[管理番号:596]
性別:女性
年齢:41歳
過去にも質問させて頂いておりました。
ご無沙汰しております。
最悪の状況ばかり考えネガティブな質問ばかりしておりましたが、その後、希望をもてる事がわかり、現在術前化学療法中です。
検査結果ですが、両胸乳癌、左胸が病期2、ホルモン受容体+HER2+増殖率が強。
右胸が病期1ホルモン受容体が境界HER2-増殖力中と、違ったタイプの癌である事がわかりました。
病期についてアルファベットの説明は受けておりません。
こちらは術後の病理検査でわかるものなのか?と質問し忘れたまま現在治療中です。
治療内容は、現在CEE×2回目で残り2回後、タキサン+ハーセプチン×4回です。
以前の主治医との手術についてのお話で、左胸は範囲が広いため抗がん剤が効いたとしても全適を選びたいと自分でも決意しました。
左が全適だから右胸も全適にした方がバランスも良いと思い一応今の所、右胸も全適の手術を希望すると医師に伝えています。
少し考えの方が今シーソー常態になっております。
術後の乳輪や乳首の事を考えると右胸は温存にて、乳輪乳首を移植した方が良いのではないか?という思い。形成の医師とは、まだ1度<・u桙烽ィ :文字化けあり>話はしていないので、きっとまだ先になるかと思いますので、田澤先生のご意見聞かせて頂き参考に考えたいかと。
やはり自分の移植での方が仕上がりが良いのでは?けどそうすると乳房の方がアンバランスになるのかという思い。
それからホルモン療法およびS-1内服投与の併用療法について、私の右胸には適応ではないでしょうか?
右胸のホルモン受容体が境界だと聞いた時点で、まずその治療法はないんだなと思ったのですが、最近気になりだしてます。
この治療法は現在の病院では施術されていませんので、可能な場合セカンドオピニオンで転院になります。
今の主治医の先生を信頼して悩みましたがセカンドオピニオンなしで進もうと考えていたのですが、センチネル生検後、2ヶ月がたちますが腕の痛みとひきつれがまだ続いており後遺症ではないのか?という思いとリンパ節転移も、左6個中1つ転移があったのもあり、手術に対する不安も出てきてしまい、このまま進めて良いのかという思いがどうしても頭をよぎります。
勿論最終判断は自分で決める事ですが、ご意見お伺いできましたら、お願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「センチネルリンパ節生検」をした上で「術前化学療法中」なのですね。
回答
「術後の乳輪や乳首の事を考えると右胸は温存にて、乳輪乳首を移植した方が良いのではないか?」「そうすると乳房の方がアンバランスになるのか」
⇒正にその通りだと思います。
乳房形成の意味からは、両方を同様に再建した方が間違いはありません。
乳輪、乳頭に関しては「形成外科医の意見」を優先した方がいいでしょう。
○ただ、一つ考えなくてはならないのは「両側乳癌」ということは「同時多発」ということであり、「温存乳房内再発のリスク」も考える必要があります。
「ホルモン療法およびS-1内服投与の併用療法について、私の右胸には適応ではないでしょうか?」
⇒「POTENT試験という臨床試験」の登録には「ホルモン受容体陽性、HER2陰性」が適応条件です。
左乳癌が「HER2陽性」という時点で「登録基準を満たしていません」
○患者さんとして「HER2陰性」が求められるのであり、「右胸だけの適応」という事はない筈です。
◎ちなみに「TS-1は術後補助療法の適応外」なのでPOTENT試験から外れる場合には用いられることはありません。
質問者様から 【質問2】
先日は、迅速なお返事を頂きありがとうございます。
田澤先生のご意見を伺いまして、やはり形も含め温存での手術よりも、再発の怖さを考えますと全敵での同時再建を選びたいなという思いになりました。
先進医療についても、片胸だけの適応はないという事で、諦めもつきました。自分のお付き合いする癌について、自分なりに他に
も何か治療法があるのか?等、ネット検索ですが色々と調べてみたりして質問させて頂きました。
主治医と、じっくりとお話できれば良いのですが、いつも報告と、聞く事も多々ある事もあり、予約を入れていても一時間待ちという忙しさから、中々数々の質問までたどり着けずの状況になってしまい…。
