乳がんは早期発見、早期治療を目指しましょう。乳がん手術は江戸川病院|乳がんプラザ



[管理番号:3636]
性別:女性
年齢:46歳
初めまして。
お忙しい中、大変失礼致します。
私の妻なのですが、先月一般の人間ドックの胸部X線で異常陰影が
見つかり、生検の結果、13年前の乳癌由来の胸壁転移再発との診断を受けました。
<乳癌初発~転移再発までの経過>
・13年前(2003年)に右胸部に乳癌(乳頭線管癌)が見つかる
【当時の病理検査結果】
 腫瘍サイズ4.5x4x1.4cm
 ER(++)
 PgR(++)
 HER2/neu: HercepTest(Score 0)、強陽性及び中等度陽性は0%、弱陽性5%
【当時の治療内容】
 ・術前化学療法(CEF x4クール、タキソテール x4クール)
 ・右乳房温存手術
 ・放射線療法(33グレイ)
 ・ホルモン療法(5年間)
 また、手術時に同時に実施したセンチネルリンパ節生検でリンパ節
転移は見つからなかった(0/1: 8x5x3mm 4分割)ためリンパ節
郭清はしていない。
 
・その後、当該病院での定期健診を2013年まで毎年受け、特に異常は
見つからず。
 10年の区切りがついたという事で卒業と言われ、以降は、年1回の
一般人間ドックを受診し、昨年(2015年)までは同様に特に異常は
見つからず。
・今年(2016年)8月に受診した人間ドックの胸部X線検査で異常陰影
が見つかる。
その後MRI、造影CT、PET/CTを実施。
 PET/CTにて右前胸壁下に付着するFDG集積亢進(SUVmax=8.1)を
伴う腫瘤(4.2x2cm)が認められる。
 それ以外の部位への転移は認められず、また、有意なリンパ節腫大、
胸腹水も認められず。
・その後、初発時治療の病院にて、横紋筋を含む胸壁組織のエコー
ガイド下生検を実施。
 その生検の結果、結合組織-横紋筋内に
浸潤性に増殖を生じる腫瘍で、13年前の乳癌に由来する乳癌右胸壁
転移との診断が下る。
【今回の生検結果】
ER: All red PS0 IS0 TS0
  PgR: All red PS0 IS0 TS0
  HER2: score 1、 強陽性及び中等度陽性は0%、弱陽性は10%
  AE1/AE3、CK7、GATA3+、GCDFP15が+(他に、肺癌に由来する
ようなTTF-1等も調べられたようですがそれらは全て-)、
Kiー67(MIB-1)は49%
 
初発の時はホルモン感受性は多少あるとの事でホルモン療法も受けたのですが、今回の担当医師(13年前当時の担当医は既に不在)曰く、
当時とは測定の方法が異なる部分もある?ので何とも確定的な事は言えないが、少なくとも今回の生検結果ではトリプルネガティブとの診断でした。
そのため今後の治療の選択肢としては、抗ガン剤のみであるとのこと。
(第1選択肢としてはまずナブパクリタキセルが提示されています)
上記のような経緯及び診断に基づいて、以下質問をさせて頂きます。
(質問1)
田澤先生の見立てでも、(上記の情報だけでは確定的な判断はできないかもしれませんが)やはりこれは13年前の乳癌由来の遠隔転移再発であり、残念ながら根治は期待できない、という所見になるのでしょうか?
(質問2)
その場合、トリプルネガティブという生検結果のため、選択肢としてはやはり抗ガン剤のみ、となってしまうのでしょうか?
(質問3)
免疫チェックポイント阻害剤(抗PD-1/抗PD-L1抗体薬)による治療(抗ガン剤又はNK・T細胞療法との併用)も模索をしているのですが、
これについても出来ましたら2点ご意見を賜れればと思います。
3-1: 抗ガン剤と免疫チェックポイント阻害剤の併用を考えた場合、
   「治療初期段から併用」をした場合と「まずは抗ガン剤のみを
   実施し、その後(その抗ガン剤の効果が芳しくない場合等)に
   免疫チェックポイント阻害剤の併用を開始」した場合、
   期待できる治療効果には差異があるものでしょうか?
3-2: 免疫チェックポイント阻害剤の投与量・回数、期間について、
   現時点で適正ではないか、と想定されている投与量や回数、
   期間はあるのでしょうか?
  
