今週のコラムも400回に迫ってきました。
皆さんは「400」と聞くと何をまず思い浮かべますか?
私は「400勝」投手、金田正一ですね。(永遠に破られない記録でしょう)余談でした。
今日、日曜日はランニング後半から雨。今も降っています。
カレーは「マトンマサラ」と「ミックスシーフード」
「ビリヤニ」に「ガーリックナン」
チキンティッカとシークカバブ
この時期スパイスは食欲をそそります。
空はどんよりしてましたが、空気は暖かく風もここちよい屋上
The City and Its Uncertain Walls
主人公が会社を辞めて、福島の図書館館長に転職しました。
その後の展開が楽しみです。
〇 本文
小さい所見で組織診を上手く採れない乳腺外科医
それが問題なのは言うまでもないですが…
今回取り挙げるのは、そもそもの「検診の場」での所見そのものの見落としや、誤判定。
最後に、医療機関でしばしば起こる(結局癌だったのに)「線維腺腫として数年、経過観察」
いろいろとっ散らかっていますが、言いたいことは「早期発見に至る迄には(生検手技の精度の問題点の他にも)様々あるのが実状なのです。
症例1 超音波検診 カテゴリー2(精査不要、1年後経過観察)
検診エコーでチェックされた部位です。
これはカテゴリー2で正解です。
しかし全体を見てみると…
検診エコーでチェックされた上記とは別部位に、こんな所見がありました。
明らかに乳癌疑いの所見です。(何故か、検診エコーでは、これが見逃されていたのです!)
大きさは12mm 見逃されるには大きすぎます。
CELERO IDC, scirrhous type, NG1, luminal(80% 80% , HER2 2+ FISH-)
MRIで不整形に造影されています。
(拡がりが)限局しているので温存手術を選択
Bp+SN⇒Ax 術中SN macrometastasisあり追加郭清
危ないとこだったね!
本来なら病院受診しないはずの患者さんのファインプレーとも言えるね。
そうだよね。
このまま(検診結果通り)1年放置していたらステージもⅡ⇒Ⅲとなっていた可能性も十分あるからね。
症例2 検診エコー(結果)で「線維腺腫疑い」
実際にエコーしてみると…
形も歪(綺麗な楕円形ではない)だし辺縁もclearではない。
いろいろ(プローブの)角度を変えても、
何故「線維腺腫疑い」といたのか?全く理解不能
因みに大きさは(たまたま)症例1と同じ12mm
CELERO IDC, NG1, luminal(85% 30%, HER2 0)
参考に…
典型的な線維腺腫の画像とは
楕円形 境界明瞭
プローブの角度を変えても
clear marginです。
ただ私は『線維腺腫だな。』と思っても組織診断を勧めます。(そして無駄な経過観察はしません)
この症例もCELERO施行し線維腺腫の確定診断となり「検診戻り」としています。
〇他院で3年間「線維腺腫」としてフォローして、実際は乳癌だった症例
1.前医で3年間「線維腺腫」としてフォローされていたが、(虫の予感?)で心配となり当院受診「乳癌」の診断となった症例
これを組織診もせずに3年間(線維腺腫として)経過をみるとは…
一部歪で境界unclear
同症例(別のプローブ角度)
2.前医で(やはり)3年間「線維腺腫」としてフォロー、増大したため(前医で)組織診をして「乳癌」と診断、前医での診療に不満をもち(3年も良性と言われていて、「実は乳癌でした」では当然の反応)当院へ転院してきた症例
かなり不整形、境界不明瞭
これを3年も「線維腺腫」とは…
無論、3年前はもう少し「大人しそう?」だったのでしょうが…
同症例、別角度