[管理番号:2774]
性別:女性
年齢:39歳
質問させて下さい。
よろしくお願い致します。
2015年5月 健康診断(エコー)にて、乳腺線維腺腫あり、
と出ましたが、経過観察で良いとあり、しこりも触れないので、
そのままに。
しかし、線維腺腫が何かが気になるため、
2015年12月、乳腺外科を受診。
マンモグラフィー、エコーにて異常なし。
線維腺腫はあるが小さくて触れないため、触診なし。
2016年3/(上旬)、突然、左胸にしこりを発見。
3/(上旬)、乳腺外科を受診。
エコーでは悪性所見なし。
しこりは前からの線維腺腫とは別の場所にあるとのことでした。
念のためMRIを提案され、3/(中旬)にMRI、
3/(下旬)にMRIの結果がグレーゾーンのため、
針生検を実施。
4/(上旬)、針生検の結果、乳がん(浸潤がん)と言われました。
4/(中旬)に、脇の下に穿刺の検査を行いました。
4/(中旬)には、PET検査を行う予定です。
しこりは現在4センチとのことで、4/(下旬)に全摘予定です。
1番疑問であり不安なのが、なぜ、こんなに短期間で大きなしこりができたかについてです。
例を見ない悪性なのではとの思いばかりめぐります。
乳腺外科では、こういう方もいる、という説明でした。
先生で何かおわかりになる点がありましたらぜひ教えて頂きたいと思い、
問い合わせさせて頂きました。
検診もして、3ヶ月前に乳腺外科を受診し、このようなことに
なりショックが大きく、まだ、乳がんであることを
受け入れられずにいます。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
正直なところ、無駄な検査が多くて(質問者には申し訳ないですが)コメントしずらい感じです。
「1番疑問であり不安なのが、なぜ、こんなに短期間で大きなしこりができたかについてです。」
⇒乳癌には、(甲状腺癌で言う未分化癌のような)そんな特別な癌は存在しません。
一番考えられるのは「所見を見逃されていた」ということです。
○しこりを急に触れたという点からは「非浸潤癌として(見つけ難い状態で広範囲となり)、いっせいに浸潤を始めた」というような状況を考えます。
「例を見ない悪性なのではとの思いばかりめぐります。」
⇒そんな乳癌は無いので、安心してください。
質問者様から 【質問2】
管理番号2774で回答して頂いた者です。
手術後の病理検査の結果が出て、
・トリプルネガティブ
・腫瘍の大きさ 2.8センチ
・リンパ節転移なし
・遠隔転移なし
・脈官侵襲あり
・NG 3
ということで、AC、PTXの抗がん剤治療を合計で1年2ヶ月ほどすることが決まりました。
温存したのでその後に放射線です。
トリプルネガティブであること、悪性度が3であることが、怖くて怖くて仕方ないのと、抗がん剤治療がとても長く、「乳がんの中で1番きついコースになります。
手ごわいがんです。」と言われ、絶望しています。
このような状況でも完治を目指すことは可能なのでしょうか?
せっかく治療を受けるのなら前向きに、希望を持ちたいのですが、私のようなタイプは難しいのではとばかり考えてしまいます。
回答よろしくお願い致します。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
もしも質問者が、このQandAの3000を超える旅をされたならば、私が「トリプルネガティブだから…」とか「硬癌だから…」のような表現自体を嫌っていることにすぐに気付くでしょう。
(トリプルネガティブやルミナールなど)「サブタイプは何のためにあるのか?」
⇒あくまでも「治療法の選択のため」にあるのです。
決して「患者さん達に絶望感を与えるためではない」ことは間違いありません。
pT2(28mm), pN0, NG3
あくまでも早期乳癌です。
なぜ「担当医が質問者を脅しつける」のか、理解できません。
「AC、PTXの抗がん剤治療を合計で1年2ヶ月ほどする」
⇒これは何?
アンスラサイクリン+タキサンは「6カ月間」です。
「このような状況でも完治を目指すことは可能なのでしょうか?」
⇒本気で、そんな心配をしているのですか?
