[管理番号:2498]
性別:女性
年齢:49歳
田澤先生 こんにちは このような質問の機会をいただきありがとうございます。
今使用している薬(タモキシフェン)が妥当な選択であるかどうかアドバイスをおねがいいたします。
というのは、子宮筋腫で子宮全摘(卵巣はそのまま)で、閉経の有無がわかりません。
そこで主治医に閉経の有無や基礎体温、血液検査などで確認できないかどうかを尋ねたところ、血液検査の結果は、抗がん剤やホルモン療法の薬自体の影響を受けているため、必ずしも正しく閉経しているかどうかの結果を反映しているわけではないので、無意味であるとのことでした。
なお、抗がん治療の前に、閉経かどうかを測る血液検査はしませんでした。
40代後半の年齢ならば、恐らくまだ閉経はまだしていないであろうという医師の勘どころに頼った療法しかないものでしょうか。
このまま不安を抱えたまま治療を続けていくしかないのでしょうか。
今後の治療についてのアドバイスをお願いいたします。
●昨年3月の温存療法の手術病理組織検査から(pT1c, pN1a, cM0,G2, StageⅡA. 最大浸潤径1.5cm、断端陽性、ER80%、PgR100%、HER2-、Ki67=25%、腋窩リンパ節転移3個あり
→ 抗がん剤治療 (FEC療法3W×4回、ドセタキセル3W×4回)
→ 放射線療法 25回+ブースト5回
→ 昨年10月よりホルモン療法開始(タモキシフェン20mgを5年間?+アロマターゼ阻害薬5年?予定)
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「子宮筋腫で子宮全摘(卵巣はそのまま)で、閉経の有無がわかりません。」このようなケースは結構あります。
問題を複雑にしている背景に、「術後の抗がん剤投与」があります。
一般に抗がん剤による「化学療法閉経」では「アロマターゼインヒビターを使用」することで(卵巣機能が復活し)「予後不良因子となる」とされています。
つまり、質問者が(化学療法前の時点で)①「もともと閉経状態であったのか?」とそれとも②「化学療法閉経の状態なのか」なのか、もしかして③(化学療法による卵巣毒性が十分でなく)「閉経前状態なのか」
この①~③のどの状態なのかが(現時点で不明)なので「タモキシフェン」とせざるをえません。
1年間タモキシフェンで、その後「血中エストラジオール」測定し、「閉経後の数値であれば、アロマターゼインヒビター」へ切り替えましょう。
「40代後半の年齢ならば、恐らくまだ閉経はまだしていないであろうという医師の勘どころに頼った療法しかないものでしょうか。」「今後の治療についてのアドバイスをお願いいたします」
⇒上記の通りです。
現状では「タモキシフェン」をまずは1年間投与です。
その後は「血中エストラジオール測定」して決めましょう。