[管理番号:188]
性別:女性
年齢:43歳
2年前に初めて受けた乳ガン検診で、乳首から血が出たのでエコーと細い針を刺して検査をしました。
血からは悪いものはでなかったけど、細い針の検査で膿疱内ガン疑いと言われて、大学病院を紹介されて半年後とにエコーと、マンモで検査をしてましたが、
今月MRIを受けたら浸潤ガンではないけど非浸潤ガンを否定はできないから、腺葉区域切除手術をした方が良い、と言われました。
もともと胸が張るような痛みがあったのですが、非浸潤ガンの否定はできないと言われてから、脇の下や胸が余計に痛く感じたりします。
周りの人はMRIで検査してるんだから、気にしすぎ!!と言いますが転移等の可能性はないのでしょうか?
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「嚢胞内腫瘍」ですね。
経過は良くわかりました。
御心配なことだと思います。
状況の整理をした上で、回答します。
状況の整理
「乳首から血が出たのでエコーと細い針をさして検査をしました血からは悪いものはでなかったけど細い針の検査で膿疱内ガン疑い」
⇒これを整理しますと
- 乳がん検診で「血性乳頭分泌」を指摘
- (最初の医療機関で)超音波を施行し「嚢胞内腫瘍」(血性分泌を伴うため、むしろ乳管内乳頭腫疑いとなるはず)が指摘され、「分泌物スメア細胞診:血性分泌物の中に癌細胞がいないか?を調べる」及び「嚢胞内の腫瘍に対して細胞診」を行った。
その結果「分泌物スメア細胞診では良性」「腫瘍に対する細胞診で癌疑い(クラス4か?)」であり大学病院へ紹介となる。
※もしかして②までは検診の続き(もしくは検診附属のクリニックなど)で行った可能性がありそうですね。
- 大学病院で半年毎にエコーとマンモを行い2年経過、今月乳房MRI検査を行ったら「嚢胞内腫瘍が非浸潤癌疑い」という結果となったため、(血性分泌もあるため)この分泌のある乳管も含めた切除(乳管腺葉区域切除)を勧められた。
※通常、血性分泌を伴う場合は乳管内に微小な腫瘍が多発していることもあるので(乳管内乳頭腫に準じて)「乳管ごと摘出=乳管腺葉区域切除」が望ましいのです。
回答
「転移等の可能性はないのでしょうか?」
⇒無いと思います。
もし、癌だとしても「嚢胞内乳癌」は、癌が嚢胞内(=乳管内)に留まっている(=非浸潤癌)であることが殆どです。
◎非浸潤癌は転移を起こしませんし、仮に「非浸潤癌ではなくて、微小浸潤」していたとしても、転移を起こすような状況とは全く考えられません。
安心して結構です。
私の感想(参考にしてください)
血性分泌を伴う「嚢胞内腫瘍」(乳管内乳頭腫疑いでもある)として紹介された時点で、「摘出生検」すべきだったと思います。
2年間も経過を見たのは、ご本人の希望だったのでしょうか?
「嚢胞内腫瘍(血性分泌を伴う場合は、むしろ乳管内乳頭腫を疑います)」の確定診断は難しく、(特に血性分泌を伴う場合には)「摘出生検」が望ましい。と私は思います。
「早期発見に勝る治療はない」のです。
質問者様より 【質問2】
お返事ありがとうございます。
先生のお返事を見て安心しました。
2年間 経過観察だったのは私が希望した訳ではなく、マンモとエコーの結果、悪いものには見えない…と言われてたので、経過観察でした。
正直 去年12月のエコーでは悪いものには見えないと言われてたのに今回 非浸潤ガンの否定はできないと言われてかなり戸惑ってます…
しばらく続いてる胸の張りの原因は、何が考えられますか
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
再度のメールありがとうございます。
「2年間 経過観察だったのは私が希望した訳ではなくマンモとエコーの結果悪いものには見えない…と言われてたので」
⇒大学病院らしい対応と思いました。
多くの医師がいて、担当医師が毎回変わりがちであり、「自分が責任を持つ」という感覚に乏しくなり「積極的な診断」から「消極的な先送り」になりがちなのです。
※私の昔の経験をもとに「反省を込めて」コメントしました。(今回の医療機関に当てはまらない可能性はあります。御容赦ください)
「しばらく続いてる胸の張り」
⇒乳腺症による正常乳腺の症状だと思います。
30歳代後半から40歳代にかけて、乳腺症の症状は増加します。
「嚢胞内腫瘍」とは関係ないと思います。
◎「嚢胞内腫瘍で非浸潤癌の否定はできない」という表現からは、腫瘍が「完全に乳管内に留まっている」所見だと思います。
この場合には「進行していることと結びつける」必要は全くありません。
質問者様から 【質問3】
お忙しいのにお返事ありがとうございます。
胸の張りと痛みが膿疱内腫瘍と関係ないと聞きホッとしました…
確かに別の先生に2回ほど診察を受けました。
今も胸の張りがあり腕を伸ばしたりすると余計に痛く感じます。
うち伏せに寝たり自然に血が出ることはありませんが、
摘まんだりすると血が出る事があり、
今は血が出る場所のちょっと上に、
乳腺なのかしこりなのか1つだけ固く感じる場所があり、
そこを押すと、毎回ではないてすが血がにじんでくることがあります。
来月中頃 腺葉区域切除手術の予定ですが、もっと早くした方が良いですか?
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
「進行したものでは無い」ことが解り、安心が得られた様子。なによりです。
「血性分泌自体は2年間の経過観察で変化は無い」筈ですが、いきなり「非浸潤癌かもしれない」と言われると、「手術が1カ月も先で不安」という気持ちになるのは解ります。
それでは回答します。
回答
「来月中頃 腺葉区域切除手術の予定ですがもっと早くした方が良いですか?」
⇒「2年間も経過を見たわけですから」今更慌てる必要はありません。
(もし癌だとしても)かなり「ゆっくりした」進行の筈です。
慌てずに「確実に」診断する事が重要です。
◎病理診断の程度によっては、追加の治療の可能性もありますが、まずは「確実な診断」が重要なのです。
質問者様から 【質問4】
お返事ありがとうございました…
来月 腺葉区域切除手術をします。
もう1つお聞きしたいのですが…胸の張りと痛みがまだ続いてますが、乳腺症の痛みは長く続くものですか?
昨年 夏に子宮内膜腺筋症で子宮を取ってますが、それとは何か関係がありますか?
