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トリプルネガティブについて

[管理番号:1260]
性別:女性
年齢:53歳
 
 

質問者様の別の質問

質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。
質問者様の別の質問は下記をクリックしてください。
管理番号:1499「手術から約1年

 
 
Q&A再開ありがとうございます!
心待ちにしていた方がどれだけいたでしょう?…と言う私もその1人です。
お休み中Q&Aを始めから読み返したり、乳がんについての説明を読んだりしていました。
質問には自分に当てはまる不安要素の解決策や治療の方向などわかって本当に助かっています。
回答を読んでは『本当に先生はすごい!』(医師としての技術はもちろんですが人間として)と再確認もしてしまいました。(生意気な発言だったらすみません!!!)
それでふと思ったのですが
質問の後、最終的な結果がないのがなんとなくすっきりしない時があります。
もしかすると先生の所には行ってるけど、何かの判断で書かれていないこともあるのでしょうか?
ちなみに私も『937:反対側の腕の浮腫み』で質問させていただきました。
遅くなりましたが今の状況を、回答していただいた先生にも報告しておきたいと思います。
手術と反対側の腕のむくみですが
どうやらポートが原因だったのではないかとなりました。
ポートを外した後、本当に少しずつですがむくみが取れてきました。
ポートを外す手術をしてくれた先生にその場で聞いたら『ポートが原因って事あるよ』と言われ
乳腺外科の先生も、『ポートで流れが悪くなっていたのかもしれないね。戻るまでちょっと時間かかるかもしれないけど…またひどくなるようなら血栓の検査しよう』と言うことで落ち着きました。
ありがとうございました。
それで今回の質問です。(上記の結果は必要なかったら割愛してください)
Q&Aのお休み中にサイトの説明を読み返していた時に見たものですが
トリプルネガティブの再発時の平均余命は9か月となっていました。
私はもちろん最善の治療(以下状況)
トリプルネガティブ
センチネルにてリンパ転移なし
大きさ(浸潤型)1.7センチ
範囲2.6センチ
核異型度3/3
組織異形度3/3
リンパ管・脈管浸潤あり
Ki67 87.7%
全摘→AC(4回)→Weekly PTX(12回)で先生に太鼓判を押していただいたので
後は神のみぞ知るって感じでいますが、治療法がないと言うことと増殖が早いと言うことでその余命が出てきてしまうのでしょうか?
乳腺内科の先生も『10人に1人ぐらい(うろ覚えですが)は抗がん剤が効かない人もいるけど、効かなくても再発しない人はいるし…こればかりは時間がたたないとわからないから、もうこれで会うことが無いといいね』と言われ、私も『2度と来ないと思う(再発しない)ので本当にさようなら!』と言って最後の治療を終えました。^^;
こんな質問をすると心配性の方は不安になってしまうかな?とも思ったのですが
9か月と言うのがちょっと気になったので質問させていただきました。
また、BRCA2変異とわかっていて
あまり神経質になる必要はないと前に回答いただきましたが
(これは先生の専門とちょっとずれるかもしれませんが)
卵巣がんについてはかなり発症がわかりづらいとの事
(症状が出たときはかなり進行している)
先生がお分かりになる範囲でかまいませんので
注意する症状や乳がんの早期発見の為のマンモのような受けておいた方がいい検査はあるのでしょうか?(子宮がん検診はありますが、卵巣がん検診はないですよね)
それともう1点
年1度のマンモグラフィーで石灰化があった場合
ステレオガイド下マンモトーム生検はカテゴリー3以上からで大丈夫でしょうか?
よろしくお願いします。
(急ぎませんので急を要する質問を先に回答してください)
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「手術と反対側の腕のむくみですがどうやらポートが原因だったのではないかとなりました。ポートを外した後、本当に少しずつですがむくみが取れてきました」
⇒ポートですか!
 抗がん剤終了後、基本的に「速やかに抜去」しているのですが、私の経験では「ポートが入っていることで対側のむくみ」となっていたことはありませんでした。
 そもそも「対側が浮腫む」事自体、極めてまれなことだとは思います。

回答

「質問の後、最終的な結果がないのがなんとなくすっきりしない時があります。もしかすると先生の所には行ってるけど、何かの判断で書かれていないこともあるのでしょうか?」
⇒QandAで返答があった場合には「今まで、非公開とした」事は実は一度もありません。全例回答を是としています。(今後、不適切なものがあれば非公開とすることも有るかもしれませんが…)
 ただ、そのまま当院を受診されると
 当院で診断⇒治療の流れとなり、結果「QandA」に出てこないことが多くなります。
 その後の質問などは、「別のルート(小平秘書へのメール)となる」ことが多いのですが、中には「敢えてQandAを選択」していただいて「多くの人の参考になるように」との配慮される方もいらっしゃいます。
 
「治療法がないと言うことと増殖が早いと言うことでその余命が出てきてしまうのでしょうか?」
⇒勘違いしないで欲しい事は「トリプルネガティブの全て」が「効く治療が無い」とか「増殖が速い」わけではないという事です。
 あらゆるサブタイプで「術後補助療法としてホルモン療法や抗がん剤(HER2タイプならハーセプチンも)」を行います。
 トリプルネガティブでも「抗がん剤をしますが、効くものも沢山あります」
 そして、結局「それらの補助療法が効かなかった人」が其々のサブタイプから、ある一定の割合で再発します。
 再発した人達は、「術後補助療法とは別の治療」を行うことになります。
 ・ルミナールタイプ:ホルモン療法を変更することにより長期予後が期待できます。
 ・HER2タイプ:ハーセプチンとの組み合わせを変えたりpertuzumabなどへ変更したりします。
 ・トリプルネガティブでは「補助療法としての化学療法(アンスラタキサン)が効かなかった」わけですから、「それ以外の化学療法」を行うわけですが、やはり「効果が悪い」のです。それで「再発した後の余命も短い」のです。
 ○トリプルネガティブ全体が「再発しやすい」とか「再発したら進行が早い」わけではなく、(結果として、補助療法として用いたアンスラタキサンが効かなかった)トリプルネガティブには「有効な治療法がない」のです。
 
「注意する症状や乳がんの早期発見の為のマンモのような受けておいた方がいい検査はあるのでしょうか?(子宮がん検診はありますが、卵巣がん検診はないですよね)」
⇒NCCNのガイドラインでは「リスク低減手術と半年に1回の経膣超音波検査及び腫瘍マーカー採血」があります。
 ただし、日本では「乳癌でも、そうですが」リスク低減手術は保険適応ではありません。
 現実的には「経膣超音波や採血腫瘍マーカー」でしょう。