患者でもない私共に複数の質問に丁寧にお答え下さる田澤先生には本当に感謝致します。
再度質問させて下さい。
私の様な両胸で違ったタイプの癌は、他にもいらっしゃいますが少し珍しいと主治医は言っておられました。
珍しいのでしょうか?また予後に関わりはありますか?術前の抗がん剤を選択しましたが、先日こちらの色々な質問内容を拝見させて頂き、田澤先生は手術を先にするべきだというご意見ではないかと思います。
当初は、温存は全く考 <・u桙ヲ:文字化け> ておらず、しかし目に見える部分での効果がわかるという点と、術後に治療
が嫌になって来なくなってしまう患者さんもいるという意見より悩んだのですが術前を選択しました。
しかし、その間に進行してしまう事があるのでは?という質問をしました所、それは、ちゃんと検査で視ていって万が一、腫瘍が大きくなったりする様な場合は即手術に移りますと言っておられたのですが、先日3回目のCEFを受けても
(先日の質問はちょうど、抗がん剤受ける前に質問してました。)
効果の確認の検査はなく、自分の中で、きっと4回目の後で効果の確認の検査をするのだろうなと思っていました。
ですが、その後に質問内容を色々と拝見させて頂いて、そんな悠長な事を言っていて良いのか?今からでもすぐに手術をした方が良いのではないだろうか?
(確認の検査をしてからでも。)先生どう思われますか? もう1つ質問です。
センチネルリンパ生検の結果、右1つ取れたが転移なし。
左6つ取れた中で1つ転移ありでした。
生検から抗がん剤に入る迄、ずっと右腕の方が動かしにくく、ひきつれがあり左腕は同じ感覚はありましたが、すぐ<ぁw)EURノ :K文字化け>治まりました。
その後2回目の抗がん剤をする頃に、右腕の<ヒ・u档W :文字化け>から手のひらにかけて、ボコボコと血管が浮き出て痛く、生検後の後遺症かと痛い事を伝えた所、これは後遺症ではなく抗がん剤の副作用で血管が固まってしまっていると言われました。
注射をする看護婦さんも、えっ?あぁぁ残念可哀想に。の様な顔をされて、
その時は治療の間におこるだけの副作用なのかな?と思っていたのですが、これって血栓というものなのですか?
3回目の抗がん剤時に看護婦さんに聞いた所、治療の間だけではなく、言えば血管が薬剤によりケロイド状態の様になってしまって、ずっと治らないんではないかと思いますとの事で。
治らなく、これが原因で他の臓器に影響を及ぼしたりするのではないか?と、また他の血管も同じ事にならないかと凄く不安でなりません。
リンパ節の1つの転移も後の後遺症が怖くて、手術したくないのですが、どう思われますか?
こちらは主治医にも相談しました所、包まれた中の1つだし他臓器への転移の影響はあまり無いかとも考えられるので、どうしても手術したくなければ取らずにと考える事もできるので考えていこうとおっしゃっておられました。田澤先生いつも本当にスミマセン。
分かりにくい説明で申し訳ない<ぁw)EURナ:文字化け>す。多数の質問も申し訳ございませんが、またお返事頂けましたら宜しくお願い致します。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
それでは回答いたします。
回答
「両胸で違ったタイプの癌は珍しいのでしょうか?」
⇒そんな事はありません。
右と左は「全く別」なので、「同じタイプ」の方がむしろ珍しいです。
ちなみに私は「今年に入ってからでも」3件ありますが、全て「別の組織型」です。
「また予後に関わりはありますか?」
⇒予後には関係ありません。
あくまでも左右で「ステージの高い方」が予後を左右します。
「先日3回目のCEFを受けても(先日の質問はちょうど、抗がん剤受ける前に質問してました。)効果の確認の検査はなく」「先生どう思われますか?」
⇒1回ごとに確認すべきです。
もし進行していたら、取り返しのつかない事となってしまいます。
「血栓というものなのですか?」
⇒血栓性静脈炎だと思います。
「リンパ節の1つの転移も後の後遺症が怖くて、手術したくないのですが、どう思われますか?」
⇒6つもセンチネルリンパ節を摘出したのであれば、追加郭清したようなものです。
画像上、明らかな腫大所見が無ければ「そのままでいい」と思います。