今回 MRIの結果で手術することになったと、周りの人に話すとMRIの結果で手術なら、ほぼガンだよ…とか言われて精神的に落ちてます…
田澤先生から 【回答4】
こんにちは。田澤です。
「胸の張りと痛み」がやはり気になると言う事ですね。
それでは回答します。
回答
「乳腺症の痛みは長く続くものですか?」
⇒(個人差もありますが)長く続く事も多いです。
状況からしても「乳腺症による痛み」で間違いないでしょう。
「子宮内膜腺筋症で子宮を取ってますがそれとは何か関係がありますか?」
⇒関係ありません。
乳腺症は「卵巣」からの女性ホルモン分泌によるので、「子宮」との関係はありません。
MRIについて
「MRIの結果で手術」
⇒正直、私からすると「MRIを診断目的に使用」する意味はそもそも疑問です。
今回のケースでは「血性分泌をともなう嚢胞内腫瘍」があるのですから、そもそも「組織検査=この場合は手術」が必要なだけです。
「MRIの結果が○○だから…」みたいな事は気にせずに、「きちんと組織検査=診断」をつけてください。
◎結局癌なのか、どうか不明ですが、「2年間も、あまり変わらない」事からすれば、「それほど大したものではない」はずです。
恐れる必要はありません。
「早期発見に勝る治療はない。」のです。
質問者様から 【質問5】
先週 腺葉区域切除を行いました。
範囲が広くて手術前の説明よりも、少し多目にとりました…と、先生から説明がありました…
まだ病理結果は出てませんが拡がってたということは浸潤してた…という意味なのでしょうか…
良性でも拡がることはあるのでしょうか
田澤先生から 【回答5】
こんにちは。田澤です。
「乳管(腺葉)区域切除」については、おそらく全国の誰よりも多く症例経験があるので、「いろいろなケースについて」予測ができます。
是非、参考にしてください。
回答
「拡がってたということは浸潤してた…という意味なのでしょうか…良性でも拡がることはあるのでしょうか」
⇒「拡がり」と「浸潤」は全く意味合いが異なります。
私に予想されるケース
- 「ケース①」通常、この手術の際には、責任乳管(分泌のある乳管)から色素を入れて、「その染色されている乳管の範囲」を全て切除します。
このため、「染色されている乳管が単純に広範囲だった」場合⇒この場合には「乳管の染色範囲≠病変範囲」ではありません。
- 「ケース②」(大学だから)もしかすると術前に「乳管造影」をしていない可能性があります。(MRIのみ)
その場合、(手術前には、MRIで評価していた腫瘍しか認識していなかったけれど)手術時に肉眼的に、「小さな腫瘍の所見」が「意外と広範囲に認められた」場合、(それらを含めた)「多めに切除」となります。
- 「ケース③」(大学だから)術者にこの手術の経験が多いとは思えません。
(術前、自分が想定していたように手術ができず)思っていたよりも単純に大きめの切除となってしまった。
◎いずれにしろ、「最大病変が(術前に解っていた)嚢胞内腫瘍」であることは間違いありません。
切除範囲が広範囲となってもそれは単に「小さな病変の範囲が広い」可能性があるだけであり、最大病変である「嚢胞内腫瘍」が進行していた。という意味とは全く異なります。安心してください。
病変の範囲と「浸潤の有無」とは全く「次元の異なる話」なのです。
質問者様から 【質問6】
お返事を読んで安心しました。
まだ病理結果が出てないのですが、退院のときに来た先生に今後のことを聞くと、放射線はしないといけないと思うので… と言われて、良い結果ではなかったのかな~と落ち込んでいます。
退院のときにきた先生は主治医の先生とは別でした。
手術が終わったあとに執刀した主治医の先生から、家族に今後のことは病理結果がでてからお話しましょうと話があったのですが、退院のときに別の先生にそう言われて、家族もちょっと混乱しています…
田澤先生から 【回答6】
こんにちは。田澤です。
大学病院は医師が沢山居て、「執刀医以外」はあまり解っていない筈なので「退院のときにきた別の医師」のコメントは「気にしない方がいい」と思います。
回答
「今後のことは病理結果がでてからお話しましょう」
⇒実際に「全く解らない」のが正解だと思います。
「嚢胞内腫瘍の診断で2年間も半年毎に経過をみていて、突然MRIで『非浸潤癌が疑われるという、おそらく(放射線科医による)読影コメント』を見て手術」となった訳ですので、実際に手術して摘出した腫瘍を肉眼的に見ても「病理診断の予想(乳管内乳頭腫なのか?乳がんなのか?)は困難」だと思います。
「退院のときに別の先生にそう言われて家族もちょっと混乱しています」
⇒(私が予想するに)その「別の医師」はただ単に「術前MRIの読影コメントで『非浸潤癌が疑われる』と診断されていた」という事実を知っているにすぎません。
それで、「非浸潤癌ならば」術後は「放射線照射をする」という発想があり、「それを、そのまま伝えた」にすぎないと推測します。
◎病理組織検査結果を待ちましょう。
(半年毎に経過をみていて)今更「進行している」なんてことは無い筈です。
「MRIでの『非浸潤癌が疑われる』という診断」も、そもそも全くあてにはなりません。
★「血性分泌のある嚢胞内腫瘍」は、そもそも「摘出するべきもの」だったのであり、今回「この手術が行われた」事自体は(結果は解りませんが)良かったと私は考えてください。
質問者様から 【質問7】
いつもありがとうございます
まだ病理結果は出ないのですが、手術から2週間ほど経ちましたが、まだ手術した方の脇や胸の下の方に痛みがあります…
この痛みは通常 おこるものなのでしょうか?
手術した場所が感覚がなくなんとなく、痺れてるような感じがします
田澤先生から 【回答7】
こんにちは。田澤です。
「血性分泌で(大学病院で2年間様子を見たうえで)乳管腺葉区域切除を行った」方ですね。
それでは回答します。
回答
「手術から2週間ほど経ちましたがまだ手術した方の脇や胸の下の方に痛みがあります」
⇒通常それ程痛むことはありません。
やはり「大きめに切除」となったのでしょう。
手術の精度は「経験による」のです。
2年間も「血性分泌で様子をみる」大学病院では、「乳管区域切除の達人」がいることはもともと期待できない。とは思います。
ただ、『逆に言えば… (大きめに切除することで、診断ミスは確実に減らせるので) その点には期待できます』
◎「痛いから、結果が悪い」という心配は全くありません。
あくまでも「痛みは、切除範囲の大きさ」によるものです。
質問者様から 【質問8】
いつもありがとうございます
今日 病理結果がでて乳ガンと診断されました
充実腺菅ガン1.8mmly(―)v(―)
グレード2 MIB‐1
index4%
ホルモンセレプター ER(+)PgR(+)
HER2タンパク ―
サブタイプ luminal Atype
と言われました…
来月 リンパ節をとる手術することにしました
五年間の生存率はどのくらいでしょうか
完治の可能性はありますか
田澤先生から 【回答8】
こんにちは。田澤です。
「1.8mmと微小浸潤があった」のですね。
但し、luminal Aだし、ly-, v-なので、「再発はかなりの低リスク」となります。
正直なところ、「1.8mmという微小浸潤」では「センチネルリンパ節生検は間違いなく陰性」でしょう。
◎浸潤径が5mm以下では「リンパ節転移は無い」事が非常に多いことが解っています。
場合によっては「センチネルリンパ節生検」自体も省略するという選択肢もありそうです。(そのような話があったのではないでしょうか?)