もしも「本当に完治が無理」みたいな印象を与えているとすると、「担当医の責任が大きい」と思います。
トリプルネガティブは「化学療法の絶対的適応」であり、そして「化学療法」すれば、予後はステージなり(他のサブタイプと同様)」となるだけです。
○「絶望を煽る」理由が、私には全く理解できません。
「せっかく治療を受けるのなら前向きに、希望を持ちたいのですが、私のようなタイプは難しいのではとばかり考えてしまいます。」
⇒上記コメント通りです。
早期癌なのだから、「やるべき事をやるだけ」です。
物事はいたってシンプルに考えるべきなのです。
質問者様から 【質問3】
管理番号2774で回答を頂いた者です。
3回目ですがよろしくお願い致します。
トリプルネガティブだから、と悲観的にならずに治療を受けるようにと
のアドバイス、ありがとうございました。
本当に本当に心強いです。
AC → PTXが合計1年2ヶ月との説明は、なんと主治医の間違いで、先生のおっしゃるように、6ヶ月でした。
現在、AC療法中です。
6ヶ月の抗がん剤ののち、放射線へと進み、その後、無治療となることが不安です。
もともと、自覚症状として、短期間で急速に大きくなったこと、また、
病理がグレード3であることから、悪性度は高いと認識して、恐怖があります。
トリプルネガティブは、術後3年ほどは再発しやすいとインターネットで見ました。
それも怖くて仕方ないです。
その間、経口の抗がん剤などを飲み続けている方もいるようです。
先生のお考えをお教えください。
6ヶ月の抗がん剤→放射線
で、経過観察にしますか??
飲み薬の抗がん剤など、できることがあれば何でもしたいです。
経過観察中も心配ばかりしてしまいそうです。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
「その間、経口の抗がん剤などを飲み続けている方もいるようです。先生のお考えをお教えください。」
⇒エビデンスがありません。
私が勧める事は決してありません。
「6ヶ月の抗がん剤→放射線 で、経過観察にしますか??」
⇒その通りです。
「経過観察中も心配ばかりしてしまいそうです。」
⇒皆さん、一緒です。
質問者だけではありません。
「時」だけが解決します。
質問者様から 【質問4】
田澤先生、何度も申し訳ございません。
いつも本当にありがとうございます。
また質問させて下さい。
遺伝性乳がんと、トリプルネガティブについてです。
インターネットで調べていたら、心配なことが出て来ました。
(娘が2人いるので、調べていました)
①トリプルネガティブだと、遺伝性乳がんというわけではなく、遺伝性乳がんの中に、トリプルネガティブが多いという解釈で合っていますか?
②遺伝子検査が陽性のトリプルネガティブの場合、抗がん剤が良く効くけれど、反対側の乳がん、卵巣がんのリスクが高いというのは本当ですか?
③逆に、遺伝子検査が陰性のトリプルネガティブには、抗がん剤が効かず、予後が著しく悪いというのは本当ですか?
④抗がん剤が効かないタイプのトリプルネガティブだった場合、必ず、
再発、転移してしまうのでしょうか?
それとも、手術のみで治る場合もあるのでしょうか?
私の場合、②が本当の場合、自分の初発乳がんの治りがいい代わりに、
反対側の乳がん及び卵巣がんのリスクがあり、娘たちへの遺伝も心配です。
③が本当の場合、娘たちへの遺伝のリスクを考えなくていい代わりに、
自分の予後が悪いということになり、いずれにしても心配になってきてしまいました。
家族、親族には、乳がん、卵巣がん、前立腺がんはいません。
となると、私はもし仮に遺伝子検査を受けた場合、陰性となり、抗がん剤は効かないのではという不安も出てきてしまいました。
私は手術を先にして、現在、抗がん剤治療をしているので、術前化学療法のように、抗がん剤が奏功したかどうかがわからないこともあり、いろいろなことが不安になってしまいます。
長々と申し訳ありません。
どうぞよろしくお願いします。
田澤先生から 【回答4】
こんにちは。田澤です。
「①トリプルネガティブだと、遺伝性乳がんというわけではなく、遺伝性乳がんの中に、トリプルネガティブが多いという解釈で合っていますか?」
⇒その通りです。
というか、「トリプルネガティブ」は単なる「除外診断」でしかありません。(ER, PgR, HER2が陽性ではないというだけの集団であり、その他の性質は千差万別です)
言葉は悪いですが、「寄せ集め」にすぎません。
