[管理番号:4750]
性別:女性
年齢:42歳
3月に、健康診断にて、石灰化があり、マンモトーム検査したところ、乳がんでした
4月(下旬)日に、右乳房全摘手術
5月(上旬)日に、病理検査の結果
リンパ節に転移はなかったものの…
リンパ管に3こみつかりました
ガンの大きさは、6センチ
浸潤は1.1センチでした
細胞分裂の速度は、20~30%
ホルモン受容は、70%でした
(中旬)日から、ドセタキセル注?エンドキサン注を3週間ごとに、4回です。
その後、ホルモン療法となります
来週から、化学療法が始まりますが、この治療方針でいいのか、大変心配になってきました。
治療は、これでよろしいでしょうか?
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
まず、「リンパ節に転移はなかったものの…リンパ管に3こみつかりました」
⇒この表現は正しくないので、きちんと担当医に「本当の病理結果を教えてもらうor 病理結果をもらう」ようにしましょう。
まさか「リンパ管に3こ」とは「ly 3+」のことでしょうか??
「来週から、化学療法が始まりますが、この治療方針でいいのか、大変心配になってきました。」
⇒(化学療法の適応の)ポイントは「1つだけ」です。
物事は(できるだけ)シンプルに考えましょう。
(リンパ節もリンパ管も無関係であり)唯一「ルミナールAなのか、Bなのか?」です。
♯ルミナールタイプ(ホルモン療法が効くタイプ)をAとBに分ける簡便法として
「Ki67(細胞分裂期にある癌細胞の割合)」があります。(細胞分裂の速度は20~30%となっている、その数値です)
ルミナールA(Ki67≦20) ホルモン療法単独
ルミナールB(Ki67>30) ホルモン療法+化学療法
ただし、Ki67は「あくまでも簡便法」であり、実際にはKi67>30でも
(OncotypeDXをすることで)ルミナールAと確認できることも多いですが…
いずれにしても質問者は Ki67=20~30%でありグレーゾーンと言えます。(実際には、確率的にはルミナールAの確率が高いです)
「治療は、これでよろしいでしょうか?」
⇒(私であれば)ホルモン療法単独とします。(ルミナールAである確率が高いからです)
ただし、「グレーゾーン」ではあるので、「OncotypeDXで確認しますか?」とはなります。
質問者様から 【質問2】
先日は、どうもありがとうございました。
その際に教えて下さった、
オンコタイプDXに感しての質問です。
オンコタイプDXでは、どういったことがわかりますか?10年間の再発率がわかるだけですか?それとも、抗がん剤が効くかどうかがわかりますか?
私は、もしも、再発率が低いとしても、少しでも抗がん剤が効いてくれるのなら、抗がん剤をしたほうがいいのかな…と考えています。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
OncotypeDXでは
2つのグラフで結果が示されます。
1.「タモキシフェン単独」での10年再発率
2.「タモキシフェン単独での10年再発率」と「タモキシフェン+化学療法での10年再発率」です。
実際には2を用いて「タモキシフェン+化学療法での10年再発率」-「タモキシフェン単独での10年再発率」を計算することで「化学療法を行う事での上乗せ効果」が解るのです。