回答
「五年間の生存率はどのくらいでしょうか」
⇒「病期1」というだけでも95%以上あります。
しかも質問者の場合には「(病期1とは言え)限り無く0期に近い」「luminal A」ですので、限り無く100%に近いでしょう。
「完治の可能性はありますか」
⇒完治するでしょう。
この「恵まれた」状況で「根治しない」方がおかしいと思います。
心配する必要はありません。
質問者様から 【質問9】
お返事ありがとうございます
リンパ節の省略のお話は先生からありました…
でも転移が不安だったので不安をなくすためにリンパ節をとることにしました
あとは根が張ってる部分があるので放射線治療を33回と薬でと言われました…
あたしはすごく心配症なので色々不安ですが頑張りたいと思います
抗がん剤の話はありませんでした
田澤先生から 【回答9】
こんにちは。田澤です。
やはり、「センチネルリンパ節生検の省略」の話もでたのですね。
長いこと「良性」と言われフォローされて「やっぱり癌でした」となれば不満もあるし、不安もおありだと思います。
ただ、(前回のメールでも記載しましたが)あくまでも「早期がん」ですので、心配なさらずに「放射線とホルモン療法」を行ってください。
質問者様から 【質問10】
落ち着いた気持ちで手術をして治療をしたいと思っています
今の段階では転移は限りなく無いに近いと思っていますが…
左が乳ガンと診断され右も乳ガンになったら…とか背中 腰 鎖骨が少しでも痛かったら、転移かな~ととても不安になります
もともと胸が張ったりするのですが、今は両胸が張って痛いです
これは乳腺症の症状なのでしょうか…
お忙しいと思いますがこれからも相談にのって頂けたら心強いです
田澤先生から 【回答10】
こんにちは。田澤です。
乳がんと診断されて、「念の為にセンチネルリンパ節生検を受ける」わけですが、心配はありません。
「1.8mm微小浸潤, ly0, v0, luminal A」
安心して手術を受けてください。
回答
「今は両胸が張って痛いです これは乳腺症の症状なのでしょうか」
⇒年齢からしても、症状からしても「乳腺症」だと思います。
術前に「いろいろ検査もしている」わけですから、心配する必要はありません。
いつでもご相談ください。
質問者様から 【質問11】
来週 リンパ節かくせいの手術をしますが、その後の放射線治療と薬療法は、いつ位から始まるのが普通ですか?
薬療法では閉経前と閉経後の薬が違うと聞きますが…
あたしは子宮内膜症で子宮全摘しています
卵巣は残してあるので閉経前になるのでしょうか…?
薬の副作用で不正出血することもと書いてありますが子宮がない場合は、その副作用はないのでしょうか
放射線治療も火傷みたいになると聞いて不安です
病理結果を聞いたときにステージは、言われてませんが聞いた方が良いですか?
今回の手術ではリンパ節切除だけで、胸の追加手術はしませんが先月の区域切除で、悪いところは取りきれたのでしょうか…
田澤先生から 【回答11】
こんにちは。田澤です。
大学病院で「乳管腺葉区域切除」pT1a=1.8mm, luminalAの診断の方ですね。
回答
「来週 リンパ節かくせいの手術をします」
⇒「リンパ節郭清」ではなく『センチネルリンパ節生検』ですよね。
浸潤径1.8mmで(術後でセンチネルリンパ節生検の同定がやや困難な条件とはいえ)「腋窩郭清は全く勧められません」
腋窩郭清をして(万が一でも)患肢浮腫などでるようなら全く「百害あって一利無し」です。
「センチネルリンパ節もできれば1つだけ」にとどめるべきです。
「放射線治療と薬療法はいつ位から始まるのが普通ですか?」
⇒術後3~4週間後から「放射線照射開始」ホルモン療法は(放射線照射と関係無く)すぐにでも開始できます。
「子宮全摘しています卵巣は残してあるので閉経前になるのでしょうか…?」
⇒その通りです。
年齢的には「間違いなく閉経前」です。血液中エストロゲンを測定するまでもありません。
「薬の副作用で不正出血することもと書いてありますが子宮がない場合はその副作用はないのでしょうか」
⇒その通りです。
子宮が無いので「不正出血」も「子宮体がんのリスク」もありません。(子宮内膜刺激作用があるタモキシフェン投与には最適な環境といえます)
「放射線治療も火傷みたいになると聞いて不安です」
⇒「火傷ではなく、日焼け」程度です。
心配ありません。
「ステージは言われてませんが聞いた方が良いですか?」
⇒1期です。
(現在)pT1a, cN0, cStage1
(センチネルリンパ節生検後)pT1a, pN0, pStaga1
となります。
♯p=pathological(病理学的) c=clinical(臨床的) であり、pは病理診断による判断でcは臨床診断(画像診断)による判断です。
「先月の区域切除で悪いところは取りきれたのでしょうか」
⇒これは主治医に確認してください。
「大きめに切除した」という話からは「断端マイナス=取りきれた」と思いますが。
◎センチネルリンパ節生検については注意が必要です。
「念の為」などといって「リンパ節を沢山とる」のは厳に慎むべきです。
pT1a=1.8mmで「およそ、リンパ節転移は考え難い」のですから、「センチネルリンパ節生検に留める」べきなのです。
質問者様から 【質問12】
リンパ節かくせいではなく顕微鏡を使って手術をしていくそうです…
充実腺菅ガンは血液に転移しやすいと聞いてすごく怖くなってます
根が張っていて放射線を33回すると言われてとても不安です
仕事は結構 重いものを持ったりしますが復帰できるのでしょうか…
田澤先生から 【回答12】
こんにちは。田澤です。
「浸潤径1.8mm」で、質問者をそれ程心配させているとしたら、「その大学病院の担当医」の説明不足があるのでしょう。
もともと「血性分泌があったのに、2年間も経過をみていた(私にはとても想像ができません)」訳ですから、「質問者を安心させる」べく説明責任が重い筈です。
回答
「リンパ節かくせいではなく顕微鏡を使って手術をしていくそうです」
⇒これは「鏡視下」手術という意味でしょうか?
大学病院のやりそうな事ですが、私は賛成しません。
そもそも「浸潤径1.8mm」では「センチネルリンパ節転移は無い」でしょう。
手術時間はどれ位と話をされているのでしょうか?
普通に「センチネルリンパ節生検」をすれば「私であれば10分」で終わってしまいます。
それを「鏡視下で長時間かけて」挙句の果てに「副損傷」を作るとしたら、全く問題外です。
そのような「患者さんにとって不利益な手技」は賛成できません。
◎質問者にとって不利益の無い事を願うばかりです。
「仕事は結構 重いものを持ったりしますが復帰できるのでしょうか…」
⇒当然復帰できます。
「浸潤径1.8mm」の手術で「腕に負担がかかる」ような手技は絶対にしてはいけません。
もしも「その大学病院の治療に危惧」があるなら、「リンパ節への手術」はむしろ辞めた方がいいと思います。
とても「そのような心配をしてまで」行う状況ではないのです。
質問者様から 【質問13】
お返事 ありがとうございます
手術時間は30分位と聞いてます
浸潤部 1.8mmと病理結果にかいてありました。
先生ならセンチネルリンパ生検をせず
どんな治療方針でいきますか?