   ※質問の背景ですが、自由診療で当該阻害剤が受けられる
    クリニックでは殆どが1回当りの投与量が20~25mgで
    1クール(5回程度)と書かれているのですが、(これは
    誤った情報で単に私の誤解であれば申し訳ないのですが)
    米国FDA等の発表では効果が見られた投与量の桁が違う
    (1000mg以上)ような情報も見まして、実際にはそのような
    少量でも効果が期待できると考えられているのか、それとも
    そうではなく(効果はさておき)自由診療のため単に1回当り
    の単価を抑えるために少量の投与量にしているだけなのか、
    という疑問がありお伺いしております。
なお、免疫チェックポイント阻害剤を使用したい場合、日本ではまだ未承認であり、基本的に自由診療(トリプルネガティブの場合、運がよければ治験参加の道もある)となるという理解でおります。
(質問4)
前述のとおり、現時点では右胸壁以外の部位への転移は見当たっていないため、貴院で既に実施されているトモセラピー及び(現在はまだ準備段階もしれませんが)BNCTについても模索をしているのですが、13年前の初発治療時に右乳房に放射線治療を実施しているような場合は、やはり適用対象外となってしまうのでしょうか?
※これについては、当該病院でトモセラピーが受けられる可能性に
 ついて聞いてみたところ、詳しくは放射線科に確認してみないと
 分からないが、右乳房と右胸壁では照射部位が重複してしまう
 可能性が高いので多分無理でしょう、とは聞いておりますが、
 当該病院にはトモセラピーの施設が無いので、実際にトモセラピー
 やBNCTの設備をお持ちの貴院にあらためてお伺いした次第です。
質問事項が多く大変申し訳ございません。
(初発ではそういう認識ではなかったのですが)今回トリプルネガティブと言われ、何とか少しでも妻の治療の選択肢を模索したく、田澤先生のご見識やご意見を賜れますと幸いです。
以上、どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
文面は読みました。
キーポイントは2点
①右乳房温存術を施行後の右胸壁再発ということですが、その温存乳房との位置関係
②手術的に切除できないのか?
温存乳房との位置関係が不明ですが、普通に考えれば(遠隔転移再発ではなく)純粋な局所再発と思えます。(温存乳房との位置があまりに遠すぎる場合には、話は別ですが…)
つまり、「局所再発であれば(全身に遠隔転移病巣が無いようですし)局所療法がどこまでできるかの?」がポイントとなるのです。
⇒「手術的に完全に摘出できる」のであれば、根治は十分狙えます。
「横紋筋を含む胸壁組織のエコー ガイド下生検を実施」とありますので、少なくとも「(危なくて針が刺せない様な)奥深い部位ではない」ことが解ります。(もしかして、一部は奥深くまで拡がっているのかもしれませんが…)
 それであれば、たとえ「現時点では奥深い部位があり(残すことなく)完全に切除することは不可能」だとしても、抗ガン剤(この場合選択すべきはbevacizumab+PTXでしょう)を行う事で縮小させ「完全切除」することで治癒せしめることが期待できます。
「第1選択肢としてはまずナブパクリタキセルが提示されています」
⇒私は賛成しません。
 ターニングポイントです。
 これは(完全切除にむけて)最強(効果が期待できる)で最良(副作用が酷くない)の治療である『bevacizumab+PTXの出番』です。
「13年前の乳癌由来の遠隔転移再発であり、残念ながら根治は期待できない、という所見になるのでしょうか?」
⇒(少なくとも)文面からは「局所再発」と考えます。
 上記コメント通り「根治を狙うべき」状況と思います。
「トリプルネガティブという生検結果のため、選択肢としてはやはり抗ガン剤のみ、となってしまうのでしょうか?」
⇒あくまでも「局所療法」が主役です。
 それで「取り残しが出る」ような状況ならば、「術前化学療法として最強で最良の治療」を行うということなのです。
「免疫チェックポイント阻害剤(抗PD-1/抗PD-L1抗体薬)による治療(抗ガン剤又はNK・T細胞療法との併用)も模索をしているのですが、これについても出来ましたら2点ご意見を賜れればと思います。」
⇒データの蓄積が不十分です。
 このような未承認薬剤は「現時点で最良の治療が無い場合」の選択肢に留めるべきです。
「13年前の初発治療時に右乳房に放射線治療を実施しているような場合は、やはり適用対象外となってしまうのでしょうか?」
⇒局所療法としての「放射線照射」は選択肢の一つです。
 ただし、照射録を確認しなくてはなりませんが、「照射野が重なるリスク」がありそうです。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

