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トリプルネガティブ 肝転移 骨転移 リンパ節転移の今後の治療について

[管理番号:7975]
性別:女性
年齢:40歳
病名:みぎ浸潤性乳管癌
症状:肝転移 骨転移 リンパ節転移の今後の治療について

田澤先生

はじめて質問します。

乳がんの検査を受けるとなった日から、幾度となく先生の回答を読み漁ってきました。

先生に相談してみたいと思いながらも、目の前のことに必死で今日まで質問することすら出来ませんでした。

まず、たくさんの参考になる情報を掲載していただき、とても勉強になりました。
ありがとうございました!

早速ですが、闘病経過を下記にまとめます。

2018年7月 一歳の子供が突然断乳したことにより、両乳房がはって痛かったため、
乳腺症だと思い自分で絞り始める。

2018年8月 左乳房のしこりはとれはじめたが、右乳房のしこりがなかなかとれないため産婦人科で相談するも様子見。

2018年9月 産婦人科でおっぱいケアをうけるとマンモなどの検査を勧められる。

2018年10月 マンモと超音波にて右乳房に乳がんと診断
2018年11月 がんセンターに紹介され、生検やPETなど行う。
(ぜんそくの既往歴があるため造影剤を使う検査はしないとのこと)

みぎ浸潤性乳管癌 みぎ腋窩リンパ節転移、鎖骨上リンパ節転移
ステージ3c
トリプルネガティブ
核異形度 3

2018年11月よりddAC、ddPTX 術前抗がん剤開始
2019年3月 手術前のPET検査では多臓器転移なし、右乳房全摘手術

DX) Invasiveductal carcinoma, post-chemotherapy state, right breast, Bt+Ax.
-Invasive ductal carcinoma.
-locus: E,multiple foci: 1.7mm 2.0mm.
-in-situ component; notfound.
-Ly0, V0, g, comedo necrosis (-), calcification(+ 良性腺管内)
-lymph nodes: negative; #level I (-) 0/4, #Level II (-) 0/13.
-ypT1a ypN0
-Ef grade 2b+(3(n))
-pther findings: lactating adenoma (section 18,20)

術後、そのまま放射線治療かゼローダ8サイクル服用するか自分で決めていいよとのことで
出来るだけ再発したくないとの気持ちからゼローダを服用してから放射線をすることに。

2019年5月-10月 ゼローダ8サイクル

2019年10月 右腹部が急に痛くなりしんどかったので近所の内科にて超音波。

すぐに主治医にみてもらうように言われ受診。
再度超音波をうけると「肝転移の可能性が高いのでPET検査」とのことでPET検査。

肝臓多発転移(最大腫瘍径2cm、12個ほどバラバラ)、骨転移、胸骨傍リンパ節転移との診断
そして下記治療を提案されました。

1. 抗がん剤 パクリタキセル+ベバシズマブ
2. 抗がん剤 パクリタキセル+免疫チェックポイント阻害薬
3. BRCA検査陽性の場合 リムパーザ

そして今後 治験やパネル検査を検討していきましょう

現在、BRCAと免疫チェックポイントの結果待ちの状態です。

長い説明にお付き合いいただきありがとうございます。

先生であれば、私のような患者の場合どのように治療計画をたてられますか?
私に使える薬は何種類あるのでしょうか?

術後早い転移の診断に、家族から抗がん剤への不信感を言われ、代替療法(高濃度ビタミンC療法)も試してほしいと言われており、
何が自分にとっての良い方法なのか、ここにきて迷うようになってしまいました。

先生のご意見をうかがってみたいです。
よろしくお願い申し上げます。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

早期再発ということでお気持ちお察しします。
ただ、どうしてもカペシタビンの適応外診療について、大いに憤りを感じます。(適応外診療であることを聞いていますか?)

「先生であれば、私のような患者の場合どのように治療計画をたてられますか?私に使える薬は何種類あるのでしょうか?」
→トリプルネガティブは今や4種類に分けられます。『今週のコラム 209回目 ここまで来て、質問者も「もう限界だ」と感じ、QandAを送ったのです。』をご参照のこと

 ということで
 BRCAnalysisとPD-L1を調べているようですね。

 BRCAnalysis+→olaparib
PD-L1+→atezolizumab+nab-paclitaxel

 これらがマイナスならば
 Bevacizumab + paclitaxel
Docetaxel
Eribulin

Anthracyclineの再登場も十分にあり得ます。