教えて頂けるとありがたいです
田澤先生から 【回答13】
こんにちは。田澤です。
前回の「QandA」での質問事項で(その大学病院で)「リンパ節かくせいではなく顕微鏡を使って手術をしていくそうです」
という質問者の表現を「私が誤解」していたようですね。
つまり大学では普通に「手術時間30分程度でセンチネルリンパ節生検」をする予定なのですね?
回答
「先生ならセンチネルリンパ生検をせずどんな治療方針でいきますか?」
⇒「浸潤径1.8mm」ならば、「センチネルリンパ節生検を特に勧めたりはしない」ですが、(質問者の場合のように、患者さん側からの希望があれば)『勿論センチネルリンパ節生検』を行います
◎技術のある医師が行う「センチネルリンパ節生検」であれば、勿論問題はありません。
質問者が信頼できると判断したのであれば、いいと思います。
質問者様から 【質問14】
手術はセンチネルリンパ切除です
でも先月 手術をしたばかりなので、周囲のリンパ節サンプリングもします、と言われました
その後の病理結果で転移があれば、抗がん剤をして放射線と言われました
抗がん剤…という言葉にまた不安になってます
病理結果が良いことを祈るばかりです
田澤先生から 【回答14】
こんにちは。田澤です。
私は「1.8mmの微小浸潤」で『周囲のリンパ節サンプリングもします』というコメントには全く賛成できません。
回答
(きちんと精度の高い)センチネルリンパ節生検のみが、(1.8mmの微小浸潤では)唯一許された方法だと思います。
◎大学病院で「手術をしたばかりだから、(センチネルが同定できないかもしれないから)周囲のリンパ節もサンプリングする」などというのは、とても勧められません。
「精度が悪い」から「余計に、(正常リンパ管を)破壊する」と言っているようなものです。
「百害あって一利無し」精度の低い治療は、とても賛成できません。
「病理結果で転移があれば抗がん剤をして放射線と言われました」
⇒転移は無いと思います。
心配する必要はありません。
質問者様から 【質問15】
センチネルリンパ節の手術をして
秒速診断では転移はありませんでした
今回の詳しい病理結果と前回の手術の
病理結果でステージと今後の治療が決まるそうです
それまでに2週間ありますが
期間的に問題はないのでしょうか
前回の手術で悪いところは切除したと先生から聞きました…
でも充実腺菅ガンと言うのがやはり心配です。
田澤先生から 【回答15】
こんにちは。田澤です。
「センチネルリンパ節生検」が終わったのですね。
無事終了して何よりです。
「1.8mmの微小浸潤」で『周囲のリンパ節サンプリングもします』という事態になっていないようで安心しました。
回答
「今回の詳しい病理結果と前回の手術の病理結果でステージと今後の治療が決まるそうです」
⇒すでに解っている筈ですが…
大学病院の医師は何をもったいぶっているのでしょうか?
きっと、「センチネルリンパ節生検はあくまでも迅速診断」だから、永久標本での確認が必要なので、まだ話せません」などというつもりなのでしょう。
その態度が、質問者を余計に不安がらせていることに、もう少し配慮が必要です。
微小浸潤で「術中迅速診断でネガティブ」であれば、間違いなく、pT1a(1.8mm), pN0, luminal Aです。
今後の治療は
○術後放射線(温存乳房照射)
○内分泌療法 タモキシフェン5年
これ以外は考えられません。
「それまでに2週間ありますが期間的に問題はないのでしょうか」
⇒センチネルリンパ節の永久標本の病理結果は、だいたいそのくらいです。
「充実腺菅ガンと言うのがやはり心配です。」
⇒pT1a, pN0, luminal Aで再発した人は(私の豊富な経験でも)いません。
およそ、転移再発を心配する状況ではありません。
安心してください。
質問者様から 【質問16】
先生いつもありがとうございます
来週 今回 行ったセンチネルリンパ節切除の
詳しい病理結果が出ますが…
前回の腺葉区域切除のときに出た病理結果と
大きく変わることはあるのでしょうか?
術後1週間ですが切除した方に
痺れやダルさ違和感がとれず
すぐ疲れます…
右の胸というか脇の骨が痛いのですが
気にしすぎでしょうか…
やはり二年間 様子を見て今回 ガンと
言われて不安ばかりが大きくなっています
これからの生活で気を付けることは
ありますか
田澤先生から 【回答16】
こんにちは。田澤です。
浸潤径1.8mmと診断された後に「センチネルリンパ節生検を施行し、術中迅速診断では陰性」でしたね。
回答
「前回の腺葉区域切除のときに出た病理結果と大きく変わることはあるのでしょうか?」
⇒ありません。
今回の「病理結果」は、あくまでも「センチネルリンパ節の永久標本」です。
「浸潤径1.8mm」であり、「迅速診断でも陰性」なのだから「センチネルリンパ節は(永久標本でも)陰性」の筈です。
「術後1週間ですが切除した方に痺れやダルさ違和感がとれずすぐ疲れます…」
⇒(大学病院で)「きちんとした精度の高い(不必要なリンパ管損傷をしない)、センチネルリンパ節生検」がされたのか?少し心配となります。
◎もともと「浸潤径1.8mm」で(転移の可能性が極めて低いのに)敢えて行う「センチネルリンパ節生検」は『リンパ管損傷は最低限とする責任』があるからです。
それができないようであれば、安易に「センチネルリンパ節生検しますか?」などと言ってはいけません。
「二年間 様子を見て今回 ガンと言われて不安ばかりが大きくなっています」
⇒大丈夫です。
確かに2年間も診断が遅れた事は災難でしたが、「その結果がpT1a(1.8mm), pN0, luminal A」なのです。
転移再発に不安を持つ必要はありません。
質問者様から 【質問17】
今後の治療のことでお聞きしたいのですが
ホルモン療法はルミナルAだと必ず必要に
なるのでしょうか…
3ヶ月に一回の皮下注射もするようなので
副作用が気になります
酷い鬱状態になると聞いたこともあり
私も過呼吸を持ってます
頭に下垂体腫瘍もあるのですが
ホルモン療法をして大丈夫ですか?
