今年もいよいよ残り少なくなってきました。
私事でなんですが…
沖縄と言えば思い出す事があります。
2013年9月(江戸川に来る前年です)
滞在最終日、台風到来!
空港ロビーには「帰れない」人が溢れています。
「仙台便も欠航」 頭が真っ白になりました。
明日から仕事なのに戻れない。
あちらこちらに、「台風なので、今日は帰れない、明日は休みます」仕事先へ電話している人達がいます。
「俺は休むわけにはいかない」(朝から外来があるのです)
「陸続き」であれば何とかなる。
まずは、「どこでもいい、本州に辿りつくのだ!」私は腹を括りました。
僅かながらに欠航を免れた「中部国際空港便」のキャンセル待ちに幸運にも当選し、一路名古屋へ。(ここが勝負どころでした)
この時点で深夜12時。
休む間もなく、(新幹線内で予約していた)レンタカーに飛び乗り、「八戸」へ。(東京-八戸間、700km non stopで7h ! 睡魔との闘いでした。)
♯江戸川に来る直前の9カ月間は八戸で勤務してました。
徹夜で走って、朝には到着!
こうして「体力勝負の大冒険」は幕を閉じたのです。
♯外来は、眠くて大変でしたが…
今回は、台風シーズンではありません。(いかに、昨今の異常気象と言えども…)
そもそも、今回は(年を越さずに)年内には戻るので、(年始の)診療開始日には余裕があります。
3年前には(その余裕が)なかった、この違いが「大人の余裕」でしょうか(笑)
○カテゴリー分類
今回は、この話をします。
Qを見ていると、「画像診断」なり「細胞診、もしくは組織診」のカテゴリー分類に翻弄されている様子が垣間見れます。
「怖がる」前に、まずは正しい理解をしてもらいたいと思います。
◆画像診断
日本の基準(カテゴリー1~5)に対しアメリカで用いられているBI-RADS(Breast Imaging Reporting Data System)がありますが、日本でも(特に放射線科医が)BI-RADSを用いることが増えてきているようです。
(以下、表) 表上でクリックすると拡大します。
◆細胞診、組織診
○細胞診はパパニコロウのクラス分類(ClassⅠ~Ⅴ)が用いられてきましたが、時代の要請から廃止の方向にあります。
a)検体不適性(inadequate)
b)検体適性(adequate)
正常あるいは良性(normal or benign) ⇒(従来の)ClassⅠ~Ⅱ
鑑別困難(indeterminate) ⇒(従来の)ClassⅢ
悪性の疑い(suspicious for malignancy) ⇒(従来の)ClassⅣ
悪性(malignant) ⇒(従来の)ClassⅤ
♯先週あったQの中で「鑑別困難」が出てきましたが、
これは(乳管内乳頭腫などの)「乳頭状病変」、(増殖が比較的強い乳腺症などに伴う)「過形成病変」、(異型を伴う過形成病変)「f.e.a:flat epithelial atypiaやADH:atypical ductal hyperplasiaやlow grade ductal carcinoma in situ低異型度非浸潤癌」,他にfibroepithelial tumor(葉状腫瘍や線維腺腫の一部)など非常に幅広くなります。
つまり、『細胞診の鑑別困難は(良性病変が多いが)何であるかは予測不可能⇒組織診をしなさい』と解釈すべきなのです。
♯♯ちなみに「悪性の疑い」は、其の90%以上が悪性です。
○組織診は、判定区分は(上記)細胞診の区分と同一です。
「組織診での鑑別困難」
①(細胞診のように何でもありではなく)必ず、「鑑別すべき組織型を明記すること」となっている。
②(細胞診の際では良性が多いが)組織診では「境界病変(上記f.e.aやADH, low grade DCIS)の可能性が高くなる。
③CNB(バネ式針生検)で「鑑別困難」であれば、(経過観察ではなく)「吸引式針生検(マンモトーム生検)」もしくは「外科的生検」とすべきである。
「鑑別困難」についてまとめると…
★細胞診の鑑別困難は「良性が多く、何でもあり」だが、組織診での鑑別困難は「境界病変が多く、確定診断へ進むべき」なのです。