[管理番号:5979]
性別:女性
年齢:46歳
母親46才 2017/11末に乳ガンと診断され
2018/1月上旬に右側脇と胸の間を部分切除しました。
術後の病理検査
浸潤硬がんトリプルネガティブ
腫瘍 8ミリ
グレード3
ki67-70%
リンパ転移無し 0/2
取り残し無し
主治医からの説明では8ミリ、リンパ節転移が無い、ガイドラインでは抗がん剤を考慮するとなっている。
主治医は1cm以上ならするけど、副作用を
考えると進めないと言われました。
父も主治医が考慮ならしなくてもいいのではと言っています。
ステージの話は出なかったのですが…
トリプルネガティブは再発、転移しやすい
事が不安で再発、転移の確率はどのくらいですか?
田澤先生も8ミリの場合抗がん剤を考慮(無し)にしますか?
私(21)にも遺伝しますか
次の診察でどうするか返事をしなければいけないのでよろしくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
pT1b(8mm), pN0
完璧な早期癌です。
質問者はネットのクダラナイ情報に踊らされて、「超早期癌であることから目が逸らされている」ようです。
「ステージの話は出なかったのですが…」
⇒超早期癌です。
8mmの癌で「再発転移を気にする」ことはナンセンスです。
「トリプルネガティブは再発、転移しやすい事が不安」
⇒誤り。
サブタイプはあくまでも術後治療のためにあり、予後はステージとリンクするのです。
「再発、転移の確率はどのくらいですか?」
⇒用語的に混同していますね?
もしも分けるのであれば、「局所再発」と「遠隔転移再発」としましょう。
「局所再発」⇒この場合は「温存乳房内再発、および腋窩リンパ節再発」をいいます。(手術の仕方により差異は出ますが…)一般に(放射線をかければ)10年で5%
「遠隔転移再発」⇒5%程度でしょう。
「田澤先生も8ミリの場合抗がん剤を考慮(無し)にしますか?」
⇒その通り。
ご本人が積極的であれば、「行う」が強く勧めることはありません。
「 私(21)にも遺伝しますか」
⇒遺伝性(家族性)であるかは遺伝子検査をしなくては解らないですが、質問者が「家族性乳がん」である確率は高くはありません。
質問者様から 【質問2 トリプルネガティブ硬がん】
性別:女性
年齢:46歳
田澤先生
お返事ありがとうございました。
母親に8ミリの場合、抗がん剤は考慮(無し)
田澤先生がその通り(無し)と伝え主治医と同じ返事だったので安心していました。
母親の場合の生存率はどのくらいですか?
放射線をやる場合はどのくらいですか?
田澤先生ならどうしますか?
よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「母親の場合の生存率はどのくらいですか?」
⇒前回、回答したとおり「 「遠隔転移再発」⇒5%程度でしょう。」ですので、生存率は95%くらいでしょう。
「放射線をやる場合はどのくらいですか?」
⇒温存手術なのだから、当然25回必要です。
「田澤先生ならどうしますか?」
⇒温存手術なのだから…
「温存乳房照射」をします。
質問者様から 【質問3 トリプルネガティブ硬がん】
性別:女性
年齢:46才
田澤先生
よろしくお願いします。
田澤先生から抗がん剤、考慮(無し)と言って頂いたので主治医の診察で抗がん剤はしないことを伝え放射線治療になりました。
放射線科の診察で主治医に副作用などの説明がありました。
回数の話になった時、短期照射に適用しますがどうしますかと言われ、
短期照射(19回)通常照射(25回+5回)30回右胸全体と残っている乳腺全体と説明され以前質問した時に田澤先生は25回と言われ出たので通常照射を希望したのですが大丈夫でしょうか?
薬の件でお聞きしたいのですが、今は飲んでないのですが、極度な緊張など人前に出ると手の震えで神経内科で本能性…忘れてしまいました。
インデラル、セルシンを飲んでいました。
(極度な緊張がある時だけ)
これから飲む事があると思うのですが飲んで大丈夫でしょうか?
