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トリプルネガティブ治療方法について

[管理番号:8650]
性別:女性
年齢:48歳
病名:乳癌
症状:胸のしこり
投稿日:2020年6月18日

5月下旬、左胸のしこりで診察を受け、マンモグラフィとエコーでは、穿刺吸引式細胞診で乳癌と診断されました。

紹介された総合病院にて、マンモグラフィ、エコー、CTと針生検を行いステージ2aの乳癌でありトリプルネガティブと診断されました。

腫瘍の大きさは触診で3.5センチ位です。
(5月下旬より大きくなっています)
術前に化学療法で治療を開始する事で、小さくなるようであれば温存も出来る場合もあります。
と説明されました。

温存出来るという言葉に気持ちが傾いたのですが、この大きさであれば、術後の治療や再発、転移全てのリスクを考えた場合、全摘が最善なのでは?と悩んでいます。

現状の大きさでは温存はしない方が良いのでしょうか?
術前の化学療法なしで全摘した方が明らかに予後は良いのでしょうか?
先生のアドバイスを頂ければ助かります。

地方ですが、先生に診療して頂けたらとも考えています。

どうぞ宜しくお願い致します。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

内容は了解しました。
重要な事実を如何に挙げます。(それに照らし合わせて行けば、自ずと「自らの進むべき道」が解る事と思います。

1.抗がん剤は術前に行っても術後に行っても(生命)予後は変わらない。
2.トリプルネガティブでは(生命)予後の改善のために抗がん剤は必須である。
3.温存して放射線をかけた場合は、局所再発(この場合は温存乳房内再発)は5%程度であるが、全摘した場合の局所再発は「ほぼ0%」である。
4.温存しても全摘しても(生命)予後は変わらない。(たとえ温存して局所再発しても、その時点で全摘すれば生命予後は変わらないから)

以上をまずはご理解ください。

「術前に化学療法で治療を開始する事で、小さくなるようであれば
温存も出来る場合もあります」

⇒(化学療法は術前にやっても、術後にやっても)生命予後が変わらない以上、術前に化学療法をする意義は「まさにコレ(小さくして温存を狙う)」だけです。

「術後の治療や再発、転移全てのリスクを考えた場合、全摘が最善なのでは?と悩んでいます。」
⇒用語をしっかり区別しましょう。

 再発ではなく「局所再発」、転移ではなく「遠隔転移再発」という用語にすると解りやすい。

 局所再発にていては「上記3」を、遠隔転移再発については「上記1及び4」を参照して、よく理解してください。

「現状の大きさでは温存はしない方が良いのでしょうか?」
⇒温存したいのであれば…

 (抗がん剤が必ずしも効くとは限らないことを承知したうえで)術前化学療法にトライしてみましょう。(温存に拘らないのであれば、術前化学療法は無意味)

「術前の化学療法なしで全摘した方が明らかに予後は良いのでしょうか?」
⇒「上記1のように」生命予後は変わりません。

「先生のアドバイスを頂ければ助かります。」
⇒シンプルに考えましょう。

 「温存にトライ」したいなら、術前化学療法すればいいし、「温存に拘らない」のであれば手術先行すればいいのです。

「地方ですが、先生に診療して頂けたらとも考えています。」
⇒その場合には手術相談メールしてみてください。

「手術相談」メールはこちらをクリックしてください。

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

トリプルネガティブ病理検査結果と再発率
性別:女性
年齢:49歳
病名:浸潤性乳管癌
症状:
投稿日:2021年1月28日

半年前治療を始める時に質問させて頂き、大変お世話になりました。
この度もどうぞ宜しくお願い致します。

2020年6月に左トリプルネガティブ乳癌 3.5センチのしこりで、リンパ節転移なし、ステージ2aと診断されました。

2020年7月から温存するために術前抗がん剤をしました。

EC+ドセタキセル1回後発熱で軽度の間質性肺炎で中止、3週間後にweeklyパクリタキセル9回
ECではりこりが小さくなりましたが、パクリタキセル では大きさが変わらない状態でした。

2021年1月 全摘手術 センチネルリンパ節生検

温存のために術前化学療法をした結果、腫瘍は画像上縮小しましたが、術式を決める段階で、抗がん剤開始前に乳管内進展があった事を初めて告げられ、全摘を勧められ手術しました。

上記の経緯から先日病理検査の結果がでました。

リンパ節転移はなし(0/3)
腫瘍の大きさ 2.0×1.8×1.6(センチ)
効果の判定はGrade1
ER 2% PgR 2% HER2 陰性 トリプルネガティブ
脈管(リンパ管、血管)への侵襲なし
腫瘍の悪性度 3
Ki67 85%(治療開始前は50%)
ステージは口頭で2a
以上の内容でした。

担当医師は田澤先生と同じくらいの年代の方です。

1.上記の内容ではステージは2aですか?

2.Ki67 値が抗がん剤後上がっているのはどう言うことが考えられますか?

