[管理番号:8793]
性別:女性
年齢:46歳
病名:浸潤性乳管癌
症状:
投稿日:2020年8月5日
いつも拝見しております。
参考に治療していこうと強く思っております。
6月(中旬)日乳がんと告知されました。
その日に、レントゲン・CT・針生検をしました。
1週間後、乳がん確定し
ER70 PG0 ki?-70。
ルミナールBとのことでした。
術前検査をし、7月(上旬)日左胸全摘手術を行い腋窩リンパ節郭靖20切除したと聞きました。
7月(下旬)日、術後の検査の1部を聞きました。
しこりは、5センチ。
リンパへの転移はありませんでした。
ステージ2Bあたりだと言われました。
今回、術後の検査結果を聞きに行きました。
ER・PG2共に、陰性。
ハーツ陰性。
トリプルネガティブですと言われました。
ステージも3aかなーと……
来週から、FEC3w×1を、4回
ドセタキセル3w×1を、4回
行うことになりました。
ステージが予後と関係していることと
よくお見かけしております。
1、
自分自身のステージが明確でないことの不安
ステージが知りたいです。
主治医に、再発率は80%
抗がん剤をしても50%と言われ
何度も聞き直したのですが……
2、
術後の病理検査の結果
再発率が抗がん剤しても50%もあると
言うことなのでしょうか?
3、抗がん剤は、この種類で間違いないでしょうか?
4、ホルモン70もあったのに陰性になることがあるのですか?
読ませて頂くだけでも
心強くいられたのですが
希望が欲しくて投稿しようと思いました。
お願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは田澤です。
「自分自身のステージが明確でないことの不安ステージが知りたいです。」
⇒『今週のコラム 247回目 診断(検診で「何かある?」と言われた方、「これって、しこり?」と感じた方へ)vol. 3 「乳癌」』にステージについて記載しています。
「リンパへの転移はありませんでした。」のであれば、以下のどちらかになります。
T2(5cm以下)N0(リンパ節転移なし) ステージ2A
T3(5cmより大きい)N0 ステージ2B
★主治医の言う『ステージも3aかなー』というのは(主治医か、質問者どちらかの)
ステージ3Aはリンパ節転移無では、ありえないのです。
「主治医に、再発率は80% 抗がん剤をしても50%と言われ何度も聞き直したのですが……」
⇒何ともまぁ!
上記コラムの「ステージ別予後」の表をご覧ください。
再発率は20%以下となります。(しかも、このデータは2004のものであり、現在はもっと改善されています)
「術後の病理検査の結果
再発率が抗がん剤しても50%もあると
言うことなのでしょうか?」
⇒とんでもない!(上記通り)
「3、抗がん剤は、この種類で間違いないでしょうか?」
⇒トリプルネガティブであれば、それで正しい
「4、ホルモン70もあったのに陰性になることがあるのですか?」
⇒これは大問題
針生検の結果との整合性を評価しなくてはいけません。(病理のセカンドオピニオンという手もあり)
質問者様から 【質問2 】
5センチのしこり
性別:女性
年齢:46歳
病名:
症状:
投稿日:2020年8月11日
本日、1回目のFECを投与してきました。
フルオロウラシル250mg
エピルビシン50mg
エンドキサン500mg
術前と術後の組織診の結果のコピーを頂きました。
長くなりますが、宜しくお願いします!
術前
invasive ductal carcinoma tubular formation 3 nuclear atypia score2 ER70% Pgr0% HER2 score 1
MIB-1 70%
術後
Invasive ductal carcinoma other type left breast
Bt+Ax(Ⅲ) area=lower-inner(B) E 5.00×4.00×4.00
n(0/22) margin- NG(3) PG(Ⅲ) f.s.Ly0 V0
UICC 8th pT2 pN0 M0 stage ⅡA Jap 18th
pT2 pN0 M0 stageⅡA
バイオマーカー
ER 0% PgR 0% HER2 0
MIB-1 70%(hot spot)
検体は170×170×50mm 大の切除された左乳腺です。
下内側部分に50×40×40mm大の腫瘍が認められます。
(#3-10.#14-23)
組織学的に、病変に一致して浸潤性乳管癌の増殖が認められます。
線維性間質を背景に腫瘍細胞が索状、小塊状、個細胞性に増殖する硬性型の成分と、大型の充実性胞巣からなる充実型の成分が混在しており、診断は上記とします。
癌は周囲脂肪組織に浸潤し、標本#8では、皮膚の真皮網状層に及んでいますが、潰瘍形成や癌性リンパ管症は認められません。
切除断端に明らかな腫瘍の露出は認められません。
核異型スコア、3
核分裂スコア、2
核グレード、3
腺管形成、3
核異型スコア、3
核分裂スコア、2
組織学的グレード Ⅲ
波乃度、f.s リンパ管侵襲Ly0 静脈侵襲V0
リンパ節転移、合計(0/22)
level 1 (0/11) level 2 (0/7) level 3 (0/4)
UICC8版、pT2 pN0 M0 stageⅡA
規約18版、pT2 pN0 M0 stageⅡA
1、私自身、この結果を見ても全く分からないのです。
田澤先生のお言葉で、是非教えて下さい。
サブタイプとstageと、整合性など!