治療に差し支えはありますか?
主治医と放射線科主治医には伝えるのを忘れていました。
よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
「回数の話になった時、短期照射に適用します」
「通常照射を希望したのですが大丈夫でしょうか?」
⇒寡分割照射の適応はASTRO(American Society for Radiation Oncology)では、「50歳以上」があります。
通常照射で間違いありません。
「インデラル、セルシン」「これから飲む事があると思うのですが飲んで大丈夫でしょうか?」
⇒勿論です。
「治療に差し支えはありますか?」
⇒ありません。
物事はシンプルに考えましょう。
質問者様から 【質問4 トリプルネガティブ硬がん】
性別:女性
年齢:46歳
田澤先生
以前、娘が私の事で質問、相談させていただいたものです。
その節はありがとうございました。
これからは、私が質問、相談しょうと思うのでよろしくお願いします。
以前、右側脇と胸の間と記載しましたが、
脇にほぼ近い所にしこりがあり部分切除しました。
脇のしこりの部位2の所でした。
術後治療が放射線のみで後、5回で治療が終わる予定ですが、その後、経過観察になると思うのですが、転移、再発が心臓で仕方がないのですが…
経過観察にはどのような検査をどのくらいの期間でするのがよいのでしょうか?
術後から中々寝れず眠剤を処方してもらい飲んでいます。
今も不安で服用しないと寝れないのですが、これから先も服用していても大丈夫でしょうか?
よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答4】
こんにちは。田澤です。
「経過観察にはどのような検査をどのくらいの期間でするのがよいのでしょうか?」
⇒半年に1回の診察エコーと採血腫瘍マーカー
1年に1回のマンモグラフィー
「これから先も服用していても大丈夫でしょうか?」
⇒構いません。
質問者様から 【質問5 トリプルネガティブ硬がん】
性別:女性
年齢:46歳
田澤先生よろしくお願いします。
2018/1月に手術、術後、放射線治療を25回が終わり、今は無治療になりました。
今月に入って左肩から肩甲骨に鋭い痛みがあり近くの整形外科に受診、痛み止めの注射と痛み止めを処方してもらいましたが効かず、もしかしたら転移なのか不安で仕方ありません。
来週3ヶ月の診察があることを話したらMRIを撮ってもらってと言われたので診察の時に伝えようと思います。
診察が近くなると転移、再発してないか不安で仕方ありません。
3ヶ月の診察ではどんな検査をした方がいいですか?
よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答5】
こんにちは。田澤です。
「肩~肩甲骨」であれば、普通の「肩関節痛」でしょう。
整形外科医は普段、癌を診ることないので(整形外科領域では癌は存在しません。似たもので「肉腫:骨肉腫や脂肪肉腫など」はありますが、(癌に比べて)圧倒的に少ないので、(整形外科医は)腫瘍の経験が無い分「過敏になる傾向」があるのです。)
「3ヶ月の診察ではどんな検査をした方がいいですか?」
→そもそも「3か月に1回の診察」が必要なのか?
ルミナールタイプでは(ホルモン療法剤が3か月処方なので)「3か月に1回通院する」ので、(薬だけでは忍びないので)3か月に1回の診察をしていますが…
その必要のない質問者のケースでは「半年」でいいのでは?(私なら100% 半年とします)
質問者様から 【質問6 トリプルネガティブ】
性別:女性
年齢:46歳
今年1月に右脇部分切除後、放射線治療が
終わり無治療になり7月下旬に半年の定期検査がありました。
7月中旬より左胸下の脇の膨らみ辺りにしこりのような物を見つけ定期検査で伝え、当日にマンモとエコーを受け、説明では非浸潤性乳管がんと言われ針生検(音がなるやつ)3ヵ所から採集、5日後に造影MRIを受け、先週主人と結果を聞きに行って来ました。
組織診断
[Addendum report〕
Left breast,DC area,needle
biopsy
ADEQUATE,MALlGNANT
DUCTAL COMPONENT/DUCTAL
CARClNOMA IN SITU ( DCIS)
造影MRI
左胸CD領域、乳頭から2-5時方向に径10×9cm
担当医からは転移ではなく新しく出来たもの非浸潤性なので切除すれば大丈夫、十分に切除すると胸半分位のへこみが出来るので皮下乳腺全摘で同時再建は出きると言われ、乳頭から十分に離れているから大丈夫との事、次の日に形成外科受診、同時再建で自家組織も出きる。
お腹に傷があっても出きる。
出来れば(主人)も皮下乳腺全摘自家組織同時再建を希望していますが、
田澤先生ならどんな治療方法をお考えになりますか。
長文になってしまいすみません。
よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答6】
こんにちは。田澤です。
「担当医からは転移ではなく新しく出来たもの」
→当たり前!!
