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肺障害が出たためタキソテールを使用できない場合の治療法

[管理番号:3339]
性別:女性
年齢:48歳
今年1月受診した病院で以下のように診断があり抗がん剤治療(FEC100→ハーセプチン+タキソテール)を受けましたが、タキソテール1回目の投与で肺障害の疑い(咳とCT画像)がありタキソテールは中止となりました。
その為当初予定より早く
6/2○に左胸全切除、センチネルリンパ節切除の手術を受けました。
今後の治療法はハーセプチンを3w毎トータル18回とホルモン剤内服5年間とのことですが、タキソテールに代わる抗がん剤を今使用しなくて良いのか不安です。
タキソテールが中止に
なったことで再発転移の可能性はかなりあがるのでしょうか?
5年生存率はかなり下がるのでしょうか?
タキソテールは乳癌の第1選択薬と書かれていたものもあり心配です。
1月診断
ステージⅡa
浸潤性乳管癌大きさ2.5cm、hercep:3+、ER/PGR:陰性、
ki-67:50%、リンパ転移なし、
手術後の病理結果
リンパ管静脈侵襲なし
波及度:乳腺
異形度:3
術前薬物療法の効果測定:3
大きさ:浸潤部なし、非浸潤部1.7×1.5×0.5
リンパ転移なし
ER10%、PgR0%、HER2:3
Ki-67測定できず
ステージ0
お忙しいところ申し訳ありませんがご回答よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
luminalB(HER2 陽性)で「術前抗がん剤」してから手術(全摘)したのですね。
グレード3(病理学的完全寛解)なのに「温存していない」ということは最初から「小さくして温存」目的の「術前抗がん剤では無かった」ということですね。(それ以上のコメントは控えます)
「タキソテールが中止になったことで再発転移の可能性はかなりあがるのでしょうか?」
⇒結果的にアンスラサイクリン(FEC)が入っているので、殆ど影響はありません。
「5年生存率はかなり下がるのでしょうか?」
⇒(結果的に)pCR(化学療法効果グレード3)となっているわけだし、十分な抗ガン剤と言えます。
「タキソテールは乳癌の第1選択薬と書かれていたものもあり心配」
⇒第1選択は「アンスラサイクリン」or「タキサン」となります。
 「アンスラ+タキサン」が最強レジメンとはなりますが、「どちらか片方でも十分な効果」があります。