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ゾラデックス

[管理番号:6583]
性別:女性
年齢:51歳
田澤先生、こんにちは。
この乳がんプラザはとても参考になっています。
同じ悩みを持った患者さんの質問と先生の回答で、毎日勉強しています。
5月上旬に全適手術を受けました。
ルミナルAタイプだったのでタモキシフェンを服用すればよいと田澤先生がおっしゃっていたので、そのつもりで本日受診しました。
ところが追加でゾラデックスの注射もしましょう、と言われました。
閉経前で生理は変わらず月に一度あります。
エストロゲンの分泌を少なくする為にやるそうです。
田澤先生のお話の中でゾラデックスという言葉があまりなかったように思います。
注射に時間がかかるので、本日予定があった為次回にしました。
リンパ節に転移が2つありレベル2まで郭清しました。
リンパ節外浸潤7ミリと6ミリ
だったので、念のためにゾラデックスもやりましょう、とのことでした。
でも絶対では
ないから次回までに決めてきてね、と言われました。
誰に相談していいのかわからず、困っています。
まとまりのない文章で申し訳ありませんが、田澤先生の見解を教えて下さい。
ERは90%以上、PgR50~60%でした。
よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「田澤先生の見解を教えて下さい。」
→ゾラデックスは不要です。
 LH-RHagonistは、40歳未満でいいのです。
 
 

 

質問者様から 【質問2 ゾラデックス】

性別:女性
年齢:51歳
田澤先生、迅速な回答本当にりありがとうございました。
追加でお聞きしたい事があります。
①なぜ40歳以下はLH-RHアゴニストの併用はしなくてもよいか教えて下さい。
乳癌学会診療ガイドラインで調べたところ
「タモキシフェンとLH-RHアゴニストの併用は行ってもよいは、推奨グレードC1」になっていました。
更に「35~40歳以下では再発抑制効果を認める」と記載されています。
ガイドラインで決まっているのに、主治医がゾラデックス注射を多少なりすすめてくるのはどうしてか、明日の診察で確認をしようと思います。
この乳がんプラザを読み返してみると、40歳以下でない方でもLH-RHアゴニストの併用をしている方がいます。
②ガイドラインで決まっているにも関わらず、私の主治医だけでなく、併用する医師がいるのはなぜでしょう?
③リンパ節転移、レベル2まで郭清している、という事実は併用とは関係ないでしょうか?
先日質問をしたばかりなのに、日にちを開けずにまた質問をすることをお許しください。
以上よろしくお願いします。
いつもこの乳がんプラザを読んで、勉強になり、勇気づけられています。
田澤先生の親切、親身な対応に頭が下がります。
そして感謝しています。
これからも、勉強し続けます。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
LH-RHagonistの背景を知ると納得していただけるようです。
LH-RHagonistは、ずいぶん長い間、「閉経前のホルモン陽性乳癌では全例行われるべき」と考えられ、過去においてそれが一般的だったのです。
その後SOFT試験で「35歳未満」及び、(化学療法閉経後に)「月経が再開した症例」以外では、LH-RHagonistの上乗せが無いことが判明したのですが、「一度身についた習慣は消えない」のです。
更に、(我々医師にとって)「やっておいて損はないんじゃない?(いくらかは利益があるのでは?)」という潜在的思考があることも、また影響しています。
♯ちなみにSOFT試験は結果が出るまで、(我々乳腺外科医は)「LH-RHagonistは閉経前で有効である」という結果がでるだろうと思っていたのです。
(アストラゼネカ側も、空けてビックリということのようです)
「①なぜ40歳以下はLH-RHアゴニストの併用はしなくてもよいか教えて下さい。」
→これは「40歳以上」の誤植ですね?
 それは「エビデンスが無い」からです。
「更に「35~40歳以下では再発抑制効果を認める」と記載」
→これが上記「SOFT試験」なのです。されています。
「ガイドラインで決まっているのに、主治医がゾラデックス注射を多少なりすすめてくるのはどうしてか、明日の診察で確認をしようと思います。」
→冒頭でコメントした通りだと(私は)推測します。
「この乳がんプラザを読み返してみると、40歳以下でない方でもLH-RHアゴニストの併用をしている方がいます。」
「②ガイドラインで決まっているにも関わらず、私の主治医だけでなく、併用する医師がいるのはなぜでしょう?」

→冒頭でコメントしている通り。
「③リンパ節転移、レベル2まで郭清している、という事実は併用とは関係ないでしょうか?」
→担当医にとっては関係がある(いくらかでもリスクを減らしてあげたい)のかもしれませんね。