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トリプルネガティブ

[管理番号:1060]
性別:女性
年齢:50歳
 
 

質問者様の別の質問

質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。
質問者様の別の質問は下記をクリックしてください。
管理番号:939「しこりの痛み

 
 
先生、先日は2回目の質問までご回答くださり、ありがとうございます。
先日左側しこり部分での細胞診でクラスⅤ判定され、不安な日を送りましたが、ようやく大きな病院(ガンセンター)で初診していただきました。
所見では、 左側の腫瘤部分は、乳管まで伸び、まるでおたまじゃくしのようなもので、大きさ(長さ)は4,8㎝でした。同側の脇の下のリンパ節に転移が見られるのと、右側の乳房に
怪しいものが見えますとのことでした。
その日のうちに左腫瘤部分の針生検、リンパ節と右側の怪しい部分の2か所は細胞診検査を
していただきました。
そして後日、MRI,胸部CT,骨シンチなどひと通りの検査をしていただき初診日から約1週間後にステージと今後の治療法をお話しいただきました。
ステージ2b、トリプルネガティブ乳癌で、今後の治療法としては最短で約5か月間の抗がん剤投与、その間効果があれば後に手術(温存手術も期待あり)でした。右側は転移なしでした。
問題点は、血液検査でB型肝炎の保菌者?であるので(思い当たるとすれば21歳のころの輸血経験ありでした)もし今静かに潜んでいて活発化してなくても抗がん剤を投与すると眠っていたものが活発になり劇症肝炎を引き起こすこともありますので、もう一度採血をとり、今後の治療も肝炎も併用しながらの治療になりますと説明がありました。
トリプルネガティブ乳癌とはとても悪質なものなのでしょうか。
人によって抗がん剤の効くものか、まったく効果のないものか、とても不安ですし、
B型肝炎であることもとても不安です。
自分の体もですが、もし21歳のころの輸血が原因ならば、そのあと妊娠し、出産した娘にも
母子感染しているのでは?
もしくは子供のころの集団予防接種が原因?とか、癌だけではない不安や心配があります。
乳癌になったことでB型肝炎であることも初めて知った次第です。
40歳の頃に子宮内膜症の疑いによる腹腔鏡下手術をしたことがありますが、術前検査で採血の際、今回のようなB型肝炎であるかの検査は有るものでしょうか。
もし輸血など40歳までのことが原因であったのならその時期にわかるはずですよね。
何だかそんなことまでが不安になり、子供や、主人、また家族までが感染していないか不安になります。
抗がん剤投与の詳しい説明などは数日後に腫瘍内科にて説明していただく流れになるのですが、現時点でとても不安です。
長々と申し訳ありません、お忙しいと思いますがご回答していただければと願います。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 最近特に「術前抗がん剤を選択」している方がこのQandAで増えていることを感じています。
 質問者は「小さくして温存」したいのでしょうか?
 それとも(これが実際のところだと思いますが)「トリプルネガティブだから、どうせ抗がん剤をするのだから、薬の効果も解るので術前に行いましょう」と言われたのでしょうか?
 (術前抗がん剤を行う事で)『薬剤の効果の程度が判明しても、薬剤の変更ができない』ことについては QandAの「1057 遺伝性乳癌について」でもコメントしていますので一度見てください。

回答

「血液検査でB型肝炎の保菌者?」
⇒「B型肝炎のキャリアー」ということです。
 この場合はDNA量を調べながら、「劇症化しないように」行われなくてはなりません。
 
「トリプルネガティブ乳癌とはとても悪質なものなのでしょうか」
⇒そんなことはありません。
 同じステージ同士で比べれば「サブタイプによって、いくらかは差がでる」でしょう。
 但し、サブタイプは「治療法の選択のため」に存在する分類と考えてください。
 決して「予後と関連付ける」のは辞めましょう。
 
「人によって抗がん剤の効くものか、まったく効果のないものか、とても不安」
⇒その通りです。
 抗がん剤が「効かない」場合のことに「細心の注意」が必要です。
 「効かない場合」には「腫瘍を体内に放置」と同然の状況になります。
 ○決して「抗がん剤は必ず効くもの」との前提を持つべきではありません。
 
●術前抗がん剤をするならば、「必ず頻回の超音波によるチェック」をしてもらってください。
 「頻回(3週間に1回程度)のチェックなし」での「術前抗がん剤」など『とても危ない治療』だということを明記しておきます。