乳癌が対側に転移するなど10000%あり得ないことです。
「田澤先生ならどんな治療方法をお考えになりますか。」
→物事はシンプルに考えましょう。
非浸潤癌だから全身療法は不要、あくまでも局所療法のみです。
その局所療法ですが…
温存なら、手術+術後照射
全摘なら、手術のみ
上記のいずれかなのかは、MRIの広がり診断次第です。
質問者様から 【質問7 トリプルネガティブ硬がん】
性別:女性
年齢:46歳
田澤先生、前回の回答ありがとうございました。
再質問は1週間あけなければいけないのですが、よろしくお願いいたします。
造影MRI
左乳CD領域、乳頭から2-5時方向に
経10×9cmの範囲に不均一な区域性造影効果が見られます。
急速増強から漸増性ですが既知の乳ガンです。
左乳房の変形が今回みられます。
明らかな胸筋、胸壁、皮膚への浸潤は認めません。
明らかな多中心性病変を認めません。
背景乳腺造影効果はほとんどありません。
[診断〕
breast cancer at Ieft CD area.
Tis
レポートの紙をもらいましたが意味が良くわからないのですが
広がりはどのくらいあるのでしょうか。
温存なら手術+術後放射線
乳頭乳輪温存乳腺全摘自家組織同時再建でも術後放射線は出きるのでしょうか。
5年10年の転移率、再発率はどのくらいあるのでしょうか。
手術日は9月上旬に決まり、来週術式を決める予定になっています。
田澤先生ならどのような治療方法を
お考えになりますか。
よろしくお願いいたします。
田澤先生から 【回答7】
こんにちは。田澤です。
物事はシンプルに考えましょう
「広がりが広い=全摘」
「非浸潤癌で全摘=根治=生存率100%」
「広がりはどのくらいあるのでしょうか。」
→「10×9cmの範囲に不均一な区域性造影効果」とありますよ?(それは、当然「病変の広がり」を示唆しているわけです)
「乳頭乳輪温存乳腺全摘自家組織同時再建でも術後放射線は出きるのでしょうか。」
→通常行いません。
「5年10年の転移率、再発率はどのくらいあるのでしょうか。」
→非浸潤癌で再発率(遠隔転移再発)などありません。 100%無再発(遠隔転移再発)です。(温存手術を行えば「温存乳房内再発」のリスクは出てきますが、それは術者によってさまざまなので温存乳房内再発率など議論しても無意味です)
「田澤先生ならどのような治療方法をお考えになりますか。」
→非浸潤癌だから「局所療法のみ」です。
実際にMRIを見ていませんが…
10x9cmなら全摘とします。(常識的に考えて)
質問者様から 【質問8 トリプルネガティブ硬がん】
性別:女性
年齢:46歳
田澤先生よろしくお願いします。
間を開けずの質問をお許しください。
非浸潤乳腺がんと診断され、手術が9月上旬予定です。
皮下乳腺全摘(乳頭乳輪は温存)皮下乳腺全摘、自家組織同時再建なのですが、
自家組織同時再建しても大丈夫でしょうか。
色々、考えると混乱して分からなくなっています。
よろしくお願いします
田澤先生から 【回答8】
こんにちは。田澤です。
「前回の回答で全摘との事ですが乳頭乳輪も切除なのでしょうか。」
→勿論です。
そもそも「乳頭乳輪温存」の適応は「腫瘍が乳頭から十分に遠く、広がりが狭い」
という条件があります。
つまり、「乳頭乳輪温存」は本来「温存手術も十分に可能だが、何らかの理由で全
摘を望むケース」に限られているのです。(本来、温存手術ができない広がりの場合
には乳頭乳輪温存手術はリスクを伴うのです)
★無論、そのリスクを承知の上で行うのであれば問題ありません。