センチネルリンパ切除をして10日ほど
経ちますが手術した方の脇にボールを
挟んでるような違和感があり二の腕に
打ち身みたいな痛みがあります…
時間がたてば治まるのでしょうか…
田澤先生から 【回答17】
こんにちは。田澤です。
少し気になるのは「センチネルリンパ節生検だけした筈なのに「手術した方の脇にボールを挟んでるような違和感があり二の腕に打ち身みたいな痛み」がある事です。
これは、「センチネルリンパ節だけを正確に取る場合には起こらない」症状です。
大学病院で「余計なリンパ節を取られていなければいいのですが… 本来1個で十分です」もともと浸潤径1.8mmという極めてリンパ節転移の可能性が低い状況で『余計なリンパ節を取る必要は無い』のです。
回答
「ホルモン療法はルミナルAだと必ず必要になるのでしょうか」
⇒必ずではありません。
あくまでも「ホルモン療法の適応がある」というだけであり、(質問者の場合は超早期であるので)ご本人の希望で「無治療」の選択もあります。
「3ヶ月に一回の皮下注射もする」
⇒これは質問者には不必要です。
もし「その大学病院の医師」から、そのように言われていたとしたら「明らかな誤り」です。
質問者の場合は pT1a(1.8mm), pN0, luminal Aです。
⇒LH-RHagonist(3カ月に1回の注射)のタモキシフェンへの上乗せ効果は「SOFT試験」より
①中~高度リスク群(化学療法が必要)
②35歳未満の群
にしかない事が明らかとなりました。
◎つまり、質問者は①も②も当てはまりません。
ホルモン療法は「やるとしても」タモキシフェン単剤です。 『LH-RHagonistの併用は不要』なのです。
「ホルモン療法をして大丈夫ですか?」
⇒大丈夫です。
副作用はタモキシフェン単剤であれば、それ程酷くはありません。
のぼせ位でしょうか?
「脇にボールを挟んでるような違和感があり二の腕に打ち身みたいな痛み」
⇒きちんとした「精度のあるセンチネルリンパ節生検」をされたのでしょうか?
これらの症状は「肋間神経の刺激症状」であり、通常は「腋窩郭清をした際」にしか起こらないものです。
しばらくして落ち着く事を願っています。
質問者様から 【質問18】
いつもありがとうございます。
今後の治療で放射線はする予定でいます
先生がおっしゃるようにホルモン療法をしないで
無治療でいくとすれば この先 可能性として
どのようなリスクがありますか…
参考の為に教えていただけると
嬉しいです
今週に出る結果で治療方針が決まりますが
ホルモン注射は出きればしたくない!と
主治医に伝えても良いのでしょうか
田澤先生から 【回答18】
こんにちは。田澤です。
pT1a(1.8mm), pN0, luminal A、術後追加で行った「センチネルリンパ節生検待ち」ですね。(結果は解っている様なものですが…当然転移無しです)
回答
「先生がおっしゃるようにホルモン療法をしないで無治療でいくとすれば この先 可能性としてどのようなリスクがありますか」
⇒「術後補助療法を省略すること」により生じるリスクは「再発のリスク」となります。
その意味では「タモキシフェン単剤によるホルモン療法」は安心感があるかもしれません。
ただ、実際は「再発超低リスク」であり、「ご本人の希望」も十分に考慮されるべきです。
「ホルモン注射は出きればしたくない!と主治医に伝えても良いのでしょうか」
⇒是非伝えてください。
そして「私の様な低リスクでも、本当に必要なのですか?」と確認してみてください。
質問者様から 【質問19】
センチネルリンパ切除の病理結果がでて
転移はありませんでした…
これから放射線治療とホルモン療法
タモキシフェン内服5年間
ゾラデックス皮下注射3ヶ月毎 2年間
と言われました
注射はしたくない…と言ったところ
若いのでした方が良いと言われました
ステージはやはり教えてもらえませんでしたが
腺葉区域の手術の病理結果にグレードとして
書いてあります…みたいな感じで看護師さんから
説明がありました…
グレード2でしたが早期ガンなのか
また頭が混乱してます
田澤先生から 【回答19】
こんにちは。田澤です。
「センチネルリンパ節転移が無いとの事」
良かったです。
○参考のために「リンパ節を何個取っているのか?」確認しておいた方がいいでしょう。
浸潤径1.8mmで(本来、省略も十分考慮されるべき状況で)「必要最低限(できれば1個)だけの」摘出だといいのですが…(精度の悪い手術だと、どうしても不安となり個数が多くなります)
回答
「ゾラデックス皮下注射3ヶ月毎 2年間と言われました注射はしたくない…と言ったところ若いのでした方が良いと言われました」
⇒全く誤った診療です。
タモキシフェンにLH-RHagonistの併用効果についてはSOFT試験で「全体として併用効果は認めない」但し、
①化学療法をするようなハイリスク群
②35歳以下の群
では有効である可能性が示唆されています。
つまり、43歳の質問者に「本人から、やりたくない」と言われてまでも「強引に勧める根拠」は全くありません。
◎私が質問者の家族、親戚ならば『厳重に抗議』します。
○担当医は質問者がpT1a(1.8mm)という状況であることを理解しているのでしょうか? はなはだ疑問です。
「グレード2でしたが早期ガンなのか また頭が混乱してます」
⇒私が「質問者の頭の混乱」を解消します。
○早期癌なのか?
⇒pT1a(1.8mm), pN0, pStage1 完璧な早期癌です。
♯これを早期癌と言わずして、何が早期癌でしょうか?
○グレード2
これは核グレードの分類の事だと思います。
(参考までに)
「核グレード」は「核異型の点数」+「核分裂の点数」です。
・核異型
弱い:1点
中間:2点
強い:3点
・核分裂
5個未満(10視野で):1点
5~10個(10視野で):2点
11個以上(10視野で):3点
・核グレード(NG) 核異型の点数+核分裂の点数
2点、3点 :核グレード1
4点 ;核グレード2
5点、6点 :核グレード3
質問者様から 【質問20】
先週 外来に行くと 病理結果の紙には
充実腺官ガン 1.8mmと書かれてたのが
間違えで1.8センチでした…と
言われました…
大きさが変わりショックです
生存率や再発や治療方針に変更は
あるのでしょうか
田澤先生から 【回答20】
こんにちは。田澤です。
「1.8mmではなく18mmだった」ということですね。
それでもpT1c(18mm), pN0, luminalA です。
回答
「生存率や再発や治療方針に変更はあるのでしょうか」
⇒治療方針に変わりはありません。
やはり「ローリスク」なのです。
10年生存率で92.5%位です。
質問者様から 【質問21】
いつもありがとうございます
しこりの大きさが変わりショックでしたが
先生の治療方針は変わらないと言う
お返事に安心しました
来週から放射線治療が始まります
先の方まで病巣が来てたので再発しやすいと
放射線の先生に言われビクビクしてます
18mmでも早期ガンなのでしょうか
放射線治療のあとホルモン療法5年間が
始まります…
田澤先生から 【回答21】
こんにちは。田澤です。
十分な早期です。(1期)
再発リスクは十分に低いので安心して治療を継続してください。
ホルモン療法は「放射線と併用」しても構いませんが…
質問者様から 【質問22】
いつもありがとうございます
来週から放射線治療に始まるので
今はその為のCTを撮ったり場所に線をひいたり
しています
放射線治療をするにあたり色々な注意を説明
されてもともと鬱気味なので更に気が滅入ってます
放射線治療中はブラジャーを直接するのは
ダメで綿のシャツを着てからブラジャーそして
普通の服とか石鹸で体を洗ってはダメとか…
歩き方も猫背はダメ…脇を離してとか
最低限 どこまで気をつければ良いのでしょうか…
去年 乳ガンが見つかった方が今年再発して
再発から1ヶ月で亡くなってしまい
自分も重なり しこりの大きさも最初とは
違うことから引きこもりになっています
田澤先生から 【回答22】
こんにちは。田澤です。
質問者が元気が無い事は気になりますが…
無理をせず、「淡々と治療」を受けている事が大事です。
「気持ちの面」は時間が解決してくれるでしょう。
気分がのらなくても、「やるべき治療は頑張りましょう」
回答
「最低限 どこまで気をつければ良いのでしょうか…」
⇒スキンケアだけです。
歩き方など、どうでもいいと思います。
「去年 乳ガンが見つかった方が今年再発して再発から1ヶ月で亡くなってしまい」
⇒珍しい例を見ても仕方がありません。
冷静に数字を思い出してみるといいです。
10年後も元気にしている可能性の方が圧倒的に高いのです。
質問者様から 【質問23】
先生のおっしゃる通り目の前の治療を頑張って
行こうと思います。
無治療も考えましたが1.8㎝なら放射線治療や
ホルモン療法はしたほうが良いですよね?
