[管理番号:6656]
性別:女性
年齢:45歳
初めまして。
表題の件についてネット検索をしていて、こちらのサイトに辿り着き、
メッセージいたしました。
先日、風邪で近所の内科医にかかり体調について伝えたところ、「本人が乳腺症で家族に乳がん患者がいたら、エストロゲン単独投与のHRTは基本的にはしないのでは」とのお話があり、気になってご相談した次第です。
先生の見解をお伺い出来れば幸いです。
【質問事項】
1. 今年4月に良性疾患で子宮と卵巣卵管全てを摘出後、更年期症状が強い為、6月からエストロゲン単独投与を開始し、今後も継続を希望しています。
私のケースでも投与して良いでしょうか。
2. 投与して良い場合、乳がんリスクはどのくらい上がるのでしょうか。
3. HRTの最大の投与可能期間やその他注意事項があれば教えてください。
【状況と経過】
・40歳から乳腺症で乳腺科を半年に1回受診中。
2箇所・2度の生検を受け、乳がんは否定(adenosis Mastopathy との結果)。
以降、大きな変化無し。
・術後、更年期症状で日常生活に支障が出た為、婦人科にてエストラーナテープ0.72mgを2日おきに貼り替え中。
・婦人科主治医には祖母が乳がん患者な事と自分の乳腺症を伝え済み。
補充量を慎重にして乳腺症の経過観察をすれば問題ない、との事。
・乳腺外来の病院に手術の件は伝えてあり、胸に特に異常がなければ予約日の受診で良いとの事。
(婦人科と乳腺科は別の病院です)
以上となります。
どうぞ宜しくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
昔は「良くわかっていなかった」こともあり、「ホルモン療法は何でもかんでも(乳がんに)危険」という都市伝説がありました。
今は乳がん学会がまとめているので、おおよその参考とするといいでしょう。
1.ホルモン補充療法(エストロゲン+プロゲステロン)は長期投与で乳がんリスクを高める。
中止後3-5年でリスクの上昇は消失する。
2.低用量ピルは(おそらく)リスクを高めない。
3.エストロゲン単独療法は、短期投与においてリスクを高めない。
「1. 今年4月に良性疾患で子宮と卵巣卵管全てを摘出後、更年期症状が強い為、6月からエストロゲン単独投与を開始し、今後も継続を希望」
「私のケースでも投与して良いでしょうか。」
→大丈夫です。
上記3のとおり。
「2. 投与して良い場合、乳がんリスクはどのくらい上がるのでしょうか。」
→上がりません。
「3. HRTの最大の投与可能期間やその他注意事項があれば教えてください。」
→5年間は大丈夫です。
☆5年間程度は「むしろ低下させる」可能性さえ、示唆されてます。