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手術後 上昇する腫瘍マーカー

[管理番号:8010]
性別:女性
年齢:72歳
病名:乳がん
症状:

2年前に、左乳房を全摘した母の腫瘍マーカーでご相談をお願い致します。

2017年 7月左乳房全摘
広がり4.8センチ、浸潤径1.5センチ、センチネ
ルリンパ節1つ調べて転移なしのステージ1
ルミナールA、ホルモン+、ハーツー-、ki67
10%、核グレード1
2017年 8月よりタモキシフェン ホルモン療法

現在は、乳腺専門クリニックで受診中です。

腫瘍マーカーが、術後継続して上昇しており大変不安です。

2017年9月 CEA 2.1 ca15-3 11.9
2018年2月   2.6    14.3
2018年9月   4.6    16.8
2019年1月   4.8    18.4
2019年4月   4.6    18.4
2019年9月   4.3    19.1
エコーは、2.5ケ月に1回、マンモは、年1回、腫瘍マーカーは、5ケ月に1回しております。

その他、胃ガン.子宮頸がん、体癌、検査を年1回しております。

今年9月の健康診断で肺に影がありとなりCTをとりましたが、肺炎跡とのことでした。

年齢的なものか、腰の痛みがあります。

術後、PETなどの全身検査はしておりません。

タモキシフェンは、狭窄症で腰痛持ち、また、骨粗鬆症を心配して、当時の執刀医と相談しました。

1.マーカーの上昇はどう考えたら良いでしょうか?
2.このまま2.5ケ月ごとの腫瘍マーカー検査だけで良いでしょうか?
3.再発、転移は考えられますでしょうか?

何卒、宜しくお願い致します。

   

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「上昇する腫瘍マーカー」とありますが…

マーカーの推移を見ていると、「唯一気になる場面は 2018年2月のCEA 2.6→9月のCEA 4.6」ここだけです。(他は全く動きがありません。)

これは、私には全くきになりません。

理由① (本当に転移が原因なら)2018年9月の後にジワジワ上昇し続ける筈である。(実際は横ばい/2019年1月をピークに微妙に低下している)
理由② そもそもCEA 4.6自体 正常範囲である
理由③ CA15-3に有意な上昇傾向がない。(25を超えない限り意味ある動きとは捉えません)

もしかすると質問者はCA15-3の極めて微妙な値の上昇を『上昇するマーカー』と捉えているのかもしれませんが、全く違います。(CEAの1の動きとCA15-3の1の動きでは意味が全く異なります)