Site Overlay

髄様癌について

[管理番号:4792]
性別:女性
年齢:41歳
はじめまして。
41才、小学生の子供が3人おります。
フルタイム勤務で、
3月に職場の検診の超音波で左乳に腫瘍が見つかりました。
マンモではわずかに写る程度でした。
ゴールデンウィーク中に左乳浸潤癌、部分切除をして、病理結果が出たのですが、判断に迷いますので、相談させてください。
腫瘍は9mm センチネルリンパで転移-
断端-
トリプルネガティブのステージ1aの診断でした。
核グレード3 Ki67は80パーセントで抗ガン剤を覚悟していたところ、髄様癌の特徴を含むという結果でした。
標準療法では抗ガン剤をやることになっているが、髄様癌は予後が良く、病巣も9mmと小さかったので、抗ガン剤は患者判断に任せると言われました。
放射線はその後に予定しています。
質問は
①髄様癌の特徴を含むとは完全な髄様癌ではないという事でしょうか?
ならば抗ガン剤をした方が良いでしょうか?
②髄様癌に対してアンスラタキサンは効果的でしょうか?上乗せ効果はどの程度でしょうか。?
③Ki67が80パーセントと高いのでやる価値はあるのでしょうか?
④このような場合、先生でしたら抗ガン剤を勧めますでしょうか?
以前は1センチ以下ならばトリプルネガティブでも抗ガン剤をやらなかったとも言われました。
髄様癌という、比較的珍しい癌なので、担当医師もはっきりと効果を答えられないようです。
経験豊富な先生の経験上で、髄様癌について再発転移があるか等予後を教えていただけると助かります。
私的には出来ればやりたくないのですが、子供の事を、考えるとやるべきなんだろうと思います。
データがないので、気持ちの上での判断しか
できず、困っております。
よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
物事はシンプルに考えなくてはなりません。
日本のガイドラインをみてもトリプルネガティブでも(無条件で)化学療法は不要としているのは「腺様嚢胞癌」しかありません。
それ以外(髄様癌も含む)では通常の組織型と同様の治療方針となります。
NCCNのガイドラインでは
浸潤径≦5mm 無治療
5mm<浸潤径≦10mm 化学療法を考慮する☆
10mm<浸潤径   化学療法
となり、質問者の場合には☆に相当します。
「①髄様癌の特徴を含むとは完全な髄様癌ではないという事でしょうか?ならば抗ガン剤をした方が良いでしょうか?」
⇒冒頭にコメントしたように…
 髄様癌であっても「通常の組織型と同様の評価」となります。
「②髄様癌に対してアンスラタキサンは効果的でしょうか?上乗せ効果はどの程度でしょうか。?」
⇒組織型毎のデータは存在しません。
「③Ki67が80パーセントと高いのでやる価値はあるのでしょうか?」
⇒Ki67は無関係です。
 浸潤径をどう考えるか?です。
「④このような場合、先生でしたら抗ガン剤を勧めますでしょうか?」
⇒NCCNのガイドラインでは☆となっています。
 やはり9mmという浸潤径を注目します。
☆「考慮する」程度なので、患者さんの希望が強く無い限り行いません。