[管理番号:7575]
性別:女性
年齢:55歳
病名:
症状:
田澤先生、昨年妻が両側乳癌となり手術をしてから、このサイトで勉強させもらっています。
いつも的確で真摯なお答えに敬服しています。
さて質問させて下さい。
経過は6月両側乳癌の診断で、両側部分切除術施行。
左1.6ⅹ1ⅹ0.7cm
核異型スコア2 核分裂スコア1 核グレード1
ER ALLred PS3IS3TS6 PgR Allred PS3IS3TS6
右 1.9×2.8x1cm
Invasive ductal carcinoma papillotublar carcinoma
核異型スコア2 核分裂スコア1 核グレード1
ER Allred PS5 IS3 TS8 PgR Allred PS3 IS2 TS5
Her2 score2
リンパ節転移 4/10(Level1 3/9 Level2 1/1)
Invasive micropapillarycarcinomaのfocus5%
Ki67は術前他院では20-30%、紹介された病院では同じ標本で5%で術後標本では測定していない。
T2pN2M0 Stage3A
8月から1月まで 術後化学療法 AC+PAC施行、2月 放射線治療を終え
3月より ホルモン療法開始。
閉経かどうか不明だったためE2測定し10閉経と判断。
レトロゾール内服中です。
さて3月までCEA2前後で推移していましたが、上昇傾向にあり、また1CTPも上昇。
関節痛もかなり強く、レトロゾールの影響なのか、骨転移なのかとても心配です。
今後どのようにしたらいいでしょうか。
よろしくお願いします。
腫瘍マーカーの推移
術前 3月(術後9ヶ月) 5月(術後11ヶ月) 7月(術後13ヶ月)
CEA 2.1 2 4.5 5.0
CA15-3 11.4 14.4 11.5
1CTP 4.9 5.2 6.1
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「閉経かどうか不明だったためE2測定し10閉経と判断。」「レトロゾール内服中」
⇒化学療法閉経を通常の閉経と考えるのは誤りです。
(通常の閉経とは異なり)化学療法閉経では「アロマターゼ阻害剤」を内服すると
(それが原因で)「月経が回復」することがあります。(それは「良くない」のです)
だから、(私なら)化学療法閉経の場合には「最低2年間」はタモキシフェンとしています。
★55歳という年齢からは(アロマターゼ阻害剤を内服しても)月経回復しないかもしれませんが、理想的とは言いかねます。
「3月までCEA2前後で推移していましたが、上昇傾向にあり、また。」
⇒「1CTPも上昇]とありますが…
この値の変化は単なる「誤差範囲」です。
CEAは(正常範囲内ですが)少し気になります。(ただ、CA15-3の動きが全くないので、どうかな?)
「関節痛もかなり強く、レトロゾールの影響なのか、骨転移なのかとても心配」
⇒これは100%レトロゾールの影響でしょう。
「今後どのようにしたらいいでしょうか。」
⇒私であれば…
タモキシフェンにしますが…
(それは、置いておいて)
腫瘍マーカーの推移は、かなり微妙なので、採血フォローとしますが、(質問者が気になるなら)PET撮影しておくと安心ですね。