[管理番号:5564]
性別:女性
年齢:67歳
田澤先生、こんにちわ。
はじめまして。
67歳の母が乳がんで来月手術を受けます。
8月の健診で見つかりました。
全摘か温存か、どちらが良いのかアドバイスお願いできますでしょうか?
乳首の下あたりに17mmのしこりがあります。
担当医は温存の場合は、また再発する可能性がある、全摘の場合は腕が上がらなくなったりなどまれに身体に支障がでる場合もある、とそれぞれにそれなりのリスクがある事を話したようです。
癌がなくてもアンジェリーナジョリーのように全摘する人もいるくらいですから、母も年齢的にも全摘でもかまわないと言っています。
担当医はとても慎重でのんびりしている印象があると母は言っていました。
医者の立場から、数パーセントの確率でまれに起こりうることを想定してお話しされる事などもあるかとは思いますが、実際に全摘をした場合、その後の身体の負担、腕が上がらなくなるなど、そういうことはあるのでしょうか?もし腕が上がらなくなった場合はリハビリなどで改善されますでしょうかされますでしょうか?
慎重に対応してくれるのはとてもありがたいのですが、温存か全摘か、
患者に判断をさせるような感じでもあるようなので、とても迷っています。
全摘するほどの事はないならば、医者としては、再発がある可能性もあるけど温存を進めるものなのでしょうか?
ちなみに17mmのしこりは、素人的にはそれほど大きくはないのかと思ったのですが、これは早期発見の癌になるのでしょうか?
最近は、ステージがいくつなのか、もあまり判断基準にはならないとも聞きますが、そうなのでしょうか?
もう1つ気になることがありまして、17mmのしこりが、肋骨にはさまるような状態であると言われ、骨に転移してるのかととても心配です。
乳首の下にあるしこりなので、脇のリンパには少し離れているかと思いリンパへの転移はないかと素人判断で思っていたのですが、肋骨にはさまる状態であると聞きとても不安になりました。
痛み等の自覚症状は全くないようです。
これから、MRIとCTを撮り、11/7に手術です。
精神的にも早急に癌細胞をとって安心したいので、手術日だけでも先に決めたいと申し出て日程を調整してもらった次第です。
お忙しいところ申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
今回の内容については、その主治医の「全摘の場合は腕が上上がらなくなったりなどまれに身体に支障がでる場合もある」という意見には、全く賛成しません。
☆実際には「温存と全摘の違い」は、あくまでも「見た目」だけであり、「全摘だと腕が挙がらない」などと言っている理由が解りません。
その医師は本当に(まともな)乳腺外科医???
「実際に全摘をした場合、その後の身体の負担、腕が上がらなくなるなど、そういうことはあるのでしょうか?」
⇒全くありません。
なぜ全摘をすると腕が挙がらないのか、全く検討がつきません。(よっぽど稚拙な手術をしない限り、そんなことはありえません)
「もし腕が上がらなくなった場合はリハビリなどで改善されますでしょうか」
⇒リハビリなど不要です。
そもそも(リハビリなどしなくても)「手術当日から」腕は挙がります。
「全摘するほどの事はないならば、医者としては、再発がある可能性もあるけど温存を進めるものなのでしょうか?」
⇒無理なく温存が可能ならば、(乳房を残してあげたいという気持ちから)「温存を勧め」ます。
全摘を勧めている理由は「乳頭と近い=乳頭を残す際に、マージンが安全にとれない=局所再発のリスクがある」ということではないかと想像します。
「17mmのしこりは、早期発見の癌になるのでしょうか?」
⇒その通り、1期です。
最近は、ステージがいくつなのか、もあまり判断基準にはならないとも聞きますが、そうなのでしょうか?
「もう1つ気になることがありまして、17mmのしこりが、肋骨にはさまるような状態であると言われ、骨に転移してるのかととても心配です。」
⇒完全な勘違いです。
骨転移は直接浸潤ではありません。