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全摘出を勧められました

[管理番号:361]
性別:女性
年齢:48歳
定期健診でマンモとエコー検査をうけました。マンモでは異常がみられませんでしたが、エコー検査で異常があり、針検とMRIを受けました。
その結果、癌とは判断ができないけれど、生検でその範囲をすべて取り除き、そこを5ミリ単位で調べ、癌細胞の有無を調べなければならないそうです。
生検でその範囲を取り除くと、(範囲が広く) 形が崩れるので全摘出のほうが良いのではと勧められました。
いまから転移性の癌になる可能性があるので、放っておくわけにはいかないとも言われました。
いままで、定期的に健診をうけており、毎回、エコーの検査で少し反応があるけれども、脂肪が少なく乳腺が密集しているのでしょう。
マンモで異常が見られないので大丈夫だと思いますが、定期的に健診を受け続けてください。
はっきり覚えていませんがこのようなことを言われていました。
ところが今回は乳腺科での精密検査を勧められ、受診したところ、
いきなり、「全摘出」を勧められることとなり、動揺しております。
 
セカンドオピニオンを求めるために、ほかの乳腺科を受診してみようか、迷っているところです。
ご意見をお伺いしたいです。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 「毎年、マンモとエコーで大丈夫」と、言われていたのに突然「乳腺全摘」と言われたお気持ち、お察しします。

回答

(針生検)「その結果、癌とは判断ができないけれど、」
⇒「画像所見で乳癌を疑うが」(針生検の結果が『乳癌疑い』もしくは『鑑別困難』であり)「(針生検の結果では)癌と確定できない」という状況だと推測します。
 こういう場合、針生検の再検をする場合がありますが、「結局また同じ結果になる可能性」もあります。
 この流れで、「外科的生検」をするのはいいのですが、『癌の診断なしに、乳房切除(全摘)』は、かなり乱暴だと思います。
※当院であれば、超音波ガイド下マンモトーム生検を用います。標本採取量が比較にならない程多い為、診断は100%信頼できるのです。
 
◎「乳腺全摘」をしておきながら「結局、癌ではなかった」では許されない。と思います。
 ※担当医は「今の時点では癌では無かったけど、『将来的に癌になる』病変でしたよ」とでも、いうつもりでしょうか?
 
 「MRI」でいくら広範囲に見えても、「生検」は部分切除であるべきです。
★本来の手順
 「外科的生検(あくまでも『乳腺部分切除』)」により、『もしも癌と確定診断となれば…』 ⇒ ここで初めて「MRI」による『拡がり診断』を参考に「治療方針を決める」という順番です。
 
「セカンドオピニオンを求めるために、ほかの乳腺科を受診してみようか迷っているところです。」
⇒まずは『病理レポート』を確認すべきです。
 主治医は「病理レポートを渡してくれなかった」のでしょうか?
 
◎セカンドオピニオンの前に(主治医に)「病変の中心を生検(部分切除)」では駄目なのか「聞いてみましょう」
 それで、「説明に難」がある際には「セカンドオピニオンよりは、むしろ転医」を選択してもいいと思います。