質問者様から 【質問9 トリプルネガティブ硬がん】
性別:女性
年齢:45才
病名:
症状:
田澤先生よろしくお願いします。
針生検で非浸潤がんと診断され9月上旬に乳頭乳輪温存皮下乳腺全摘自家組織同時再建手術後1ヶ月位たちます。
退院後病理検査結果を聞きに受診したところ、まだ出ていないとの事で2週間後に予約を入れました。
リンパ節には転移はなかったそうです。
病理検査はそんなに時間がかかるものなんでしょうか。
不安でたまりません。
入院中担当医からは術後病理検査が確定診断と言われていたのでよけいに不安
針生検は確定診断ではないのでしょうか。
前回のレポートからどのくらいの浸潤があるとお考えですか。
再建の傷口の治りが悪く形成担当医からはしばらくして悪い部分を切除すると言われ病理検査もまだ出ていない状態で傷口も悪く不安です。
浸潤があった場合前回レポートからみて抗がん剤治療はあるのでしょうか。
浸潤があった場合、傷口とどちらが先に治療した方がいいとお考えですか
よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答9】
こんにちは。田澤です。
「前回のレポートからどのくらいの浸潤があるとお考えですか。」
→勿論解りません。
いずれ(2週間後?)解ることを「あれこれ予想する意味」がありますか?(冷静になりましょう)
質問者様から 【質問10 トリプルネガティブ硬がん】
性別:女性
年齢:46歳
病名:
症状:
田澤先生よろしくお願いします。
針生検で非浸潤性乳管がん告知後、
9月上旬に左胸(乳頭乳輪温存)皮下乳腺全摘自家組織同時再建、センチネル生検が終わり術後、病理検査が出ました。
(1ヶ月以
上もかかってしまった)
lNVASlVE DUCTAL CARClNOMA
size(invasive):4×3.5㎜
(whole):72×15×73cm
histological grade:3+2+3=8
Grade lll
nuclear grade:2+3=5 Grade 3
ly(-) v(-) f(-) s(-)
margin:negative
Sentinel lymph node:0/1
[RESULTS OF IMMUNOHISTOCHEMICAL
STUDY〕
ER:0% pgR:0% HER2:+3 ki67:20%
所見
D領域からC領域にかけて位置する病変です。
大部分は非浸潤がんで占められていますが部分的にせいかん構造やさくじょう配列、小胞巣構造を呈する
浸潤巣が認められます。
浸潤巣は乳腺内にとどまっており脈管浸 像も指摘できません。
切除断端は陰性です。
担当医からはレポートを見ながら説明されました。
非浸潤がん7cmの中に4㎜の浸潤が
ありHER2:+3増殖スピード強
切除断端は陰性なので取りきれている。
リンパ節転移は無し
今後の治療方針4㎜なので抗がん剤はしなくてもいいと思うけど、右側、術後放射線後の中に左側にもなってしまったので3ヶ月に1回の検診遺伝子検査をしてもいいかもと言われています。
田澤先生は抗がん剤は不要と書いてありましたが、私の場合も抗がん剤はしなくてもいいのでしょうか。
左右とも違うタイプだったので不安、心配です。
再発、転移の確率はどのくらいあるとお考えですか。
よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答10】
こんにちは。田澤です。
「私の場合も抗がん剤はしなくてもいいのでしょうか。」
⇒その通りです。