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トリプルネガテイブ乳がんの皮下転移

[管理番号:6773]
性別:女性
年齢:40歳
病名:乳がん
症状:遠隔転移(皮下転移?)

お世話になってます。

初発の際もここで質問し、大きな力をいただきました。

2015年にトリプルネガテイブ乳がん (腫瘍直径2.5センチ、リンパ転移1、悪性度3)で全摘手術を受け、AC4回ドキタキセル4回の術後抗がん剤治療を受けました。
この度、術後2年9ヶ月で転移してしまいました。

手術した乳房とは反対側の鎖骨下6センチくらい、乳房の中間くらいに触って硬いしこりがあるのを見つけました。
受診し、細胞診で悪性と診断されました。
(エコーによると直径5ミリ)
主治医は「あまり見たことがない場所。
皮下なのかリンパなのかわからない」とのこと。

以下質問です。

1、これからPETを受けますが、もしほかに転移がない場合手術は可能でしょうか。
もし地元の病院で断られたら、田澤先生にお願いすることは可能でしょうか。

2、以前にプラザのQ&Aで、反対側の鎖骨リンパに転移はほぼないと書かれていたと記憶しますが、乳がんの転移だとしたら、
どのような状態が考えられてますか?

3、原発癌という可能性はありえないのでしょうか。
初発の治療後乳が
んの転移だと確認するには、今回の腫瘍の生検をして、今回の腫瘍の生検と照らし合わすしかないのでしょうか。
実は術後に引越しをしており、今通院しているクリニックには原発癌の組織?がありません。

4 乳がんの転移だとしても、今回のしこりの生検は必要ないのでしょうか。
もし必要なのなら、なおさら早く今回の腫瘍を取ってしまいたいです。
たとえ他の場所にも転移していたとしても、乳がんの性質が変わることもありえるのですよね。

こどもがまだ幼児です。
パニック状態でまとまりのない文章で恐縮ですが、どうぞよろしくお願いします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「1、これからPETを受けますが、もしほかに転移がない場合手術は可能でしょうか。」
→当然です。
 手術できない理由がありません。

「もし地元の病院で断られたら、田澤先生にお願いすることは可能でしょうか。」
→可能です。

「2、以前にプラザのQ&Aで、反対側の鎖骨リンパに転移はほぼないと書かれていたと記憶しますが、乳がんの転移だとしたら、どのような状態が考えられてますか?」
→質問者の勘違いですね?

 鎖骨下リンパ節ではない筈です。(質問者の示した位置や担当医の反応からは鎖骨下リンパ節ではないことは間違いありません)
 実際に診察していないので、それ以上は推測することは不適切です。

「3、原発癌という可能性はありえないのでしょうか。」
→乳腺と連続性があれば(対側乳がんとは無関係の)原発性乳癌となります。

 
「4 乳がんの転移だとしても、今回のしこりの生検は必要ないのでしょうか。」
→生検?

 質問者は勘違いされていますね。
 (細胞診で癌だと診断されたのだから、原発かどうかはどうでもよく)「その腫瘍は手術して摘出(生検ではなく)すべき」です。

 
 

 

質問者様から 【質問2 トリプルネガテイブ乳がん 皮下 遠隔転移(補足)】

性別:女性
年齢:40歳
病名:乳がん 遠隔転移 皮下? 質問補足
症状:乳がん反対側鎖骨下部の遠隔転移

(前回の質問の補足です。
1週間以内の送信になってしまいますがお許しください。)

田澤先生、早速の回答ありがとうございました。
私、一番肝心なしこりの位置の表現がよくなかったかもしれません。

縦方向は体の中心から左寄り約6.5センチ、横方向は左鎖骨の下約5センチ、左乳房の上約5センチの位置です。
ちなみに右乳房は全摘リンパ郭清(レベル2)再建なしです。

主治医は「通常乳腺がある場所ではない、リンパだとしても、あまり見ない場所だし、鎖骨や腋下リンパは何もなっていない。
でもリンパや皮下転移かな?」という判断でした。

