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浸潤性乳管癌 硬癌 ステージ3

[管理番号:5223]
性別:女性
年齢:46歳
はじめまして。
田澤先生にご相談させて頂きたく、よろしくお願いたします。
夫と出産経験あり(子、12歳)です。
長文になりますが、ご回答お願いいたします。
今年に入って検診専門機関の主婦検診(扶養者の健康診断)の
マンモにて、右乳房要検査と診断→別日に同機関にてエコー検査受診
→要精密検査要との事で居住地近隣の乳腺外科の個人クリニックを
3月半ばに機関でのデータを持参し受診、
エコーの結果を見て(恐らく?)針生検をし、
1週間後に以下の診断を受けました。
「病理組織診断
Epithelial tumor,malignant.Invasive carcinoma,CNB
所見
検体3本
判定区分:検体適正、悪性
推定組織型:scirrhous carcinoma
所見:nuclear grade:1(mitotic count,1;nuclear
artype,2) in situ(+)
免疫染色結果
ER:+(約60%)
HER2:Score 3+」
上記個人クリニックよりの紹介で幾つかの提示の
病院の中で私自身で選択した
(車を運転しない為、バス1本で通えて便利であった為)
*提示といってもあくまで参考にという意味でした*
○○医科大学病院を4月初旬に受診し、
「血液検査、骨シンチ、CT(乳房部のみ)、エコー、MRI(脳)」
*MRIは個人的に希望し受診しました*を受けました。
そして術前化学療法を推奨されましたが、
短期ですが仕事をしており、
期間内の全ての勤務を全うしたかったので
(勤務期間の副作用を避けたいため)、
担当医の承諾も得て術後化学療法にし、6月半ばの手術を予約。
元々の(乳房温存術→乳房内再発を危惧)私の全摘希望もあったので、
「右乳房の全摘手術、リンパ節転移の為の腋下廓清を予定通り」を予定の期日に執り行い、10日後に無事に退院し、
以下が術後の病理結果です。
「病理結果説明書
核グレード:1
ER:エストロゲン受容体 60%陽性
HER2:ハーセプタンパク 3+
2期、21~50ミリまで
浸潤性乳管癌
硬癌
癌の大きさ
浸潤癌部分 5.5×3.4×2.0
浸潤癌でない部分の大きさ、全体の広がり
6.1×3.4×2.0
切除断端の状態
陰性…取りきれている
リンパ節転移の状況
リンパ節転移有
37個切除うち、転移は34個
脈管浸襲
リンパ管浸襲有、静脈浸襲無
波及度、乳腺、脂肪
核、組織の異型度、グレード3
免疫染色の結果
ホルモン感受性有、ER10%、PgR10%
HER2蛋白の発現有、3
Ki-67(増殖能?指標)20%」
以上の結果を踏まえて、
*本来だと術後の回復をみて病理結果後直ぐに化学療法であったが*
私の希望によりお盆の帰省がある為に
(帰省先の両親には告知していない為)
8月初旬より術後の化学療法を開始する事に致しました。
*帰省中の脱毛などの副作用を避けるため*
以下、術後化学療法の内容です。
「FEC100および ドセタキセル+ハーセプチン療法の”FEC100および ドセタキセル”を3週間毎の4サイクル」を
8月より開始予定でおります。
その後の「ハーセプチン療法」に関してはまた後日詳細説明を受ける予定でおり、
放射線照射も予定しておりますが、こちらの詳細説明は未だです。
以上の内容で私自身も納得はしており、その都度説明もきちんと受け、
こちらの質問にも受けて頂き、且つ私の希望を全面的に受け入れて頂けており、担当医を信頼しておりますので、
特に不信感があるわけでもありませんが、
田澤先生のご意見も伺いたく思います。
上記治療計画・内容で田澤先生の見立てとして如何でしょうか。
また以下も気になる点でご回答頂けませんでしょうか。
①「切除断端の状態:陰性…取りきれている」
これはよく言われる”手術による取りこぼし”がなかったという事で宜しいでしょうか。
*今週のコラム86回目「このようにすれば、全摘で深部側断端が陽性となることはないのです」拝見してります*
またそう判断すると局所再発があり得ないと言う理解で良いですよね。
*今週のコラム84回目「「初回手術の取り残しを摘出するだけでよい」と言う事なのです。」拝見しております*
②「癌の大きさ:浸潤癌部分 5.5×3.4×2.0」はとても
大きいように思います。
ステージ3と宣告されており、
子供もまだ小さい為まだまだ生きていたい。
孫を抱きたい。
とても心配です。
③「リンパ節転移の状況:リンパ節転移有、37個切除うち、転移は34個」これはどういう事でしょうか。
とても数が多く予後が悪いという事でしょうか。
④最後に授乳が終わってからほぼ1年に一度は検診で
マンモを受診していたのに(1年半位空く事もありましたが)
ステージ3になるまでわからないものなのでしょうか。
定期的にマンモを受けていたのにどうして早期発見が
できなかったのかと悔やまれるのです。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「上記治療計画・内容で田澤先生の見立てとして如何でしょうか。」
⇒おおよそ、その通りです。
 ただ、アンスラサイクリンはFECではなく、ECにしますが…
「”手術による取りこぼし”がなかったという事で宜しいでしょうか。」
⇒その可能性が「ゼロに近い」ということです。
「局所再発があり得ないと言う理解で良いですよね。」
⇒それでいいと思います。
「とても数が多く予後が悪いという事でしょうか。」
⇒「リンパ節転移の個数」はステージを決める因子なので、「状況を楽観視」することはできないという事です。
「定期的にマンモを受けていたのにどうして早期発見ができなかったのかと悔やまれる」
⇒残念ながらマンモでは(時に)「超音波ほどの早期発見が困難」なのです。