♯もっと他の分類がでてきて、これから「細分化されるべきもの」です。
その意味では、かつて「乳がん」と一括りにされていたものが、徐々に分類されてきた仮定にすぎません。
「②遺伝子検査が陽性のトリプルネガティブの場合、抗がん剤が良く効く」
⇒それは誤りです。
厳密な比較データなど存在しません。
「反対側の乳がん、卵巣がんのリスクが高いというのは本当ですか?」
⇒その通りです。
「③逆に、遺伝子検査が陰性のトリプルネガティブには、抗がん剤が効かず、予後が著しく悪いというのは本当ですか?」
⇒まったくの「出鱈目」です。
①でコメントしたように、「トリプルネガティブは単一の集団ではない」のです。
(抗ガン剤が効き易いもの、効きにくいもの、中間的なものなど全てが混在しています)
「④抗がん剤が効かないタイプのトリプルネガティブだった場合、必ず、再発、転移してしまうのでしょうか?」
⇒馬鹿馬鹿しい。
もう少し冷静になりましょう。
「それとも、手術のみで治る場合もあるのでしょうか?」
⇒抗ガン剤の「上乗せ」は限られています。
手術のみで治癒する場合の方が多いのです。
「私は手術を先にして、現在、抗がん剤治療をしているので、術前化学療法のように、抗がん剤が奏功したかどうかがわからない」
⇒全くの「誤り」です。
やるべきことは(術前だろうが、術後だろうが)決まっているのです。
どうでもいいことを気にすることなく、「やるべき治療をするだけ」です。
○誤りが多いネットの情報などに影響されることなく、「やるべき治療」を頑張りましょう。
質問者様から 【質問5】
田澤先生
いつも質問に答えてくださり、本当にありがとうございます。
温存手術→半年間の抗がん剤治療を終え、来月から放射線治療に入ります。
そこで放射線科を受診したところ、トリプルネガティブであることを指摘され、遺伝子検査を受けたのかを聞かれました。
受けていない旨、伝えると、
「受けたからといってどうなるわけじゃないんだけどね。」と軽~く言われました。
また、現在、子宮頚がんが中度異形成で3ヶ月ごとの経過観察になっており、婦人科を受診したところ、ここでも、トリプルネガティブであることから、
「トリプルネガティブだし、卵巣がんのリスクがある場合がある。
遺伝子検査をすればわかるが、日本では卵巣がんの予防切除が保険が適用されないから高い。
遺伝子検査をするか、難しいところ。」と言われました。
私から遺伝子検査の事を相談したわけではないのに、2名の医師から指摘があり、混乱しています。
乳がん、卵巣がん、前立腺がん等、家族歴はありませんが、
「40歳、トリプルネガティブ」ということだけでも、遺伝性乳がんの可能性は高いのでしょうか?遺伝子検査を勧める対象になりますか?
あるいは、カウンセリングだけでも、受けるべきでしょうか?
私としては、もし、陽性だった場合、保険が適用されず高額でも、卵巣切除を受けたい、ほどの気持ちがあります。
あるいは、遺伝性乳がん対象の治験を受けるなども考えます。
お忙しいところ申し訳ありません。
田澤先生のご意見をお聞かせください。
田澤先生から 【回答5】
こんにちは。田澤です。
「40歳、トリプルネガティブ」ということだけでも、遺伝性乳がんの可能性は高いのでしょうか?遺伝子検査を勧める対象になりますか?」
⇒可能性は高いとは思いませんが…
一応カウンセリングの対象として「40歳未満(質問者は以上ですが)」「トリプルネガティブ」があります。
「あるいは、カウンセリングだけでも、受けるべきでしょうか?」
⇒私は、あまり勧めません。
(判明したとしても)「健側の乳房切除も卵巣切除も保険適応外」だからです。
「私としては、もし、陽性だった場合、保険が適用されず高額でも、卵巣切除を受けたい、ほどの気持ちがあります。あるいは、遺伝性乳がん対象の治験を受けるなども考えます。」
⇒(治験は)私は勧めませんが…
そのお気持ちが強いなら、まずはカウンセリングから受けましょう。
質問者様から 【質問6】
田澤先生
いつも本当にありがとうございます。
左胸温存手術→化学療法(AC療法4クール+weeklyパクリタキセル12クール)→放射線治療(25回)を終え、今後は経過観察、定期検診となります。
①・トリプルネガティブであること
・腫瘍径が大きめ(2.8センチ)であったこと
・脈管侵襲があったこと
・核グレード3であったこと
・前回検診からわずか3ヶ月で急に大きなしこりを触れたこと
から、再発・転移はほぼ、免れないのではないかというほどの不安感を抱いています。
ネットの見過ぎでしょうか?
