7月に入りました。
随分晴れて天気のいい日が続いています。
梅雨の中休みというのでしょうか。
それにしても「中休みというより、もう夏なのでは?」みたいな暑さですね。
土曜日は市川外来が終わった後、江戸川病院まで「少し遠回りしながら」走っているのですが、その「暑さ」は半端ではありません。
ここ東京は毎週末「カンカン照り」
お陰で一見「健康的」に日焼けしてますが(患者さんからは「海外?」とか「ゴルフ?」と聞かれたりしますが)、そんな優雅ではありません。
まだ「夏でも無い」のに「夏バテ」しないように。
「本物の本気」で頑張らなくては!
○組織診の精度について
前回、「硬い乳腺」についてお話しました。
今回はもっとも「重要」なところについて解説したいと思います。
それはエコーです。
下のイラストをご覧ください。
通常「左手」でエコーのプローブを持ち、「右手」で(組織診の)「針」を持ちます。
モニターで『針が上手く腫瘍に入っていく様子を確認しながら』です。
一見簡単なようですが…
「モニターは2次元(立体的ではない)」なので、『エコーで見えている平面にぶれることなく生検針をすすませる』ことが必要となります。
○「左手のエコープローブ」と「右手の生検針」を微調整しながら、腫瘍の中央に生検針が綺麗に入るように導くのです。
ここに2つの要素が必要となります。
①左手でのエコープローブの微調整
②右手での生検針の挿入
①については… やはり普段からエコーを使いこなしていることが絶対条件となります。
普段、エコーを「技師さん任せにしている」ようでは…
②については… (無駄な力を抜いて)硬い乳腺を躊躇なく貫く「パワーと正確性」
○もしも、皆さんが「大学病院」とか「○研病院」のような病院でマンモトーム生検を受けた経験があれば、きっと「気づく」ことがあります。
「あれっ? 医師が2人がかりで検査していたよ?」
「一人がエコー」そして「もう一人がマンモトーム」を持って、2人がかりの医師で「もうちょっと右、とか左」とか声をかけあいながら行っています。
♯さすがに、「バネ式」は「一人でできる」ようですが、「マンモトームとなると」(重いから??)「分担してやっている」ようです。(数人の患者さんから直接聞きました)
★これでは、正確な検査ができる筈がないですよね?(微調整ができません)
大事なのは「微調整」なのです。
♯本来「一人の医師」が「左手でエコー」「右手でマンモトーム」を持って行うべきを…
何故一人でできないのか?
★彼らはエコー操作に慣れていないから(効き腕ではない左手で)微調整できないのです。
普段の「日常診療」こそ大事なのです。
エコーを普段から自分でしないようでは、(エコーガイドの)組織診が上手くなることは「夢のまた夢」なのです。
実例を少々…
実例1.他院で7mmだから「生検できない」経過観察と言われた。
(※と※で囲まれた部分)
当院のマンモトームで浸潤癌の診断(手術:7mmの浸潤癌でした)
実例2.他院のバネ式針生検で良性と診断
当院のマンモトーム生検で非浸潤癌の診断(手術:2mmの非浸潤癌でした)
◎この症例では(前医で)生検針を(硬い乳腺の中)上手く病変まで到達できなかったようです。
そもそも「腫瘤非形成性病変」なので(バネ式ではなく)最初からマンモトームすべき症例です。