宜しくお願いします!
2、FEC4回の後、ドセタキセルかパクリタキセル
どちらか悩んでおります。
田澤先生なら、どのように
治療方針されますでしょうか。
是非、そのようにしたいと思ってます!
3、私は、関西の田舎に住んでます。
治療は今の病院に行きますが
抗がん剤終わったあと、是非田澤先生に診てもらいたく、それを糧に頑張っていこうと思っております。
その際、診てもらえますでしょうか?
診て頂けるのであれば、予約などどの様にしたら良いでしょうか?
家族は、もちろんの事
田澤先生のQ&Aに、支えられてます!
お忙しい中、宜しくお願い致します。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは田澤です。
前回回答したように
(以下コピペ)
「リンパへの転移はありませんでした。」のであれば、以下のどちらかになります。
T2(5cm以下)N0(リンパ節転移なし) ステージ2A
T3(5cmより大きい)N0 ステージ2B
〇 今回のメール内容には『pT2 pN0 M0 stageⅡA』とありますね(上記 通り)
それを何故主治医は3Aと言っているのだろうか?
「サブタイプとstageと、整合性など!」
⇒術前のER70%を無視するのはいかがなものか?
病理のセカンドオピニオンしたらどうでしょうか?
⇒ステージは(上記に記載したように)『pT2 pN0 M0 stageⅡA』と記載がきちんとありますよ?(ステージ2A)
「2、FEC4回の後、ドセタキセルかパクリタキセル
どちらか悩んでおります。
田澤先生なら、どのように治療方針されますでしょうか。」
⇒副作用が気になるならweeklyPTXとなりますが、そうでなければDTXとします。
「その際、診てもらえますでしょうか?
診て頂けるのであれば、予約など
どの様にしたら良いでしょうか?」
⇒MP市川駅に予約電話すれば大丈夫です。
頑張りましょう。
質問者様から 【質問3 】
5センチのしこり
性別:女性
年齢:46歳
病名:浸潤乳管癌
症状:
投稿日:2020年9月2日
いつもお世話になっております。
今回もよろしくお願い致します。
9月(上旬)日、2回目のFECを無事に投与してきました。
前回と同じ量投与でき安心しております。
今日は以前、アドバイスを頂いた
病理のセカンドピニオンの事です。
投与前の診察で
主治医から、医院内の病理師お2人と
話し合いをした結果
考えられるのは……
初めの病理検査のところだけ
ホルモンが強く出た。
術後の病理検査の時
ホルマリンがうまく浸透して
なかったのかもしれません。
と言われました。
結局、サブタイプがどうなのか?
分からないまま。
抗がん剤は、変わらず
FECとドセタキセル。
その後、放射線とホルモン剤
に、しときましょうか。
となりましたが……
それで大丈夫なのでしょうか?
不納得とゆうか、不安とゆうか……
こんなに、曖昧なものなのかとか……
お忙しい田澤先生しか
頼れる方も居なく……
絶対治したいんです!
どうか、お願い致します!
田澤先生から 【回答3】
こんにちは田澤です。
「それで大丈夫なのでしょうか?」
⇒妥当だと思います。
つまり、(おそらく)ルミナールタイプだけど、(万が一)トリプルネガティブの部分もあると慎重に「両方の治療を行う」
そういうことのようです。
ご安心を。
質問者様から 【質問4 】
放射線について
性別:女性
年齢:47歳
病名:
症状:
投稿日:2020年12月7日
いつもお世話になっております。
FECでは、痔と出血性膀胱炎が
残りましたが症状はなく
次の段階に進むことが出来ました。
2回のドセタキセルが終わり
1月中旬に、ドセタキセルが終わる予定です。
ここまでこれたのも
乳がんプラザのおかげです。
本当に感謝しかありません。
放射線について
田澤先生に意見を伺いたく
ご質問させて頂くことにしました。
こちらの病院では
放射線についてのお話はまだありません。
私の場合、放射線はするべきですか?
放射線を行わないとしたら
デメリットしかないでしょうか?
くだらない質問で
お時間を使わせてしまうこと申し訳けありません。
よろしくお願いいたします!
田澤先生から 【回答4】
こんにちは田澤です。
「私の場合、放射線はするべきですか?」
⇒通常、全摘後の照射(postmastectomy radiation therapy:PMRT)の適応は「リンパ節転移4個以上」となります。
その意味では質問者に放射線を照射する強い推奨はありません。
ただし、強いて言えば
波及度f、s(sはskinの略)であり、皮膚浸潤があったことに(腫瘍径が大きかったことも加味すると)胸壁照射を選択しても誤りではありません。