②抗がん剤治療終了後、まつ毛を早く生やしたいという願いから、あるサプリメントを3ヶ月ほど摂取してしまったのですが、それに、「ポリアミン」が含まれていました。
ネットで調べてみたところ、癌の成長に必要な物質ではないかと思い、後悔しています。
(摂取量は1日あたり200μg)
何か影響を及ぼしてしまうでしょうか?
(現在はまつ毛も生えそろい、サプリメントの摂取はやめています)
③ホルモン治療を5年~継続できるルミナールタイプと違って、トリプルネガティブは、無治療となりますが、強いて言うなれば何かできることはないのでしょうか?
先生からアドバイス頂けたら幸いです。
気の持ちようなどでも、どんなことでも構いません。
田澤先生のアドバイスで今までの治療を頑張って来られました。
今回も回答を頂けたら嬉しく思います。
どうぞよろしくお願い致します。
田澤先生から 【回答6】
こんにちは。田澤です。
「再発・転移はほぼ、免れないのではないかというほどの不安感を抱いています。ネットの見過ぎでしょうか?」
⇒ネットの見過ぎです。
2.8センチはそれ程大きなものではありません。
「何か影響を及ぼしてしまうでしょうか?(現在はまつ毛も生えそろい、サプリメントの摂取はやめています)」
⇒影響ありません。
ご安心を。
「トリプルネガティブは、無治療となりますが、強いて言うなれば何かできることはないのでしょうか?」
⇒ストレスが良くないので
(余計なネットは見ずに)健やかに過ごす事です。
質問者様から 【質問7】
術側の肩、胸の痛み
性別:女性
年齢:41歳
田澤先生
いつもお世話になっております。
(以前の質問番号2774)
術側の痛みについて質問させて下さい。
この10日間ほど、手術をした左側の乳房の上から肩にかけて、うっすらとした痛みを感じるようになりました。
乳房と鎖骨の間くらいのイメージです。
痛い、というより、痛いような気がする、が正しいです。
骨ではなくて筋肉が痛いような感じです。
(1年半前に、乳房温存手術)
気になるので触ったり、ぐっと力を入れて押さえたりすることが多くなり、さらに痛くなったような気がします。
しこりは触れません。
体の凝りが全体にあり、両側に肩凝りがあるため、整体(マッサージ)を受けたところ、若干痛みが強くなったような気もします。
①10月末に、術後1年半検診(腫瘍マーカー、肺レントゲン、肝臓エコー)を受けます。
その際、骨転移を疑い、骨シンチをしてもらうべきですか?
②整体やマッサージを受ける時は、術側は避けるべきですか?
骨転移が心配でなりません。
ただ、背景として、
・検診を控え、気持ちがナーバスになっており、術側をいつも気にしている。
・術側をしょっちゅうストレッチしているが、やりすぎている?
・痛みを感じるようになった時期と、用事(仕事)でスマホを多用するようになった時期が一致している。
(術側の左手でスマホを持ち、同じ姿勢のことが多いです。)
気になるのでいつも術側を押してしまいます。
その時は気持ちが良い気もするのですが、その後うっすらと痛くなります。
実際に診察していない中で申し訳ないのですが、田澤先生の見解をお教え下さい。
トリプルネガティブ、脈管侵襲があったため、心配が尽きません。
田澤先生から 【回答7】
こんにちは。田澤です。
質問者の以前のメールを読みましたが…
「トリプルネガティブ、脈管侵襲があったため、心配が尽きません。」
⇒私が以前、下記のようにコメントしていますが…
私のコメントを信用しないのであれば、このQandAを利用する意味がないよう
に思えますが??
どうでしょうか???
