Site Overlay

トリプルネガティブの術後化学療法

[管理番号:1568]
性別:女性
年齢:38歳
 
 

質問者様の別の質問

質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。
質問者様の別の質問は下記をクリックしてください。
管理番号:1529「トリプルネガティブの手術後化学療法(抗がん剤)について

 
 
田澤先生
丁寧なご回答をありがとうございました。心が落ち着きました。聞きかじった知識で誤
解をしていることが多く、お恥ずかしい限りです。
トリプルネガティブの予後の悪さ、再発後の進行の早さなどの記事をみてかなり動揺が
大きかったところ、少し冷静になれた気がします。
いろいろなことを勘案して、手術先行(全摘同時再建)に決めました。病理検査結果は
手術の6週間後、その後の抗がん剤投与決定になると説明を受けています。
続いての質問をさせてください。
① ガイドラインにより使う抗がん剤は決まっているのに、病理検査の結果を待つ必要
性があるのでしょうか。針生検によって得られた結果より詳細がわかる可能性があると
いうことでしょうか。またそれによって抗がん剤の種類が変更になることがあるという
ことでしょうか。
② ①と関連するかもしれませんが、使用する抗がん剤について、本にはトリプルネガ
ティブによく聞く治療はFEC、FEC+Tとありました。私が受けると聞いているア
ンクラサイクリン+タキサンは、AC+Tと呼ばれるものという理解でいいのでしょう
か。これらの方針の違いは、病院の違いによるものなのでしょうか。
 
③ 他の病院では手術後4週間くらいで病理結果+抗がん剤治療開始くらいのスケジュ
ールが多いように感じます。私の場合、術後6週間が年末になるので、抗がん剤治療は
おそらく年始、つまり8週間は経つことになります。期間が空きすぎのような気がしま
すが、いかがでしょうか。手術の際、リンパ転移の数が多いようであれば、前倒しで抗
がん剤治療を始めるとは聞いていますが、基本的には、はじめるのは早い方がいいのでしょうか。
長々失礼いたしました。よろしくおねがいいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
手術先行にしたのですね。
正しい判断と思います。

回答

「ガイドラインにより使う抗がん剤は決まっているのに、病理検査の結果を待つ必要
性があるのでしょうか」
⇒確認するためです。
 私が「大事にしていること」は「最大浸潤径」です。
 これは、「手術標本」でなければ決して解らないことなのです。
 
「針生検によって得られた結果より詳細がわかる可能性があるということでしょうか」
⇒病変全体の病理で変更になる点として「核グレードや脈管侵襲など」多数あります
が、「最大の関心事」は「最大浸潤径」です。
 そもそも、「最大浸潤径」が5mm以下ならば「化学療法の適応外」と言えます。
 
「またそれによって抗がん剤の種類が変更になることがあるということでしょうか」
⇒「抗がん剤の種類」は変わりません。
 ただ、「最大浸潤径」によっては「抗がん剤の適応自体」が無くなる可能性があるのです。
 ○私自身が、この半年でそのような経験を2例しています。
  お二人とも「HER2陽性」であり、「触知する腫瘍」で、「針生検で浸潤癌」でした。
  「術後の抗HER2療法」についてお話を予めしていたのですが、お二人とも手術標本では「微小浸潤」という結果となり「抗HER2療法は中止」となっています。
 
「①と関連するかもしれませんが、使用する抗がん剤について、本にはトリプルネガ
ティブによく聞く治療はFEC、FEC+Tとありました」
⇒「微妙に」誤りです。
 トリプルネガティブには「アンスラサイクリン+タキサン」が正解です。
 ・アンスラサイクリンには『アドリアマイシン(A)』と『エピルビシン(E)』の2
薬剤
 ・タキサン(T)には『ドセタキセル(DTX)』と『パクリタキセル(PTX)』の2薬剤
 実際には(アンスラサイクリンにエンドキサン:Cを加え)この組み合わせで AC+DTX, AC+PTX, EC+DTX, EC+PTX となります。
  ○FECはECに更に5Fu(F)を加えたもので、歴史的にスタンダードだったのですが、AC(4回)がFEC(6回)と同等(NSABP B-36結果)によりやや下火となっています(今でも、使っている施設は多いですが…)
 
「私が受けると聞いているアンスラサイクリン+タキサンは、AC+Tと呼ばれるも
のという理解でいいのでしょうか」
⇒上記コメント通り、「様々な組み合わせ」があります。
 
「これらの方針の違いは、病院の違いによるものなのでしょうか」
⇒病院というより、「医師の違い」によるものです。
 
「おそらく年始、つまり8週間は経つことになります。期間が空きすぎのような気が
しますが、いかがでしょうか」
⇒全く問題ありません。
 術後化学療法は「再発予防」です。
 「急を要するものでは無い」のです。
 ♯このあたりの「安心感」が(腫瘍を体に置いたまま行う治療である)「術前化学療法との大きな違い」です。
 
「手術の際、リンパ転移の数が多いようであれば、前倒しで抗がん剤治療を始めると
は聞いていますが、基本的には、はじめるのは早い方がいいのでしょうか」
⇒「リンパ節転移の個数」など全く考慮する必要はありません。
 リンパ節は「手術で摘出」するのですから、「前倒し」など不要であり、8週間後で十分です。

質問者を『応援しています!』 / 田澤先生の回答が『参考になりました!』
という方はクリックしてください。
3+
江戸川病院 乳腺外科 東京都江戸川区東小岩2-24-18 電話03-3673-1221
Copyright © 2020 乳がんプラザ. All Rights Reserved.
Scroll Up