検査のことで気になるのですが…
区域切除手術のときにMRIは撮りましたが
皆さんがしてるような腫瘍マーカーや
骨シンチ等の検査はまだ1度もしたことがなく
本当に転移等してないか心配です
センチネル切除の脇の痛みは治まりましたが
脇ではな腕の後ろなのか背中に痛みがあったり
区域切除の傷が時々、ズキンと痛みますが
心配はいらないのでしょうか
放射線治療終了後にホルモン療法をしますが
ホルモン療法は気分的に落ち込む副作用があると
言われ元々 毎年7月と8月は鬱気味になるので
担当医に相談したら放射線終了後からしましょうと
言ってくれたのでそうしました…
でも早い方が良いのか迷いも出てます…
田澤先生から 【回答23】
こんにちは。田澤です
pT1c(18mm), pN0, pStage1, luminal A
十分な早期です。
回答
「腫瘍マーカーや骨シンチ等の検査はまだ1度もしたことがなく本当に転移等してないか心配です」
⇒不必要な検査です。
1期の乳癌で「遠隔転移」など考える必要ありません。
「脇ではな腕の後ろなのか背中に痛みがあったり」
⇒これはリンパ節を摘出したから痛むのです。
腋窩リンパ節の位置は実際は「殆ど、肩甲骨のすぐ裏」なのです。
「区域切除の傷が時々、ズキンと痛みます」
⇒乳輪部だと思いますが、痛みが残り易い部位です。
心配ありません
「放射線終了後からしましょうと言ってくれたのでそうしました でも早い方が良いのか迷いも出てます…」
⇒放射線照射後で十分です。
ホルモン療法はあくまでも「再発予防目的」なのです。
放射線終了後で十分です。
質問者様から 【質問24 乳頭分泌液】
放射線治療が始まりました
まだ三回しかしてませんが放射線をかけた場所に
皮膚が突っ張るような感じがあります
それと同時になんとなく浮腫んでいるような感じも
ありますが放射線治療の影響でしょうか
皆さん放射線は25回位と書かれてますが
あたしは33回で最後の8回は先の方まで
来てたので再発しやすいのでそこに
集中でかけます!と言われました…
放射線の回数が多いのと担当医の説明で
また気持ちが沈んでいます
乳ガンは遺伝すると言われていますが
私が乳ガンになると娘もなりやすいのですか
田澤先生から 【回答24】
こんにちは。田澤です。
放射線治療が始まりましたね。
回答
「放射線をかけた場所に皮膚が突っ張るような感じがありますそれと同時になんとなく浮腫んでいるような感じもありますが放射線治療の影響でしょうか」
⇒その通りです。
「あたしは33回で最後の8回は先の方まで来てたので再発しやすいのでそこに集中でかけます!と言われました」
⇒残り8回はBoost照射の事です。
腫瘍が先まで来ているとか関係無く「江戸川病院では標準で25+5回Boostとしています」
放射線科医の考え方次第ですが、安心感もあります。
頑張ってください。
「乳ガンは遺伝すると言われていますが私が乳ガンになると娘もなりやすいのですか」
⇒一部勘違いされているようです。
乳癌の5%が「遺伝する乳癌」であるという事です。
質問者の場合には、他に家族歴も無ければ当てはまらないと思います。(家族性乳癌にはトリプルネガティブが多い事が知られています)
質問者様から 【質問25】
あたしの場合 乳ガンの遺伝性はないと
聞いて少し安心しましたが娘には
きちんと定期検診を受けさせようと
思います。
センチネルリンパ節の手術をして
1ヶ月以上 経ちますが放射線を始めてから
脇に違和感があります
そして脇の後ろにまだ打ち身みたいな痛みが
ありますが時間が経てば自然と治まるので
しょうか…
放射線治療で病院に行くだびに
下着のあとがつきすぎ!と言われますが
みなさんどのような下着をして注意してるのか
気になります
放射線を当ててるとこになんとなく
熱をもってるような感じもしますが
冷やしても良いのでしょうか
田澤先生から 【回答25】
こんにちは。田澤です。
少しずつ落ち着いてきたような印象があります。
何よりです。
回答
「脇の後ろにまだ打ち身みたいな痛みがありますが時間が経てば自然と治まるのでしょうか」
⇒これは、センチネルリンパ節生検というよりは「腋窩郭清」の症状です。
つまり、腋窩リンパ節は「肩甲骨のすぐ真裏」に存在するので、その部分が痛むのです。
時間と共に軽快はして来る筈です。(手術の程度にもよります)
「熱をもってるような感じもしますが冷やしても良いのでしょうか」
⇒「日焼けのような」症状なので、熱感があり赤くなるようなら「冷やして」ください。
質問者様から 【質問26】
放射線治療が12回終わり皮膚つっぱり感が
出てきました
再来月から仕事に復帰しようと思っていますが
ふとしたときにガンなんだ…と絶望感が
襲ってきて不安になります
もちろんするべき治療はしますが
毎日のように再発 転移に怯えなくても
良いのでしょうか…
食べ物でお聞きしたいのですが
お肉や牛乳など乳ガンにはよくないと
聞いたことがありますが
やはり減らした方が良いのでしょうか
喫煙もあたしは吸いませんが家族や
職場が喫煙者がいて煙を吸ってますが
再発のリスクを高くするのでしょうか
田澤先生から 【回答26】
こんにちは。田澤です。
放射線治療もすすんでいますね。
回答
「毎日のように再発 転移に怯えなくても良いのでしょうか」
⇒無理しなくても、いずれ「そのような事から解放」される日が来ます。
焦らないでください。
「お肉や牛乳など乳ガンにはよくないと聞いたことがあります」
⇒肉類に関しては「関係無い」ようです。
気にせずに「栄養」をとってください。(バランスが大事です)
⇒「牛乳など乳製品」は逆に「リスクを低下させる可能性」が高いです。
これも「バランス良く」ですね。
「家族や職場が喫煙者がいて煙を吸ってますが再発のリスクを高くするのでしょうか」
⇒喫煙は勿論の事、「受動喫煙」もリスクを増加させます。
「分煙」が広まっていますので「家族にも職場にも」協力してもらいましょう。
質問者様から 【質問27】
いつもありがとうございます
ここ最近、すごく疲れやすく腕や足が
だるくなったり急に37℃代の熱がでたり
しますがガンと関係しているのでしょうか?
