[管理番号:8532]
性別:女性
年齢:55歳
病名:浸潤性乳管癌 硬癌(T1c)
症状:
投稿日:2020年5月17日
確定診断後こちらのQAで大変お世話になっています。
昨年4月に手術をし、放射線後現在ホルモン療法をしています。
先日1年目で、エコー&
マンモで異常無しと言われたのですが気持ちがスッキリしませんでした。
現在3ヶ月毎の通院の為、半年毎のエコーと腫瘍マーカー、1年毎のマンモという内容で、エコーと採血は交互にしています。
過去のQAから、エコーでわからないものはマンモでは見つからないと書かれており、1年毎のマンモは必要ないのでは?と疑問に思っています。
(先生の書かれている双方の長所短所は読んでいます)先生のご意見をお聞かせください。
又、遠隔転移してもある程度進行しないと自覚症状は殆ど無いようですが、自覚症状が無く腫瘍マーカーも反応がない又は半年毎では見つかってからではかなり進んでしまうのでは?と想像します。
前に主治医は遠隔転移した場合、早くても遅くても予後は変わらないと言っていましたが、田澤先生のQAでは敵が小さいうちに最大限戦った方がいいとありました。
私も3ヶ月毎に通院していますので、
万が一の時は小さいうちに見つけたいです。
局所は半年毎のエコーで良いと納得していますが、遠隔転移を早めに見つけたい場合には今後どのようにしたらいいのでしょうか?
数年に一度はCTやPETの様な全身検索も必要ですか?先生の患者さんはどうされていますか?
原発がわかるきっかけは人間ドックや自己検診かと思いますが、遠隔転移の最初のきっかけはどういうパターンがあるのでしょうか。
余談ですが、昔15センチくらいの卵巣嚢腫他、筋腫、内膜症を自分では気付かず、不妊治療の初診で見つかりました。
医師から嚢腫は皮膚の上からはっきりわかると言われ、自覚症状も医師に聞かれてからあれがそうだったのか、と後で気づきました。
あの時のようにぼーとしてると自覚症状が出ても今は老化のせいかと思ってしまいそうで怖いです。
よろしくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「過去のQAから、エコーでわからないものはマンモでは見つからないと書かれており、1年毎のマンモは必要ないのでは?と疑問に思っています。」
⇒術後1年に1回マンモを撮影する根拠は2つ
1.(エコーでは解らない)微細で極小範囲の石灰化所見は(唯一)マンモががエコーに勝っている
2.術後の定期健診の中で唯一「1年に1回のマンモの有効性」が証明されている。
「遠隔転移してもある程度進行しないと自覚症状は殆ど無い」
⇒これは正しい。
「腫瘍マーカーも反応がない又は半年毎では見つかってからではかなり進んでしまうのでは?」
⇒リスクが高い場合では「3か月に1回」のマーカーでもいいでしょうが、通常は「半年に1回」で十分バランスが取れています。
「私も3ヶ月毎に通院していますので、
万が一の時は小さいうちに見つけたい」
⇒それであれば、「3か月に1回のマーカー」を希望しましょう。(断る理由はありません)
「遠隔転移を早めに見つけたい場合には今後どのようにしたらいいのでしょうか?」
⇒3か月に1回のマーカー
「数年に一度はCTやPETの様な全身検索も必要ですか?」
⇒「数年に1度のCTやPET]の数十倍「3か月に1回のマーカー」の方が鋭敏ですよ。
「先生の患者さんはどうされていますか?」
⇒
1.(私は)定期でCTやPET、骨シンチを撮影することはありません。(因みに、術前も行いません)
2.リスクの高い人は(2年位は)3か月に1回のマーカーとしています。(それで十分)
「遠隔転移の最初のきっかけはどういうパターンがあるのでしょうか。」
⇒(自覚症状で見つかるケースは、ほぼゼロであり)圧倒的に「腫瘍マーカー」でみつかります。
肺転移だけは、極稀に「たまたま」胸部レントゲン撮影して見つかるケースがあります。(小さい肺転移は腫瘍マーカーが上がらないケースはありますが、かといって定期的に「胸部レントゲン」撮影する必要性は感じません)