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乳がん治療について

[管理番号:6923]
性別:女性
年齢:53歳
病名:乳がん
症状:右胸上部に 硬いしこりあり

はじめまして。
子宮筋腫で婦人科に受診の為 病院通いを始め、 ある時胸を触って しこりを発見し、乳腺外科を受診した所、 乳がんの疑いあり、後日 エコーマンモトームの結果 間違いなく 乳がんであると告知されました。

どうしていいか わからず ネットで乳がんを調べているうちに 先生のサイトを見つけました。

全く乳がんに知識がなく 主治医に手術で乳房ごと取るか 温存するかどうしますかと聞かれパニックです。
温存でもいいかと思いますが全部取る方もいますと言われました。

乳がんについて心構えというか 主治医にこれだけは聞いた方がいい事とかありますか?

いろんな情報があってパニックです。

こんな低レベの質問で申し訳ありません。
よろしくお願いします。

腫瘍の大きさは2センチぐらい、今月末に手術の予定です。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「乳がんについて心構えというか 主治医にこれだけは聞いた方がいい事とかありますか?」
⇒まずは「頭の整理」が必要です。

★最も重要なことは「局所療法」と「全身療法」に明確に分けることです。
 これができないと、 『全摘すれば抗がん剤が要らない』とか『リンパ節転移があると抗がん剤する』などと、全くナンセンスな考えに陥ってしまうためです。

 
〇局所療法(乳腺及びリンパ節をどうするか?)
 1.手術 ①乳腺をどうするのか?「乳房温存術(部分切除) or 乳房切除術(全摘)」
      ②リンパ節をどうするのか? (センチネルリンパ節生検をした場合)「微小転移だった場合に郭清省略するのか?」など

    ①について 術式はMRIによる(病変の)拡がり診断を参考とします。
          温存すれば術後照射(温存乳房照射)が必須
          温存して放射線しても(乳房内再発は)「10年間で5%程度」はある。
          乳房内再発のリスクは温存(10年で5%)と全摘(0%)で異なるが、遠隔転移再発のリスクは両者に差はない。
 2.放射線 放射線はあくまでも局所療法であり、(ここでは)あくまでも「手術とセット」となります。(温存すれば放射線は必須だし、全摘すれば放射線は不要)

〇全身療法(遠隔転移再発のリスクを減らす)
 サブタイプ(ER, PgR, HER2, Ki67)によって、「効果が期待される」治療を行う。
 ホルモン療法や化学療法、抗HER2療法などがあります。

局所療法と全身療法は全く独立しているのです。(ハンバーガーはハンバーガーでオーダーし、ポテトはポテトでオーダーするのです。)

回答に戻ると
「サブタイプ」「ステージ(腫瘍径とリンパ節転移の有無)」「センチネルリンパ節生検の取り扱い(上記1-②)」などが必要です。