もう一度、読み直してその上でよく考えてください。
☆ 過去の抜粋 ☆
「もしも質問者が、このQandAの3000を超える旅をされたならば、私が「トリプルネガティブだから…」とか「硬癌だから…」のような表現自体を嫌っていることにすぐに気付くでしょう。
(トリプルネガティブやルミナールなど)「サブタイプは何のためにあるのか?」
⇒あくまでも「治療法の選択のため」にあるのです。
決して「患者さん達に絶望感を与えるためではない」ことは間違いありません。
pT2(28mm), pN0, NG3
あくまでも早期乳癌です。
なぜ「担当医が質問者を脅しつける」のか、理解できません。
「このような状況でも完治を目指すことは可能なのでしょうか?」
⇒本気で、そんな心配をしているのですか?
もしも「本当に完治が無理」みたいな印象を与えているとすると、「担当医の責任が大きい」と思います。
トリプルネガティブは「化学療法の絶対的適応」であり、そして「化学療法」すれば、予後はステージなり(他のサブタイプと同様)」となるだけです。
○「絶望を煽る」理由が、私には全く理解できません。
「その際、骨転移を疑い、骨シンチをしてもらうべきですか?」
⇒どうしても気になるなら受けるといいでしょう。(必要には思えません)
「②整体やマッサージを受ける時は、術側は避けるべきですか?」
⇒無関係です。
「実際に診察していない中で申し訳ないのですが、田澤先生の見解をお教え下さい。」
⇒骨転移とは関係ない症状のようです。
気になるなら、その「気になる部位だけ」単純レントゲンを撮影するといいでしょう。
「トリプルネガティブ、脈管侵襲があったため、心配が尽きません。」
⇒このQandAを読むのであれば、その考えは「綺麗さっぱり」捨ててしまいましょう。
質問者様から 【質問8 3か月でできた乳がん】
性別:女性
年齢:42歳
病名:乳がん
症状:
田澤先生
2774で質問させて頂いた者です。
いつもたくさんの患者に寄り添うコメントありがとうございます。
私にはたくさんの患者仲間ができましたが、多くの方が乳がんプラザに助けられています。
田澤先生の尽力に心からお礼申し上げます。
また質問させて下さい。
①経過観察中の痛み
2018/8月(術後2年4か月)
ある日、首の激痛を自覚し、まずは接骨院を受診しました。
「おそらく急性のもの(寝違え)であるが、
がん患者さんは、転移でないことを確認で
きないうちは、あまり施術したくない。
マッサージ等はできるが、病院で検査をお願いしたい。」とのことで、オペをした総合病院を受診しました。
主治医からも同じく、
「おそらく寝違えであるが、心配ならば骨シンチをする。
予約を入れるが、痛みが完全に消失したら、骨シンチは受けなくても良い。」とのこと。
1週間後、首の痛みは消失していましたが、首の痛みで全身をかばったせいか、あちこちの痛み及び、腰痛を自覚したので、
予定通り骨シンチを受けることに→1週間後、幸い、結果は異常なし
以前(術後1年6か月)も、術側の肩付近の痛みを自覚したので、骨シンチを受けています。
(痛みもほどなくして消失、結果も異常なし)
経過観察中にどこか痛みを感じることは、
珍しいことではないと思うのですが、接骨院等で対処してもらうべきか、(今回は断られましたが)、痛みのたびに転移の検査をするべきかの判断が、とても難しいと感じています。
田澤先生のお考えをお聞かせ下さい。
②化学療法閉経
化学療法中に生理が止まり、そのまま閉経したと思っていたのですが(1年9か月ほど、生理なし)、2018/6月(化学療法終了から、1年6か月後)生理が再開しました。
しかしその後、また生理が止まっています。
化学療法後、生理が再開しても、不順なのは、なにか異常を疑った方が良いですか?
また、トリプルネガティブなので、女性ホルモンは関係ありませんが、1度乳がんに罹患すると、別のサブタイプの乳がんにも罹患しやすくなると聞き、生理再開が本格的であれば不安も感じます。
今後の挙児希望はありませんので、生理は正直、あっても、なくても良いのですが、
このまま、生理不順または閉経状態で放置してよいものか悩んでいます。
③腫瘍マーカー
現在、3か月に1度、腫瘍マーカーを計測しています。
CEAと、CA15-3を見てもらっていますが、
CA15-3につきまして、
(2016/5) 14.6
(2016/12) 13.7
(2017/4) 9.0
(2017/7) 10
(2017/11) 10.4
(2018/1) 9
(2018/4) 10.2
(2018/7) 12
という経過です。
一桁の時は安心するのですが、やはり、少しでも、上昇すると、このまま上がり続けるのではないかと、神経質になってしまいます。
腫瘍マーカーの値は、どのように読み取ればよいでしょうか?
