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異時性両側乳がん ki67の値が手術前の生検と術後でかなり異なる場合の薬物療法

[管理番号:5432]
性別:女性
年齢:50歳
はじめまして。
異時性両側乳がんで、本年7月に全摘しました。
ki67の値が手術前の生検と術後でかなり異なり、値の低い術後の結果で治療が進んでいることに不安を覚えています。
初発は2007年(40歳)、腫瘍径11ミリ、ホルモン強陽性、HER2陰性、グレード1、リンパ節転移なし
温存手術に放射線25回、ノルバデックス5年とゾラデックス2年
10年めの検査(CT)にて、逆側乳房に腫瘤(5ミリひとつ、他に砂つぶのようなもの複数)と雲のようにぼんやりとしたものが造影、肺や肝臓には転移を疑う所見なし
手術前の生検では、浸潤がん、ホルモン強陽性、HER2陰性、グレード1、ki67は30%
MRIで広がりを確認
全摘手術で、腫瘍径7ミリ+0.5ミリの浸潤がん、ほか広範囲にDCISが存在、リンパ節転移なし
術後の病理検査では、ki67が5%以下、脈管侵襲なし、他は手術前の生検と同じ
今回の術後の治療は、当初はノルバデックスのみ、年齢的にも生理を止めなくてもよいとのことでした。
それが、術後にも関わらず腫瘍マーカー(NCC-ST-439とI-CTP)が増加したのと、エストラジオールの値が144とまだ高いこともあり、生理を止めることになりました。
(田澤先生が腫瘍マーカーをあまり重視されていないのは存じています)
ご相談させていただきたいのは、化学療法の要否です。
ki67が5%以下なら化学療法は不要で納得ですが、術前の30%では検討が要りませんでしょうか。
また、両側であることを勘案する必要はありませんでしょうか。
主治医からは、経口抗ガン剤の話しがチラッと出ています。
ただし、生理を止めるのが先でしょうと。
田澤先生でしたら、この状況で術後の治療として化学療法を行いますでしょうか。
もし行われる場合、何を選択されますでしょうか。
以上、情報に不足がありましたら、補足させていただきます。
ご意見いただけましたら幸いです。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
物事はシンプルに考えましょう。
1.当院では(術前、組織検査ではKi67は測定しておらず)術後標本全体で評価しています。
2.両側は(術後療法とは)全く無関係
「ki67が5%以下なら化学療法は不要で納得ですが、術前の30%では検討が要りませんでしょうか。」
⇒不要です。
「また、両側であることを勘案する必要はありませんでしょうか。」
⇒全く不要です。

「主治医からは、経口抗ガン剤の話しがチラッと出ています。」

⇒全く「意味不明」、不要です。
「田澤先生でしたら、この状況で術後の治療として化学療法を行いますでしょうか。」
⇒1秒も考えません。
 冷静になりましょう。