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kei67は予後因子となるのでしょうか?

[管理番号:6088]
性別:女性
年齢:44歳
田澤先生
初めまして。
乳がんで治療中の友人にこちらを教えてもらってから、毎日読んで勉強させていただいています。
昨年末に乳がんと診断され、2月上旬に手術、先日病理結果が出ました。
・右乳房全摘
・硬癌
・2.5センチ
・核グレード2
・リンパ節転移あり(センチネル3/4、レベル1まで郭清0/5)
・ly3、v0
・ER陽性
・PgR陽性
・HER2陰性
・kei67 60%
・ステージ2b
主治医からは、早期ではないこと、リンパ節転移が3個あったこと、ly3ということ、
kei67が60%と高いことは非常に予後が心配とのことで、放射線+抗がん剤6ヵ月+ホルモン療法という提案がありました。
そこで、田澤先生にご質問があります。
(まだ、こちらのQ&Aを全て読めていないので、重複する質問でしたら大変申し訳ありません。)
質問1 全摘の場合はリンパ節4個以上で放射線治療になると思っていたのですが、転移3個で全摘でもly3ということで必要なのでしょうか?
質問2 こちらのQ&Aで、kei67はルミナールタイプをAかBに分ける基準だと思っていたので、主治医に聞いてみたところ、「ルミナールタイプを分けるというのは過去の話で、
最近ではkei67は予後因子となっている」との答えで驚きました。
確かに増殖率が高いというのは予後に関わるのかなと思って落ち込んでいます。
Kei67が60%と高いというのは遠隔転移しやすいのでしょうか?
質問3 田澤先生からご覧になって、私の病理結果は予後が悪いと思われますでしょうか?
抗がん剤治療も受けるつもりです。
再発率はどれくらいになりますでしょうか?
子供が小さいので、できる限りのことをして根治に向けてがんばりたいと思っていますが、病理結果と主治医の話で前向きに考えられず、ただただ不安の毎日を送っています。
大変お忙しいとは思いますが、よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「主治医からは、早期ではないこと、リンパ節転移が3個あったこと、ly3ということ、kei67が60%と高いことは非常に予後が心配」
⇒贔屓で「脅し」ともとれる表現をつかう医師がいることを悲しく思います。
 リンパ節はあくまでも局所であるという認識が必要です。
 『そう考えると、(リンパ管に入り易い=ly3+)だから、リンパ節転移はし易かった可能性はあるが、(それに比して)v0なので血行性転移と結び付ける必要性が低い』
  という考え方は当然成り立ちます。
「質問1 全摘の場合はリンパ節4個以上で放射線治療になると思っていたのですが、転移3個で全摘でもly3ということで必要なのでしょうか?」
⇒必須とは思いませんが…
 Ly3+だと胸壁皮下のリンパ管をターゲットとする目的で胸壁照射(腋窩は不要)も考慮してもいいでしょう。
「Kei67が60%と高いというのは遠隔転移しやすいのでしょうか?」
⇒無関係です。
「私の病理結果は予後が悪いと思われますでしょうか?抗がん剤治療も受けるつもりです。再発率はどれくらいになりますでしょうか?」
⇒ルミナールタイプの場合には、AとBで異なるので、知りたい場合にはOncotypeすべきでしょう。
「病理結果と主治医の話で前向きに考えられず、ただただ不安の毎日」
⇒無意味な「脅し」は気にしない様にしましょう。