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予後について

[管理番号:2655]
性別:女性
年齢:39歳
いつも拝見させていただいております。
2月始めに乳癌と診断され、
3月上旬乳房全摘手術、センチネルリンパ節生検後リンパ節切除(画像上リンパ節転移なしだったのに)ということになってしまいました。
昨年6月に乳腺症と診断され今年1月の再診で乳癌の疑い、細胞診組織診を経て、トリプルネガティブでリンパ節切除ということに、受け入れることに時間がかかっており、不安です。
今後の治療の脱毛やその他の副作用も不安です。
なかなか前向きになれません。
2才4才9才の娘たちにもどのように話をするべきか、考えることばかりです。
来月上旬には病理検査の結果がでて、翌週からは抗ガン剤の治療開始となる予定です。
結果がでてからでないと何も始まらないことはわかっているのですが、心強い言葉がほしくてメールさせて頂きました。
昨年6月から現在までのガンの増殖のスピードが早いことが気になり、予後に関することが不安です。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「昨年6月に乳腺症と診断され今年1月の再診で乳癌」「昨年6月から現在までのガンの増殖のスピードが早いことが気になり、予後に関することが不安」
⇒「半年間で新たに出現」というわけではなさそうです。(癌の増殖スピードが速いという解釈は考え過ぎです)
 「乳腺症」という診断が「誤っていた」可能性があります。
 
○トリプルネガティブに必要以上の意識は無用です。
 治療法として「アンスラサイクリン+タキサン」を行えば、予後は同等です。
 ご安心を。
 
 
 

 

質問者様から 【質問2】

2回目のメールです。
宜しくお願いします。
昨日、術後(左乳房全摘)の病理結果が出ました。
浸潤径 0,9×0,7(術前、多くは非浸潤でしょうと言われていました。
全体は3cmほどあったと思います) センチネルリンパ節に1つ転移を認める。
切除したリンパ節12個には転移を認めない。
tubular formation 3 nuclear pleomorphism 2 mitotioc counting 3 Grade3 ER 
1% PgR 0% HER2 0 MIBー1 49,6%
ddEC 2週間後毎4回、パクりタキセル1週毎に12回、その後、放射せん治療と言われました。
主治医も施設により浸潤けい 5mmか1cmで分かれているがうちでは5mmで判断している。
放射線も少し前より1個出もあると進めている。
(いぜんは4個を規準にしていた)
トリプルネガティブは再発すると根治不能なので、今の段階で化学療法もしておくことを進めるとの、お話しでした。
先生はどのようにおかんがえにならっるでしょうか?
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
pT1b(9mm), pN1
十分な早期乳癌です。
ただtriple negativeである以上、化学療法は必須であり、その中でもgolden
standardは「アンスラサイクリン+タキサン」となります。
 
「ddEC 2週間後毎4回、パクりタキセル1週毎に12回、その後、放射せん治療」
⇒何故、「dose dence」なのか?
 普通にEC4回⇒weekly PTX 12回でいいと思います。
 
「放射線も少し前より1個出もあると進めている。(いぜんは4個を規準にしていた)」
⇒放射線は不要と思います。
 推奨度もBだし、「腫瘍も小さく、リンパ節も1個だけ」なのですから…
 

 

質問者様から 【質問3】

3回目の質問です。
宜しくお願いします。
3月に左乳房全摘出を受け、抗がん剤治療を受けてきました。
ddEC 4回、パクリタキセル8回目終了時点で、血小板数が6.6万、翌週3.0万となり
2週間空けて更に2回実施(計10回終了)して、血小板数3.8万で抗がん剤終了の判断と
なりました。
私自身、血小板数減少による危険性も理解しているつもりですが、途中で終わってし
まったという気持ちになってしまっています。
EC4回、パクリタキセル10回を受けていることも忘れ、残念な気持ちになっている自
分がいます。
トリプルネガティブでリンパ節転移1コ、浸潤経0.9×0.7 で、
これまでの治療で標準的な治療と大きくかわることはないのでしょうか?
中止となってしまった判断は仕方ないことでしょうか?
先生のご意見を宜しくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
血小板3.8万ですか…
Dose denseが響きましたね。
ただ、質問者にかんしては(dose denseをしたことにより)「weekly PTXが2回少な
かったよりも、余りある恩恵をうけた」と考えましょう。
○それにしてもギリギリまで良くがんばりましたね。(私だったら、もっと前に中止としたでしょう)
「これまでの治療で標準的な治療と大きくかわることはないのでしょうか?」
⇒冒頭のコメント通りです。
 ここは「dose dense」の優位性を信じるべきです。
「中止となってしまった判断は仕方ないことでしょうか?」
⇒これは当然です。
 (再発治療とは異なり)「術後補助療法で命を危機に曝す」など「決してやってはいけないこと」の代表なのです。