非浸潤癌」もしくは腺葉構造に沿って拡がる「乳腺症」が鑑別に挙がります。
結局、診断がつかないまま(前医)担当医は
『経過見ますか? それともMMTEしますか?』
ここで(あろうことか)『MMTEしても、結局診断付かないかもしれないけどね』
と、言われ患者さんは疲れ果てたのです。
癌かもしれない。
色々検査した。
(診断のために)痛い思いをして針生検したのに、それでも診断がつかない。
挙句の果てにはMMTEを勧めるはいいけど、「診断付かないかもしれないけど」などと「へらへら」している。
注)この「へらへら」は(私の想像上で)一部脚色が入ってます。
痛い思いもしているのに、こんなにも診断がつかないものなのか?
「違う、違う、そうじゃない!」(鈴木雅之風に)
組織診は「100%確定診断でなくてはならない」
その自信がなければ、患者さんに痛い思いをさせてまで針をさすなど(私から言わせれば)犯罪行為に等しい!
まぁ、そういってしまうと「元も子もない」
手技的な問題は(今後も)研鑽してもらうとしても、
それ以上に問題なのは「デバイスのチョイス」だよ!
こんな「不均一な」病変に対して
注)所謂「腫瘤非形成性病変」です。
こんな、針生検を選択することが「間違いの素」
この針は所謂(バネ式の)CNB
不均一な病変に対して十分と思いますか?
で、結局(不十分だと認めて)次にMMTEを勧めているわけだけど、だったら「最初からMMTEしたらよかったじゃん!」
となるわけです。
私は決して、そこで選択を誤りません。
無論、そこに至る迄の症例経験の豊富さが正しい選択をさせているのですが、
願わくは、この医師も(今回に懲りて)このような「腫瘤非形成性病変」を診断する際には「最初からMMTEを選択するように」成長して欲しいところです。
注)「上から」みたいに見えるかもしれませんが、実際に患者さんが困るわけだから「そんな気遣い」を彼らにする必要は全くないのです。
それでは私の診断症例を紹介しましょう。
○ 組織診の(針の)選択
CELEROを選択した症例(1~3)
1)粘液癌
一見、「縦横比も小さい(扁平)」し境界も明瞭(クリッとしている)がCELEROで「浸潤癌(粘液癌)」
注)粘液癌は(癌らしくない)境界明瞭であることもあります。
このエコー像だと、(私のように)組織診を勧める医師は「ごくごく」一部で、巷ではきっと「線維腺腫かな?半年後に経過見ましょう」となったり、(もしも検診であれば)「線維腺腫疑い、1年後」も十分ありえます。
(季節的にも)寒気します!
2)浸潤性乳管癌
無論、「どこを刺しても一緒」なのでCELEROを選択しました。
3)浸潤性乳管癌
MMTEを選択した症例(4,5)
4)非浸潤性乳管癌
この様な病変に(今回のAさんのように)CNBだったら診断つかなかったでしょう。
当然、私は最初からMMTEで診断しました。
5)微小浸潤癌
私は必ず1回で決着をつけます。
全国全ての乳腺外科医が「1回で診断をつけられれば… 世の中から悲痛な叫びが消えるのに。」
現実には…
悲痛な叫びは消えることなく、ただ繰り返されるのです。