[管理番号:5660]
性別:女性
年齢:50歳
初めて質問をさせて頂きます。
よろしくお願い致します。
50歳の母なのですが、
8ミリの浸潤の乳がんが見つかり
10月上旬に手術しました。
その際は部分切除で、温存ということでした。
その後、切除したものを検査したところ
「胸いっぱいに非浸潤がんが有り、次は全摘の手術、抗ガン剤治療をすることになった」とのことです。
手術は11月中に行われます。
持病の膠原病との兼ね合いで珍しい症例だったとも言われたようで…
非浸潤なので転移はしないのでしょうか?
また、トリプルネガティブと言われたそうなのですが、これは切除した8ミリの浸潤癌がトリプルネガティブだったということでしょうか?
これから切除する、全体に広がっている非浸潤癌の方もトリプルネガティブということになってしまうのでしょうか?
トリプルネガティブでも、全摘して抗ガン剤治療をすれば根治を望めるのでしょうか?
トリプルネガティブは再発転移しやすいということが不安で…
先生はどう思われますか??色々質問をしてしまって、申し訳ありません。
よろしくお願い致します。
以下、資料に書かれていたことです。
T1 NOMO
病理診断
stage1
腫瘍径 8mm×7mm×15mm
組織型 浸潤性乳管癌(硬癌)+ 扁平上皮癌
Nuclear grade 3
トリプルネガティブ
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
物事はシンプルに整理しましょう。
今回の場合は
1.癌の拡がりが広い⇒(再手術として)全摘が必要
2.トリプルネガティブ⇒抗癌剤が必要
♯ただし、NCCNのガイドラインでは浸潤径1cm以下は化学療法を「考慮する」に留まっています。
「非浸潤なので転移はしないのでしょうか?」
⇒非浸潤癌は転移しませんが…
8mmの浸潤癌だから「転移する可能性は(十分に低いが)ゼロではない」ということです。
「また、トリプルネガティブと言われたそうなのですが、これは切除した8ミリの浸潤癌がトリプルネガティブだったということでしょうか?」
⇒勿論!
「これから切除する、全体に広がっている非浸潤癌の方もトリプルネガティブということになってしまうのでしょうか?」
⇒違います。
そもそも非浸潤癌でサブタイプを調べる事自体ナンセンスです。
「トリプルネガティブでも、全摘して抗ガン剤治療をすれば根治を望めるのでしょうか?」
⇒????
トリプルネガティブを悪者にするのは止めましょう。
あくまでも「早期癌」
圧倒的に根治する確率が高いです。
♯治療法はサブタイプで決まり、予後はステージで決まるのです。
「トリプルネガティブは再発転移しやすいということが不安で…」
⇒全くの誤った理解です。
サブタイプは治療法のためにあるのです。