もちろん、マーカーに出ない再発転移もある!と聞けば心配が尽きず、キリがないのですが・・・
たくさんの質問、申し訳ございません。
どうぞよろしくお願い致します。
いつもありがとうございます。
田澤先生から 【回答8】
こんにちは。田澤です。
物事を理解しようとせず、『何故だか解らないけど不安』というのは止めましょう。
物事をブラックボックスに入れてしまってはいけません。(それでは「あらゆることが不安」となっていまうのです)
「痛みのたびに転移の検査をするべきかの判断が、とても難しい」
「田澤先生のお考えをお聞かせ下さい。」
→整形外科で、普通にレントゲンを撮影してもらえばいいのです。
整形外科医は「レントゲンでは解らない」みたいなことを言いがちですが、
実際には(痛みがでるような)「骨転移があれば普通のレントゲンで解る」のです。
「化学療法後、生理が再開しても、不順なのは、なにか異常を疑った方が良いですか?」
→何故?
物事をブラックボックスにいれて(何でもかんでも)不安となるのは止めましょう。
月経不順は単純に(化学療法により)「痛めつけられた卵巣」が分泌不安定となっているだけです。(何もおかしなことはありません)
それを『何だか、解らないけど』不安?? (まさか、何かの転移と結びつけている????)
100000%ありえません。ご安心を。
「生理再開が本格的であれば不安も感じます。」
→もう少し、冷静にものごとを考えましょう。
物事には根拠が必要です。
何の根拠もないのに「何だかわからないけど不安」という姿勢が、どうでもいいこ
とで骨シンチを撮影する羽目になっている原因のようですね。
ご安心を。
「このまま、生理不順または閉経状態で放置してよいものか悩んでいます。」
→10000%そのままで何の問題もありません。
「腫瘍マーカーの値は、どのように読み取ればよいでしょうか?」
→全くの正常です。
ご安心を。
質問者様から 【質問9 】
遺伝子検査を受けるべきか
性別:女性
年齢:43歳
病名:トリプルネガティブ乳がん
症状:
投稿日:2020年5月12日
田澤先生
いつも、たくさんの質問に答えて下さり、ありがとうございます。
病気発覚以来、ずっと田澤先生に支えられて来ました。
本当にありがとうございます。
2016年4月に左乳がんのオペをしました。
・診断時39歳
・トリプルネガティブ ステージ2a
・部分切除→AC→weeklyパクリタキセル
→放射線治療
現在は、3ヶ月に一度の定期検診を受けています。
先日、私と同じような状況(40代、トリプルネガティブ)の方が、遺伝子検査を受け、変異が見つかり、健側乳房、卵巣卵管の予防切除を受けたというニュースを見て、動揺してしまいました。
やはり、若年でトリプルネガティブの場合には、遺伝子検査を検討すべきですか?
私には娘が2人おり、遺伝子検査の結果で得られるメリットと、デメリットを現時点で精査した結果、現時点ではどうすべきか保留としています。
地方在住のため、遺伝カウンセリングや、
遺伝子検査、予防切除の体制が未整備であるというのも理由のひとつです。
BRCA変異が陽性だと、卵巣の予防切除が保険適用になったせいか、経験者の記事を目にする機会も増えてきました。
トリプルネガティブなので、どうしても遺伝子変異を自分に近いことだととらえて、悩んでいます。
家族歴は知る限りではありませんが、曾祖父母まではさかのぼれませんし、私が発端者である可能性も考えています。
田澤先生の遺伝子検査についての見解をぜひお聞かせ下さい。
田澤先生から 【回答9】
こんにちは。田澤です。
「田澤先生の遺伝子検査についての見解をぜひお聞かせ下さい。」
⇒(再発でない方の)BRACAnalysisは、あくまでも「予防的(対側)乳房切除をするため」の検査です。(知るための「だけ」の検査ではありません)
質問者が(もしも陽性なら)是非とも不安解消のために(卵巣卵管も含めて)対側乳房切除を希望しているのであれば、行うべきです。
ただし、陽性率は皆さんが思っている程高くはありません。
トリプルネガティブでも10%ありません。
私の経験上、「家族歴に卵巣癌がある」方は確立が明らかに高いとは言えます。