上記を踏まえて、前回頂いた1~5の各回答に訂正があれば、教えて頂けますか。

主治医には「場所的に摘出するのは特に難しくないが、転移なら切除しても意味ない」と言われていたので、田澤先生の回答に目から鱗です。

もし手術依頼していただけるなら、秘書様にご連絡して手続きについて伺ったらいいのでしょうか。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「縦方向は体の中心から左寄り約6.5センチ、横方向は左鎖骨の下約5センチ、左乳房の上約5センチの位置」
→乳腺の端から発生した原発乳癌の可能性が高いような印象です。(鎖骨下リンパ節は実際は鎖骨のすぐ裏なので「鎖骨から離れている=鎖骨下リンパ節ではない」と断言できます)

 他の解釈は
 1.悪性リンパ腫(乳腺に他の臓器から転移することは絶対にないですが、悪性リンパ腫だけは「超少ないでが」唯一の例外としてあります)
 2.対側乳癌からの転移(もしも右乳癌が内側にあり皮膚浸潤が著明だった場合に、非常に珍しいですが起こることがあります)

 上記となります。
 
 

「主治医には「場所的に摘出するのは特に難しくないが、転移なら切除しても意味ない」と言われていた」
→こんなことを言うようでは、経験豊富な臨床家とは言えません。(様々なケースを知っていれば「原則論」だけでは正しい治療とはならないことに自ずと気付くのです)

 万が一(右が内側の腫瘍であり)皮下リンパ管を通っての転移だとしても(その可能性はかなり低いですが)、3年間で「そこだけ」なら十分に手術に根治性があるし、
 万が一悪性リンパ腫なら(細胞診しかしていないなら、その可能性は完全には否定できません)、確定診断や病型を知るためにも摘出がベターです。

 そして原発ならば当然根治治療となるのです。

「もし手術依頼していただけるなら、秘書様にご連絡して手続きについて伺ったらいいのでしょうか。」
→その通りです。
 秘書メールしてください。


秘書室へメールは、
各ページの右上にある 「秘書室へメール」からご相談ください。
もしくは、こちらのリンクをクリックしてください。

 
 

 
 

 

質問者様から 【質問3 乳がんの皮下転移疑い】

性別:女性
年齢:41歳
病名:乳がん
症状:乳がんの皮下転移疑い

この度は、来週診察の予約を取らせていただき、ありがとうございます。
田澤先生に見ていただくのを拠り所にしています。

PET結果が出たのでご報告です。

??例の箇所(鎖骨の下)は光ってた
??肺のリンパ節が光っていた
??その他所見なし
との結果でした。
「肺のリンパ節と鎖骨下の悪性のしこりと、合わせて転移の可能性が高い。
鎖骨の下のしこりを検出して病理を出してもいいだろう」とのことでした。
この場合、局部麻酔の日帰り手術で、病理結果によってもし原発なら再手術、転移性と確認できたら化学療法を開始するという流れだそうです。
肺のリンパは経過観察か化学療法で変化をみるとのことです。

① 田澤先生も、しこりの検出は最小限で原発と判断されたら再手術という手法が適切と思われますか?個人的には、再手術の可能性があるなら最初から大きめにとってほしいと考えてしまうのですが…。

②肺のリンパ節の集積反応は、転移の可能性が高いと思われますか。

③検出したしこりの病理で、原発か転移性がはっきりするのでしょうか。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。

「① 田澤先生も、しこりの検出は最小限で原発と判断されたら再手術という手法が適切と思われますか?個人的には、再手術の可能性があるなら最初から大きめにとってほしいと考えてしまうのですが…。」
→馬鹿げている(失礼しました)

 癌と解っているのだから「原発だと根治性もあるから大きめにとる」
「転移性なら根治性は無いから残してもよい」みたいな区別をする必要は全くありません。
 どちらにしても(身体の負担にそれほど関係ないのだから)「きちんと切除すべき=最初から再手術の可能性のないようにすべき」です。

「②肺のリンパ節の集積反応は、転移の可能性が高いと思われますか。」
→これはさすがにPET見ていないので判断しようがありませんが…
 その可能性はありそうです。
 ただし、全身で「そこだけ」なら、術後トモセラピーできちんと照射することで
「根治も可能(必ず根治するという意味ではありません)」長期維持の先に根治も見えてくるのです。(それを転移=最初から根治は無理みたいな姿勢は私には理解できません)

「③検出したしこりの病理で、原発か転移性がはっきりするのでしょうか。」
→ある程度解るとは思いますが(もしもリンパ腫なら当然解ります)、絶対ではありません。(ただし、乳癌は対側に転移することは絶対にありません)
 そして、それは(その担当医の言うほどには)「ものすごく重要」だとは(私は)思いません。