[管理番号:5900]
性別:女性
年齢:74歳
母(74歳10か月)が浸潤性乳がんの診断を受けました。
お忙しいことと思いますが、どうぞよろしくお願い致します。
○7年前
検診MMGに左乳房の石灰化を指摘され、二次検診でCNBを
施行し非浸潤性乳管癌と診断されました。
〇〇病院でセカンドオピニオンを受け、経過観察で良いと言われ、現在に至っています。
○2017/11/(下旬)
左乳房の晴れと痛みのため、近所のクリニックを受診し、
乳頭直下の腫瘤と左乳房足側の皮膚初赤から浸潤性乳管癌の疑いと言われ、
県立医大の乳腺外科に紹介されました。
○2017/12/(上旬) 県立医大にて、CT検査、病理組織診検査受診
○2017/12/(下旬) 確定診断
<左胸 腫瘤>
ステージⅢB(リンパ、皮膚に転移がある)
浸潤性乳管癌
ER:J-Score0
PgR:J-Score0
HER2:Score 2+
Ki-67:32.3%(323/1001)
CTとPET検査の結果、現状では遠隔転移は見られないとのことです。
腫瘤が5センチで大きく皮膚にも広がっているため、取りきれないから手術はできない。
抗がん剤の治療をし、
縮められれば手術となると言われました。
<左腋窩リンパ節腫の病理細胞診検査結果>
クラス5
レベル2 小胸筋の裏でかなり奥に転移していると言われました。
○12/(下旬) 腫瘍内科のドクターからの説明
HER2の検査結果、陰性であり、トリプルネガティブとのタイプ診断でした。
このタイプは、抗がん剤の治療のみであり、1番強い攻撃をしないと腫瘍のがん細胞をとめられないと説明を受けました。
パクリタキセル 毎週1回×12回
ドリアマイシン 3週に1回×4回
を組み合わせることを提案されました。
手術することは、癌細胞の活性化につながり、すでに臓器にいっている場合、爆発させる危険性があるから無治療がよいという診断を7年前に信じたことを悔いています。
現状から、以下のことをかなえられることは何か。
治療について、先生でしたらどのように考えるかお教えいただきたくお願い申し上げます。
☆できるだけ穏やかに、生活の質を下げずに生活できる時間を確保する
(元々母は、「抗がん剤は劇薬でがん細胞以外の細胞にもダメージを与える」と抗がん剤への拒否感があります。
しかし、「放置すれば腫瘤が皮膚を突き破り、そうなったらとても大変になる」との説明も聞き、放置はできないと考え始めています。
それでも、積極的治療(強い抗がん剤)に、高齢の母が精神的・肉体的に耐えうるか懸念しています。
娘である私は遠くに離れておりケアができません)
☆生業としているピアノを弾き続けたい
(上記の抗がん剤の副作用にある「手足のしびれが避けられない」ということが、大きなネックになっています。
生きる希望のようなものが失われてがんばれるかと気落ちしています)
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
まず?がついたのが、
「○7年前 検診MMGに左乳房の石灰化を指摘され、二次検診でCNBを施行し非浸潤性乳管癌と診断」「〇〇病院でセカンドオピニオンを受け、経過観察で良いと言われ」
⇒本当ですか??
「癌の診断で、経過観察で良い」とはどういうこと??
全く理解できません。
「手術することは、癌細胞の活性化につながり、すでに臓器にいっている場合、爆発させる危険性があるから無治療がよいという診断を7年前に信じたことを悔いています。」
⇒そんなことを言う医師がいることが大変、残念です。
「「抗がん剤は劇薬でがん細胞以外の細胞にもダメージを与える」と抗がん剤への拒否感」
⇒7年前と「全く同じ過ち」を繰り返さない様にすべきです。
癌は2回は待ってはくれません。
「治療について、先生でしたらどのように考えるかお教えいただきたくお願い申し上げます。」
⇒コレは、もう明らかです。
○現時点で「手術不能」なのだから、「抗癌剤が必須」となります。
抗癌剤の種類としては、「抗癌剤の副作用に対して抵抗感がある74歳」であれば、(私なら)迷わず「bevacizumab + paclitaxel」を選択します。
「3クール(3カ月)程度で手術可能」となることが期待でき(現在のpaclitaxelx12⇒アンスラサイクリン③サイクルでは6ヵ月かかります)、その後「手術」とします。
3クール程度であれば、(ピアノに影響がないとはいいませんが)日常生活は保たれます。
★重要な事は、「同じ過ちは2度と繰り返さない」という強い姿勢です。