3.医師からはトリプルネガティブで、悪性度が3、Ki67 抗がん剤開始前50%から85%に増えている事から、予後が悪いと伝えられました。
転移再発率はどの位なのでしょうか?

4.トリプルネガティブで完全奏功しなかった場合と完全奏功した場合とでは生存率がかなり違っている統計があり、この結果は高リスクであると説明され不安になりました。

実際に沢山の患者さんを観ている田澤先生も、トリプルネガティブ患者は再発し生存率が低いと感じますか?

5.乳癌プラザを拝見している為、ステージが重要だと思い、念のためステージ2aでも予後が悪いのか?と質問したところ、乳癌に関してはステージではなく、サブタイプやグレードやKi67 値などが重要な判断基準になるとの説明でした。
経験からの話なのかわからないのですが、田澤先生は経験からも、ステージと予後が1番関係していると感じられますか?

6.パクリタキセル が効かなかったようなのですが、転移が見つかった場合使える抗がん剤はありますか?また、やっておいた方が良い遺伝子などの検査はありますか?

7.勉強不足でおかしな質問かもしれませんが、病理検査の結果が予後に関わる重要な情報だと思っていました。

術前抗がん剤と術後抗がん剤と予後は変わらないと言うことも理解しています。

疑問にかんじるのは、
手術先行で病理検査してでる結果、術前抗がん剤2種類投与後から手術をした場合の病理検査結果、術前抗がん剤どちらか1種類(効果があったorなかった)を投与後手術した場合の病理検査してでる結果とそれぞれ結果が異なっていると思います。

術前術後抗がん剤で予後は変わらないのに、判断基準になる病理検査の結果が変わるのは矛盾しているように感じてしまいましたが、どう解釈するべきですか?

以上になります。

乳癌プラザのおかげで、様々な情報に振り回されず抗がん剤治療と手術まで進んでくる事ができました。

田澤先生、有難うございます。

どうぞ宜しくお願い致します。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは田澤です。

「1.上記の内容ではステージは2aですか?」
⇒pT1c, pN0, pStage1です。
 主治医の勘違い?

「2.Ki67 値が抗がん剤後上がっているのはどう言うことが考えられますか?」
⇒単純に…
 針生検では一部の組織での評価なので、(術前抗がん剤してもしなくても)術後の(病変全体で評価した)Ki67とは一致しなくて当然ですよ。

「3.医師からはトリプルネガティブで、悪性度が3、Ki67 抗がん剤開始前50%から85%に増えている事から、予後が悪いと伝えられました。」
⇒無視しましょう。

「転移再発率はどの位なのでしょうか?」
⇒化学療法前のステージを考えると
 15~20%程度(あくまでも私見)

「実際に沢山の患者さんを観ている田澤先生も、トリプルネガティブ患者は再発し生存率が低いと感じますか?」
⇒無関係

「6.パクリタキセル が効かなかったようなのですが、転移が見つかった場合使える抗がん剤はありますか?」
⇒その場合にはBRACAnalysisやPD-L1抗体をまず行います。それぞれ(陽性なら) Olaparib atezolizumab+nab-paclitaxelの適応となります。
 
 (それらが陰性でも)eribulinやbevacizumabなど効果的な薬剤があります。

「良い遺伝子などの検査はありますか?」
⇒BRACAnalysis位ですね。

 
 

 

質問者様から 【質問3 】

サブタイプについて
性別:女性
年齢:49歳
病名:浸潤性乳管癌
症状:
投稿日:2021年2月4日

前回は回答を有難うございました。

担当医師から予後が悪いと言われ、死を強く意識しかなり落ち込んでいましたが、田澤先生のおかげで前向きになりかなり元気になりました。

前回は気が動転して、病理検査の結果に気を留めていなかった点があります。

リンパ節転移はなし(0/3)
腫瘍の大きさ 2.0×1.8×1.6(センチ)
効果の判定はGrade1
ER 2% PgR 2% HER2 陰性 トリプルネガティブ
脈管(リンパ管、血管)への侵襲なし
腫瘍の悪性度 3
Ki67 85%(治療開始前は50%)

以上の結果でした。

質問は以下です。

1.術前化学療法前の針生検では、トリプルネガティブでしたが病理検査ではERとPgRが2%ですが陽性でした。
調べていくと1%以上
でルミナールBになるとありましたが私はルミナールBなのでしょうか?

2.ホルモン療法については担当医師から2%だからやらないような事を言われました。
(EC中に閉経しています)実際やっても効果を
期待できないのか、心配になっています。

田澤先生のお考えはいかがですか?

3.正確なERとPgRを調べるためだけに高額なオンコタイプDXをする必要があるか悩んでしまいました。

正確に把握する必要はあるものですか?
また他に調べる方法はありますか?

お忙しい中、お手数をおかけしますがどうぞ宜しくお願い致します。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは田澤です。

ホルモン療法は、あまり期待できないと思うので(私なら)お勧めしません。(効果と副作用のバランスから)



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