[管理番号:2093]
性別:女性
年齢:50歳
自分でしこりに気づき、近くのクリニックでバネ式細胞新を受けて、大きさ1.3cm、粘液癌という診断でした。
大きな病院へ受診して、クリニックで取れたプレートで調べるといわれ結果はやはり粘液癌ER+、PGR+、HER2- の結果でした。
大きさは2cmくらいで、周りにブツブツしたものがあるといわれました。
担当医からは、手術してみたら、他の癌が見つかるかもしれないし、センチネルリンパ節生検をしますが、リンパを全部取るかもしれない、化学療法をすることになるかもしれない、手術してみなければわからない。
部切除にするか、全テキにするか、部分切除してだんたい陽性になれば、もう一度手術しますと言われました。
あまりにも、いろいろなケースを言われており、不安が強くなってしまっています。
これは当然のことなのでしょうか?
現時点、手術法も決められずにいます。
先生のご意見をお聞かせ頂きたく、お願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
担当医は随分慎重派で、「あらゆる可能性を全て、しかも同じ様なウエイトで」伝えなければ気が済まないタイプのようですね。
やはり、専門家として「有る程度の道筋をつけてあげる」必要があります。
「2cmの粘液癌」で「luminal type」
⇒普通に考えたら「乳房温存術+センチネルリンパ節生検」を行い、「術後照射とホルモン療法」です。
○抗がん剤をする可能性は①術後の病理結果でKi67が高値となる場合 ②リンパ節転移が4個以上 など限定的であり、今から考える必要はないでしょう。
「現時点、手術法も決められずにいます」
⇒MRIを撮影していますか?
MRIで「拡がりが限局的」であれば温存術でいいと思います。
○客観的な評価を基に、担当医と相談するようにしましょう。
○抗がん剤治療になるかどうかは前述したように、「術後病理結果を確認するまでは解らない」ものとして「術式選択とは切り離して」考えてください。
質問者様から 【質問2】
ご多忙のこの時期に早々のご回答いただき、心から感謝致します。
ありがとうございます。
田澤先生のご回答を拝見する前に担当医にどうしますかと聞かれ、全摘しますと言っ
てしまいました。
同じドクターの手術をされた患者さんで、だんたい陽性が出て、部分手術から全摘と
2回手術をすることになったことを聞いて怖くなってしまい、全摘と言ってしまいま
した。
MRI画像の結果につきましては、担当医からは、
『画像の広がりは無いでしょう。
実際手術してみなければわからない
ひらいてみたら画像には写らない広がりがあることがあるんです。
粘液癌は大きく切る必要があります 2.2cmの腫瘍からプツプツしたところ含めて7c
mの範囲は切るから(胸の1/4は切除することになるから)全摘の方がいいでしょう』
と言われてしまいました。
右乳がんC領域(上外側1/4)の部位 胸はBカップです。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
MRI画像の結果につきましては、担当医からは『画像の広がりは無いでしょう。実際手術してみなければわからないひらいてみたら画像には写らない広がりがあることがあるんです』
⇒この表現だけをみると「拡がりは限局的」に思えますが…
♯手術してみなければ「画像には写らない拡がりがあることがある」というのは当たり前なことです。
その一方で『2.2cmの腫瘍からプツプツしたところ含めて7cmの範囲は切るから(胸の1/4は切除することになるから)全摘の方がいいでしょう』という表現が矛盾しているように思います。
○画像での拡がりが「あるのか、ないのか?」一体どちらなのでしょうか?
後半の「ブツブツしたところ」を病変と考えているのであれば、それは「病変の拡がりが広い」ということになります。
これが、そのとおりならば「切除を勧めている」ようです。
質問者様から 【質問3】
このたびも、ご回答いただき、誠にありがとうございます。
わかりにくい文章になってしまい申し訳ありません。
プツプツというのは、MRI画像では広がりがないが、エコーの結果で腫瘍のまわりにプツプツ見られていますと言われました。
その部分は大丈夫そうだと思いますが、これは切って病理にかけて調べてみなければ、
わからないことですからと言われてしまいました。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
「エコーの結果で腫瘍のまわりにプツプツ見られていますと言われました。」
⇒評価は難しいですが…
担当医は「自ら、エコーしてますか?」
自分でエコーをして、「判断くだす」ことが必須です。
○画像診断に絶対はありませんが、「人ごと」ではなく、「自らが責任をもつ」ことが重要です。