大変お忙しい中、早速のご回答を頂き、ありがとうございました。
(# 1週間以内の再質問で大変申し訳ありません。)
これは(やはり)遠隔転移再発ではなく、局所再発で手術適応で根治を目指せる可能性があるかもしれないのですね。
この点(手術適応)については、現在掛かっている病院では転移再発という診断ですぐに腫瘍内科へ回され、(私も腫瘍内科との話には途中
から同席したのですが)PET/CTでも他には転移の所見は見られない
との結果だったので、(これは遠隔転移再発ではなく局所再発という可能性は無いのか?と思って)腫瘍内科の先生に「手術(+化学療法)」
の可能性について聞いてはみたのですが「転移再発の場合は手術は意味が無い(QOLが下がるだけ)」とさらっと言われてしまっていました。
局所再発ではなく遠隔転移再発と診断された理由は明確に説明はしてもらえず(最初から"転移再発で化学療法が選択肢"という感じでした)、
私たちも、初発時が(完全切除術ではなく)温存術だった場合は胸壁
への再発は局所再発ではない(説明するまでもなく遠隔転移再発)という
事なのかとも思って、それ以上は診断理由を詳しくは聞けず、正直納得がいかない部分もありながらも診断結果を飲み込んでいた次第です。
[追加質問]
手術により根治を目指せる可能性があるのであれば、もちろん第一選択肢として検討したいと考えており、田澤先生に急ぎ(※)現在手元で持っているデータも持参して一度診て頂きたいのですが、紹介状が無い状態でも診察ご対応頂く事は可能でしょうか?
※背景として、現在の病院で10月第2週の前半から化学療法開始の
予定で既にスケジュールが組まれてしまっているのと、そもそも
紹介状の依頼~作成が間に合うのかを非常に心配しております。
なお、現在手元に持っているデータとしては以下のものがあります。
・造影CT、PET/CTの画像データ
・造影CT、PET/CTの検査結果報告書
・エコーガイド下生検の検査結果報告書(13年前の病理検査結果の
データも記載有)
 ※申し訳ありませんが病理プレパラートは持っていません。
本当にお忙しい中申し訳ありませんが、ご回答頂けますと幸いです。
以上、どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
実際の画像所見を見ないと解りませんが、(頭の硬い)腫瘍内科医には「再発には、
局所再発と遠隔転移再発があり、その治療法は異なる」という概念が無い事は想像が付きます。
「これは(やはり)遠隔転移再発ではなく、局所再発で手術適応で根治を目指せる可能性があるかもしれないのですね。」
⇒実際の画像を見ていないので確定な事はいえません。
 ただし、そのような「見方」はすべきです。
 針生検ができたことは(今すぐ摘出できるのかは別として)「アプローチが可能」だということを示しています。
「現在手元で持っているデータも持参して一度診て頂きたいのですが、紹介状が無い状態でも診察ご対応頂く事は可能でしょうか?」
⇒可能です。
 重要なことは(そんな腫瘍内科医の意見などではなく)「ご本人の診察(腫瘍へのアプローチ、部位)」と「画像所見(胸壁とは、肋骨までなのか、胸膜までなのか、それとも筋層までなのか?)」です。
「・造影CT、PET/CTの画像データ・造影CT、PET/CTの検査結果報告書・エコーガイド下生検の検査結果報告書(13年前の病理検査結果の データも記載有)」
⇒十分です。
 PETは全身検索的な意味しかなく、実際は「造影CTが重要」となります。





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