[管理番号:2772]
性別:女性
年齢:47歳
2014年12月に右の全摘、同時再建手術を行いました。
術後はホルモン療法(ノルバデックス、リュープリン)を行っていましたが、今年2月に右腋下リンパ節への転移があり、左胸にも非浸潤性のがんが見つかり、今年2月中旬に左胸全摘、同時再建および右腋下リンパ節切除の手術を行いました。
術後の説明で左はホルモン療法で問題ないと言われましたが、右は抗がん剤治療を勧められました。
QOLを維持したいため抗がん剤治療を受けるべきか迷っています。
右ははホルモン陽性(30%-50%),Her2陰性、Ki30%で、ドセタキセルとサイクロフォスファミドを4回、約3カ月がよいのではといわれています。
抗がん剤治療の副作用を考えるとホルモン療法で進めたいのですが、こうアドバイスをいただけますか。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
最近このようなケース(腋窩再発)のQandAが目立っています。
その際に、私が一貫して「腋窩再発は、あくまでも局所再発(基本的には初回手術時の取り残し」であり、所謂「遠隔転移再発とは区別しましょう」と回答しています。
質問者の場合は初回手術の状況が不明ですが…
例えば2014年12月に右の手術時に「センチネルリンパ節生検を施行」しているのでしょうか?
その際に「センチネルリンパ節が陰性で郭清省略」となっていたとしても、「陽性で追加郭清していた」としても、(どちらにしても)『(その当時から)癌細胞が潜んでいたリンパ節の取り残し』と考えるのが妥当と思います。
★「取り残し」なのだから、今回「取り残していたリンパ節を改めて摘出した」で基本的には(治療は)終了でいいと思います。
これを通常の「再発」と捉えて「化学療法が必要」とするのは、『本質を見誤っている』ように私には思えます。
「術後の説明で左はホルモン療法で問題ない」
⇒左は「非浸潤癌」なのだから、「ホルモン療法も不要」です。
「右は抗がん剤治療を勧められました。」
⇒抗がん剤は不要と思います。
冒頭でコメントした通りです。
単に(初回手術時に、取り残していたリンパ節を)「1年半後に(改めて)摘出した」と考えるべきです。(所謂再発とは意味が異なります。)
「抗がん剤治療の副作用を考えるとホルモン療法で進めたいのですが、こうアドバイスをいただけますか。」
⇒(ご本人の意思に逆らってまで)抗癌剤をする必要はありません。