特に腕や肩が痛くて気になります
例えばガンが血液にはいったりしたら
どんな症状が出ますか?
充実腺菅ガンなので気になります
田澤先生から 【回答27】
こんにちは。田澤です。
術後放射線中ですね。
「放射線照射による疲労」とここのところの「暑さ」で「体調を崩し易くなっている」と思われます。
回答
「すごく疲れやすく腕や足がだるくなったり急に37℃代の熱がでたりしますがガンと関係しているのでしょうか?」
⇒癌とは無関係です。
放射線照射による疲労と「酷暑による夏バテ」だと思います。
体調管理には気をつけてください。
「腕や肩が痛くて気になります」
⇒これは手術の影響でしょう。
「例えばガンが血液にはいったりしたらどんな症状が出ますか?」
⇒症状はありません。
万が一転移が起こっても「ある程度の大きさ」にならない限り無症状です。
○転移・再発を気にする必要はありません。
質問者のpT1c(18mm), pN0, pStage1, luminal Aという状況では、ホルモン療法の継続が最も重要です。
質問者様から 【質問28】
先生 こんにちは
放射線治療もやっと半分折り返しました
前に脇腹や背中の後ろに痛みがあると
ご相談したところ先生から
腋下リンパ節切除の痛みです。と
お返事を頂きましたが
しばらくは痛みもなかったのですが
腕を動かしたりした次の日とかに
また痛みがでてきますが術後何年かは
このような打ち身みたいな痛みは
続いたりするのでしょうか…
4月に乳輪にそって腺葉区域切除をしましたが
そのまわりがまだ硬いのですが
徐々に柔らかくなるのでしょうか…
田澤先生から 【回答28】
こんにちは。田澤です。
回答
「術後何年かはこのような打ち身みたいな痛みは続いたりするのでしょうか」
⇒徐々に改善します。
「4月に乳輪にそって腺葉区域切除をしましたがそのまわりがまだ硬いのですが徐々に柔らかくなるのでしょうか」
⇒その通りです。
創部の硬さは「時間の問題」なのです。
質問者様から 【質問29】
先生 こんにちは…
放射線33回が無事に終了しました
今は 皮膚が黒くなって皮が剥けています
でも痛みも通り越して痒くなってます
これからホルモン薬 タスオミンの服用が
始まりますが副作用が怖いです
こ5年間の服用ですがこれでどのくらいの
再発を防ぐことができるのでしょうか
田澤先生から 【回答29】
こんにちは。田澤です。
放射線治療。ご苦労様でした。
回答
「5年間の服用ですがこれでどのくらいの再発を防ぐことができるのでしょうか」
⇒9.1%の再発予防効果があります。
○診断までの経緯、治療、本当にお疲れ様でした。
ホルモン療法は楽なものだし、通院も「3カ月に1回」となりますので頑張ってください。
質問者様から 【質問30】
4月に区域切除…6月にセンチネルリンパ節の手術を
していまだに乳頭に時々 痛みがあります
区域切除では乳輪に沿って切ったのですが
そこがまだ痺れたり堅かったりしますが
期間的に痛みがあっても問題ないのでしょうか…
ズキンっと痛むたびに再発?と
怯えてしまいます…
3ヶ月分のホルモン薬をもらったので
次の診察は3ヶ月後ですが診察の期間としては
普通ですか?
田澤先生から 【回答30】
こんにちは。田澤です。
術後の疼痛ですね。
回答
「区域切除では乳輪に沿って切ったのですがそこがまだ痺れたり堅かったりしますが期間的に痛みがあっても問題ないのでしょうか」
⇒問題はありません。
4月の手術では「まだ4カ月しか経っていません」
術後半年もすると「次第に落ち着いてきます」
「3ヶ月分のホルモン薬をもらったので次の診察は3ヶ月後ですが診察の期間としては普通ですか?」
⇒3カ月毎の診察(3カ月処方しながらの)は、ごくごく一般的です。(私もそのようにしてます)
質問者様から 【質問31】
急に不安になり質問させて下さい。
あたしの場合、非浸潤ガンか良性か判断が
つかなくて区域切除をしたのですが…
その結果、充実腺菅ガン18mm
グレード2 Ki67は4%
ハーツはマイナス
放射線33回して今はタスオミンを服用しています
全摘ぢゃない場合でも放射線の効果はあるのでしょうか
抗がん剤をしなくても再発 転移のリスクは
やはり低いのでしょうか…
タスオミンの服用だけで治療になるのでしょうか…
田澤先生から 【回答31】
こんにちは。田澤です。
久しぶりですね。
放射線も終了し、随分落ち着いてきたのだと安心していました。
回答
「全摘ぢゃない場合でも放射線の効果はあるのでしょうか」
⇒質問者は大きな勘違いをしています。
「乳房温存術後の放射線照射」の目的は「乳房切除術後の放射線照射」とは異なります。
あくまでも「残した乳腺」に再発しないように(温存乳房内再発の予防)目的なのです。
♯絶大な効果があります。因みに「生存率にも効果」はあります。(一粒で二度おいしい というやつです)
「抗がん剤をしなくても再発 転移のリスクはやはり低いのでしょうか」
⇒低いです。15%程度しかありません。
「タスオミンの服用だけで治療になるのでしょうか」
⇒勿論です。
タスオミンの効果は10%近くあります。
それに対して「抗がん剤の上乗せ効果は5%程度しかない」のです。
質問者様から 【質問32】
先生 こんにちは
気になることがありメールさせて
いただきました…
何気に手術したほうの胸を触ると
メスをいれた傷の上の方が固いです
でもこれは前に先生から徐々に柔らかくなります
と言って頂いたので安心はしてますが
その固く感じるところにしこりのように
感じるものがあります
乳腺なのか筋肉なのかわからないです
新たにガンが出来たのか心配です
田澤先生から 【回答32】
こんにちは。田澤です。
「その固く感じるところにしこりのように感じるものがあります」「新たにガンが出
来たのか心配です」
⇒心配ありません。
そんなに早く「乳房内再発」はありえません。
次回診察の際に、担当医に超音波でみてもらうと安心です。
質問者様から 【質問33】
放射線が終わり1ヶ月ちょっとがたち
だいぶ落ち着いて来ました
仕事にも復帰したのですが
最近 手術した方の胸や脇の下が
痒いのですがガンとは関係ありますか?
