8月も最後の週に入りました。
「夏の終わり」の歌も多いですが、何か物悲しい感情と結び付くようです。
あるFM番組では、このテーマでの1位は森山直太郎の「夏のおわり」でした。(曲名も歌詞もストレートすぎます)
先週金曜日、人間ドック学会に(ピンポイントで)参加してきました。
「午前中の手術」と「夕方からの市川外来」の合間を縫っての話です。(ちなみに現在は金曜日は午前午後ともに手術なので、この学会参加のために、この日は午後枠をつぶしたのです)
今回は自分の発表ではなく、レントゲン技師さんの発表の「共同演者」でした。
○発表のあとに質問があった場合に、(演者が答えに詰まった際に)「共同演者の田澤ですが…」と回答を引き受ける役回りです。
午前の手術が2件終わり、いざ大宮へ!
ナビでは(比較的ぎりぎりながら)間に合う到着時間を差しています。
しかし… 高速道路が渋滞続きだったのです。(いわゆる事故渋滞)
渋滞を抜けたと思ったら、また「事故渋滞」!
かなり焦りました。
実際、「最低でも、この時間までに会場に着こう」という時刻には、まだ高速道路の上。
(自分の発表ではないとはいえ)「久しぶりに、やってしまった!」車の中で頭をかかえていました。
予定より大幅に遅れて(絶望的になりながらも)駐車場に停めるのも、もどかしくダッシュで会場へ。
私の共同演者の発表のまさに最中でした!(良かった。質疑応答には間に合った!)
★「共同演者の江戸川病院、乳腺外科 田澤です。 えーと、それについては…」
会場からの(技師さんを困らせるような)「やや答えにくい質問」に3つも答えて(よかった。仕事ができた)会場を後にしたのです。
「ハラハラドキドキ」でしたが、(寿命が5年くらい縮みました)無事に終わった「人間ドック学会 2017」
久しぶりに「球際の強さ」を実感しました。
♯ 私もいい歳になったのだから、余裕を持って「球の中心」にいるようにしなくてはなりません。(反省)
Saita 10月号(9/7発売)で乳癌について取材を受けています。
このブログを読んでいるような皆さまには物足りない内容だとは思いますが、あくまでも(日頃は乳癌に何の関心もない、つまりは検診でチェックされたことも無ければ、身近に乳癌の方もいらっしゃらない)方達への文章になっています。
◎前置きが長くなりましたが、本題です。
前回(94回目)の続きで、(本物の)血性分泌のお話をするつもりでしたが…
QandAで勘違いされていた方がいらっしゃったので、急遽組織診(バネ式にしろマンモトームにしろ)の「針の方向」について取り上げます。(血性分泌は次回へ延期)
♯決して非難しているわけではなく、このような勘違いをされる危惧を(私自身も)日常診療で持っていたので、この機会を捉えた次第です。
5206(質問5)乳癌についてをまずはご覧ください。
(抜粋)
『針生検の傷口がしこりの真上では、なく、しこりから少し離れたところにありますがちゃんと組織が採れてるか?と心配でなりません。』
⇒まさに、これなのです。
私もかつて(記憶に遠いですが)同様のことを患者さんから言われたことがあります。
それで、(今でも)時々組織診をした後に、
『シコリを真上から刺すと、胸壁(筋肉)に刺さり、(更にそれを超えて)肺に刺さるので、針を寝かせるために(敢えて)シコリから離れた部位から刺してますよ。』
と、時々お話しています。
それは、まさに(質問者のような)勘違いをされたくないからなのです。
表面から奥へ向かって「皮膚」⇒「皮下脂肪」⇒「乳腺」⇒(乳腺と筋肉の間に)「乳腺後(裏)脂肪」⇒「筋肉」⇒「肺」となります。
乳腺の裏の「筋肉」を超えて「肺」に刺さります!!
★肺に刺さると(空気が抜けて)「気胸」となります。
時々QandAでも「乳腺が薄いから、針を刺すと気胸になるから危険で刺せない」というセリフが出てきますが、(そもそも)真上から刺してはいけないのです。
このように、シコリから「かなり離れた部位から刺す」のです。
針は(あくまでも乳腺内を進むだけで)「筋肉や肺には刺さらないので安全」だということが解りますね?