[管理番号:9787]
肝臓転移
性別:女性
年齢:41
病名:乳癌
症状:胸のしこり
投稿日:2021年10月10日
*******
質問者様の別の質問
新たな管理番号としました。
質問者様の別の質問。
管理番号:9737「肝臓転移」
*******
田澤先生こんにちわ。
お忙しいなか、ご回答いただきありがとうございました。
大変参考になる回答で、感謝しております。
姉に代わり、患者本人の私が、再度質問をお願いしたくQA投稿させていただきます。
お時間あります時、ご回答いただければ幸いです。
【発覚の経過】
35歳頃から乳腺専門クリニックで毎年検診をしており、特段異常を指摘されたことはありませんでした。
昨年8月の市の検診でも異常なしでしたが、今年8月の市の検診で要精密検査となり、総合病院にて乳癌と診断されました。
昨年の検診の際、
何となく違和感(左胸下が少し硬いような?)を感じており、その旨申し出ましたが、問題なさそうとのことでした。
ちなみに、1年前は授乳中でした。
【組織診の結果】
ルミナールa
硬性型
核グレード1
ER 陽性、50%以上
PGR 陽性、50%以上
HER2 陰性
ki67 17%
【腫瘍計】
触診 25㎜
超音波 23.3㎜×15㎜
造影MRI 26㎜(前回質問より修正)
【造影CT結果】
肺に異常はないが、肝臓に影ありと診断。
PET/CTで診断するとの説明。
【PET/CT結果】
左乳癌
多発肝転移
左内胸リンパ節転移(疑い)
第3腰椎転移(疑い)
【BRCA検査】
全て陰性
前回回答いただきました内容のとおり、FulvestrantとLetrozoleの説明書を拝読しましたら、田澤先生のご指摘のとおり記載がありました。
主治医との診察にて、Letrozoleへの説明はなく、これで効果が出てる報告があると言われ、イブランスのパンフレットを渡されて終わりました。
また、転移巣をコントロールできた後の原発巣の切除も伺いましたが、それについては適応外ということで、手術はしないと言われました。
私自身、いずれ原発巣の切除を希望していること、また抗がん剤とホルモン療法の薬剤の選択について伺いたかったので、先日セカンドオピニオンに行って参りました。
セカンドオピニオン先では、肝転移はあるが容積的には少ないこともあり、ホルモン療法から開始するのが良いとの説明がありました。
また、肝臓について、肝転移以外の可能性を完全除外するには、肝生検をすることも説明されましたが、腹膜播種の可能性を危惧しております。
私は、良いタイミングで原発巣を切除したいと希望しています。
当方遠方でありますが、田澤先生のセカンドオピニオンあるいは診察をお願いしたいと考えています。
手術不能で遠方の方も、時期をみて田澤先生に手術していただけるという記載を拝見しました。
遠方でも可能でしょうか?
まとまりのない文面になりましたが、ご意見頂戴できたらと思います。
どうぞよろしくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは田澤です。
「前回回答いただきました内容のとおり、FulvestrantとLetrozoleの説明書を拝読しましたら、田澤先生のご指摘のとおり記載がありました。
主治医との診察にて、Letrozoleへの説明はなく、これで効果が出てる報告があると言われ、イブランスのパンフレットを渡されて終わりました。」
→薬剤を扱う医師が「この程度の理解」でいいのか?
問題提起したいと思います。
Palbociclibが適応を通った背景である「PALOMA-3」及び「PALOMA-2」について、きちんと理解していないようでは、その薬剤を使う資格がないのでは?
PALOMA-3の対象が閉経前と閉経後であり、閉経前ではFulvestrant+LH-RH agonist +
palbociclib 閉経後ではFulvestrant + palbociclibであった
PALOMA-2の対象は閉経後のみであり、(こちらでは、ホルモン療法剤がFulvestrantではなく)Letrozoleであった。
つまり、閉経後にはFulvestrant及びLetrozole両方のエビデンスがあるが、閉経前は(そもそも)LetrozoleでのエビデンスはなくFulvestrantのみなのです。
★きちんと、これらの臨床試験を理解せずに閉経前なのにLetrozoleを使用しているように思えます。
「また、転移巣をコントロールできた後の原発巣の切除も伺いましたが、それについては適応外ということで、手術はしないと言われました。」
⇒最初から「手術はしない」ではなくて、「まずは肝転移をコントロールされたら、それから考えましょう」で、いいのでは?
実際に、当院では(同様に前医で断られて)当院で手術⇒抗がん剤⇒palbociclibで長期CRという方が沢山いらっしゃいます。
「原発巣が無い事」はQOLの面からも、精神的な面(癌からの開放感)からも決して「最初から除外すべきではない」そう思います。
「セカンドオピニオン先では、肝転移はあるが容積的には少ないこともあり、ホルモン療法から開始するのが良いとの説明」
⇒これには「180度」反対です。
CRをきちんと狙い(抗がん剤で)、それを楽に維持する(分子標的薬+ホルモン療法)方がいいのでは?
「当方遠方でありますが、田澤先生のセカンドオピニオンあるいは診察をお願いしたいと考えています。
手術不能で遠方の方も、時期をみて田澤先生に手術していただけるという記載を拝見しました。
遠方でも可能でしょうか?」
⇒勿論です。