寒いせいもあり脇の下の感覚が前より
ひどくなってます…
ずっと痺れてるような…
時々 ズキンとした痛みもまだ
あります。
以前よりも体力も落ちて病気のせいかと
不安になってます…
タスオミンを飲みはじめて2ヶ月…
そろそろ副作用が出る頃なのでしょうか…
田澤先生から 【回答33】
こんにちは。田澤です。
「最近 手術した方の胸や脇の下が痒いのですがガンとは関係ありますか?」
⇒関係ありません。
放射線照射による汗腺の機能低下により「乾燥して痒い」のだと思います。
保湿ケアをしましょう。
「以前よりも体力も落ちて病気のせいか」
⇒癌になると「誰しも、全てを癌のせい」にするものです
乳癌は(万が一再発しても)そのような症状にはなりません。
「タスオミンを飲みはじめて2ヶ月…そろそろ副作用が出る頃なのでしょうか」
⇒2カ月間大丈夫であれば、おそらく今後酷くなる事はないでしょう。
質問者様から 【質問34】
8月20日より朝1回タスオミンを飲んでます
何日か前から顔に発疹がでてますが副作用なのでしょうか
タスオミンを飲み始めてから目の疲れも気になります
手術した方の胸が常に張ってるような感じもあり
痛みも痺れもあるので治りが遅いのか不安です
病理結果ではステージ1 Ki4% ハーツタンパク―ルミナルAと言われてますが急に
進行が速くなったりするのでしょうか
田澤先生から 【回答34】
こんにちは。田澤です。
「8月20日より朝1回タスオミンを飲んでます何日か前から顔に発疹がでてますが副作用なのでしょうか」
⇒薬疹ではないようです。
「タスオミンを内服後2カ月で出現」となると「関係無い」と思います。
ただ、「いつまでも治癒しない」ならば、一応疑って「休止する」ことも検討されます。
「手術した方の胸が常に張ってるような感じもあり痛みも痺れもある」
⇒術後の症状の回復は「人それぞれ」です。
ただ「再発とは無関係」です。
「急に進行が速くなったりするのでしょうか」
⇒これらの症状は「術後の治癒」の問題で「再発とは無関係」です。
質問者様から 【質問35】
先生 こんにちは…
ちょっと気になることがあり相談させて頂きます…
手術した胸や脇がやはり痛むのですが
手術後の痛みやホルモンバランスの痛みなのでしょうか
鎖骨や脇の後ろも時々痛みます
あと結構 みなさんステージが低くても
腫瘍マーカーや骨シンチや
血液検査等 一度もしてないのですが
必要ないのでしょうか…
田澤先生から 【回答35】
こんにちは。田澤です。
「手術した胸や脇がやはり痛むのですが手術後の痛みやホルモンバランスの痛みなのでしょうか鎖骨や脇の後ろも時々痛みます」
⇒その通りです。
やはり寒くなると痛みも感じ易くなります。
「あと結構 みなさんステージが低くても腫瘍マーカーや骨シンチや血液検査等 一度もしてないのですが必要ないのでしょうか…」
⇒骨シンチなどは不要です。
採血腫瘍マーカーは半年に1回くらい測ってもいいと思います。
質問者様から 【質問36】
先生いつもありがとうございます
ちょっと気になったことがあります
同じ乳ガンでも色々な治療法があるのはなぜでしょうか…
サイトを見てて同じ大きさでルミナルAでも抗がん剤をしてる人や放射線をしてない人
様々な治療があるんですね
あたしは18mmの充実腺菅ガンでKiも低いことから放射線終わってからホルモン治療をしていますがこの治療で良かったのかと不安になっています
いまだに脇の下に引きつるような違和感があります。
田澤先生から 【回答36】
こんにちは。田澤です。
「同じ乳ガンでも色々な治療法があるのはなぜでしょうか…」
⇒「標準治療」というものはありますが、「その適応基準」は「医師によっての裁量」があるからです。(ガイドラインは様々なものがあり、医師が自分で納得できるものに準拠しているのです)
「あたしは18mmの充実腺菅ガンでKiも低いことから放射線終わってからホルモン治療をしていますがこの治療で良かったのかと不安になっています」
⇒「pT1c(18mm), pN0, luminalA」で抗がん剤をする必要はありません。
「いまだに脇の下に引きつるような違和感があります」
⇒術後まだ、其れほどたっていない筈なので、仕方がないと思います。
質問者様から 【質問37】
先生 お久しぶりです
ちょっと お聞きしたいことがあります
先月(中旬)日で腺葉区域手術をして
充実腺菅ガン、ステージ1
ハーツたんぱく-、Ki67は4%
ルミナルAと診断され今は
ホルモン療法に入り8か月が経ちます。
ホルモン療法に入ってから
手の指の関節にずっと痛みがあります
薬の副作用と関係してるのでしょうか
術後 一年も経つのにまだ 手術した
胸に痛みがあったり センチネル生検をした
脇が痛んだり痺れたりしてるので心配です。
今月 一年検診があり再発してたらどうしようと
不安です。
田澤先生から 【回答37】
こんにちは。田澤です。
「ホルモン療法に入ってから手の指の関節にずっと痛みがあります 薬の副作用と関係してるのでしょうか」
⇒その通りです。
典型的な副作用です。
「術後 一年も経つのにまだ 手術した胸に痛みがあったり センチネル生検をした脇が痛んだり痺れたりしてるので心配です。」
⇒それは仕方がありません。
術後2年すると随分違ってきます。
「今月 一年検診があり再発してたらどうしようと不安です。」
⇒皆さん、共通の悩みです。
異常無しとなり、ほっとされることでしょう。
質問者様から 【質問38】
手術をして一年が過ぎ一年検診
かと思っていたのですが
この間は触診で終りました。
八月の始めにマンモと全身に転
移してないか
CTと骨シンチをやるそうですが
あたしのガンはそんなに深刻な
ので
しょうか?
最近 肩から首、背中にかけて
痛みがとれず風邪なのか咳もな
かなか
とれなくて不安になってます
乳ガンになるとお酒はやめたほ
うが
良いですか?
もともとお酒は飲まなかったの
ですが
ホルモン薬を飲んでからあまり
ぐっすり
眠れず寝る前に350缶を半分
飲んでますが再発リスクは
あがりますか?
田澤先生から 【回答38】
こんにちは。田澤です。
定期検診でCTや骨シンチは無用です。
「無駄どころか有害なのです」 今週のコラム6回目を参照してください。
「八月の始めにマンモと全身に転移してないかCTと骨シンチをやるそうですが
あたしのガンはそんなに深刻なのでしょうか?」
⇒違います。
担当医の問題です。
「最近 肩から首、背中にかけて痛みがとれず風邪なのか咳もなかなかとれなくて不安になってます」
⇒乳癌の転移ではありません。
ご安心を。
「乳ガンになるとお酒はやめたほうが良いですか?」
⇒飲み過ぎは良くありません。
「寝る前に350缶を半分飲んでますが再発リスクはあがりますか?」
⇒その量では全く問題ありません。
それでリスクが上がるようなら世の女性が困ってしまう筈です。
ついでに言うと(アルコールがそれ程危険ならば)私は確実に男性乳癌になってしまうことになりそうです(余談でした)