[管理番号:9737]
性別:女性
年齢:41歳
病名:乳癌
症状:胸のしこり
投稿日:2021年9月17日
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質問者様の別の質問
新たな管理番号としました。
質問者様の別の質問。
管理番号:9787「肝臓転移、その後」
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妹が今月(上旬)日に乳がんと診断されました。
針生検の結果
ルミナールA
HER2マイナス
硬癌
グレード1
ki 17
造影CT MIR結果
肺は今のところ異常なし
肝臓に影ありと診断されました。
腫瘍の大きさ3センチ
来週PET検査で肝臓転移があるか調べると言われました。
肝臓転移の確率は高いのでしょうか?
心配でたまりません。
先生のブログを読んで診断が的確なので教えてもらいたいと思い質問させてもらいました。
田澤先生からの回答
こんにちは田澤です。
「肝臓転移の確率は高いのでしょうか?」
⇒CTで肝に見つかる殆どは「血管腫」です。
確率的には圧倒的に「血管腫」だと思いますよ。(初発時に肝転移は殆どない)
質問者様から 【質問2 】
遠隔転移
性別:女性
年齢:41歳
病名:乳癌
症状:左胸のしこり
投稿日:2021年9月28日
田澤先生こんにちわ。
先日はお忙しい中、ご回答いただきましてありがとうございました。
再質問をお願いしたく、QA投稿させていただきます。
ご多忙のなか申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願い致します。
【組織診の結果】
ルミナール
硬性型
核グレード1
ER 陽性、50%以上
PGR 陽性、50%以上
HER2 陰性
ki67 17%
【腫瘍計】
触診 25㎜
超音波 23.3㎜×15㎜
造影MRI 30㎜
【造影CT結果】
肺に異常はないが、肝臓に影ありと診断。
【PET/CT結果】
左乳癌
多発肝転移
左内胸リンパ節転移(疑い)
第3腰椎転移(疑い)
当初、ステージⅡということで、手術に向けて前向きにいたところ、検査をしていくなかで、ステージⅣとなり、家族みんな不安な気持ちで過ごしております。
主治医以外の先生にも検査内容を診ていただきましたが、CTやPET/CTの画像上はやはり多発肝転移は間違いないようです。
プリモビストの造影MRIを追加でする必要はなく、これ以上の情報は得られないとのことでした。
以上のことをふまえ、田澤先生に診断と今後の治療方針についてお伺いできればと思います。
1.このようなケースでの多発肝転移は珍しいようですが、田澤先生の多数のご経験上も珍しいものでしょうか?
本人が自覚している症状は、左胸しこりのみで、ひきつれや脇の腫れ、分泌物や皮膚のただれ等の症状はありません。
2.今後の治療について、主治医からの提案が、ホルモン剤で、リュープリン、レトロゾール、イブランスでした。
レトロゾールについて閉経前であることの質問をしましたが、(最近はこの組み合わせが主流になっているのか?)特段回答もありませんでした。
主治医はランマークは現状必要ないと判断されているようですが、こちらからランマークもお願いした方が良いのでしょうか?
突然のことに本人も家族も戸惑い、時間の経過とともに焦りも感じています。
前向きに治療に取り組んでいけるよう、田澤先生がお忙しいのは重々承知しておりますが、ご回答の方お願いできればと思います。
どうぞ宜しくお願い致します。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは田澤です。
「1.このようなケースでの多発肝転移は珍しいようですが、田澤先生の多数のご経験上も珍しいものでしょうか?」
⇒初発の段階で遠隔転移を伴うことは殆どありませんが、ゼロではありません。
ただ、その確率が1/500程度だとして(実際にそのくらいだと思います)
そのお一人のために(残り)499人に無駄な検査をすることに妥当性は感じません。
「2.今後の治療について、主治医からの提案が、ホルモン剤で、リュープリン、レトロゾール、イブランスでした。
レトロゾールについて閉経前であることの質問をしましたが、(最近はこの組み合わせが主流になっているのか?)特段回答もありませんでした。
⇒Fulvestrantの添付文章を読んでもらえば解りますが…
同じ閉経後の薬剤でもFulvestrant+LH-RHagonist+CDK4/6inhibitorは閉経前に適応が通っていますが、Letrozoleは厳密にはCDK4/6inhibitor併用でも閉経前には適応は通っていません。
★主治医に上記を指摘し、LetrozoleではなくFulvestrantにしてもらいましょう。
「主治医はランマークは現状必要ないと判断されているようですが、こちらからランマークもお願いした方が良いのでしょうか?」
⇒「疑い」だから敢えて併用する必要は無いのでは?
★★私個人的には肝転移なら抗がん剤を先にすべきだと思うし、乳癌の手術も忘れないようにしましょう。