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5年以降の選択

[管理番号:715]
性別:女性
年齢:55才
どうぞよろしくお願いします
2007年 47才のとき 左乳がん全摘手術を受けました
腫瘍径 最大2㎝ センチネル0/1
乳頭腺管癌 グレード2 ly(-)v(+)
ER 60% PR ほぼ100% HER2(-)
ki-67は出ておりません
CMF療法半年の後 ノルバディックス5年
生理はCMF1回目で止まりました
2013年に治療を終えるさい 閉経ならアロマターゼ阻害剤を希望しましたが
微妙に閉経ではなく 無治療を選択しました
あれから ますます10年治療の優位性が言われておりますが
5年 10年の線引きはあるのでしょうか
主治医は希望者には勧めるとおっしゃていました
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 pT1c, pN0, luminal type
 術後CMF+TAM5年ですね。
 8年前ですとCMFはもうあまりやられなくなった時代ですが、「閉経前乳癌」でLH-RHagonistのような「卵巣機能抑制」効果を狙って「CMFを行う」事もありました。

回答

「あれから ますます10年治療の優位性が言われておりますが5年 10年の線引きはあるのでしょうか」
⇒TAMの10年投与の優位性は証明(SOFT試験)されていますが、アロマターゼインヒビターの10投与の優位性は証明されてはいません。
 現時点で参考になるのはSt.Gallen 2015voting結果ですが、
 「補助療法としてのホルモン療法を5年以上継続する」適応としては「リンパ節転移陽性」か「核グレード3もしくはKi67高値」となっています。
○その意味では質問者は(Ki67は測定していませんが)5年以上の継続を「積極的には勧めない」範疇には入ります。
 ただ、担当医がいうように「希望者には勧める」ことも事実なので、その場合は「アロマターゼインヒビターとして5年」となるでしょう。
★考え方として「luminal typeの晩期再発を抑性」する手段として(副作用が許容範囲であれば)「アロマターゼインヒビター5年」は十分選択肢となります。
 
 

 

質問者様から 【質問2 前向きに】

乳がんになり ネットの情報を毎日のように見て、不安な方にばかりフォーカスしてしまいます
しかし、このサイトのQ&A一覧の先生の答えを たくさん読ませていただき 希望にも目を向けられるようになり はじめてネットで質問させていただきました 
私が手術をしたころ、やはりCMFは古く ネットでも私と同じようなタイプの方は
アンスラサイクリン系の抗癌剤を受けていたように思います
心配で主治医に もっと強い薬の方がよいのでは と相談しましたが それは過剰治療といわれました 
そのあと ホルモン陽性乳がんは 抗癌剤が効きにくいといわれるようになり
ki67の検査やTC療法が一般的になったり ホルモン治療10年の傾向になったり
治療はどんどん進化していますね
それも多くのお医者様や研究者の努力と 乳がんの先輩たちのおかげと感謝しています
術後のホルモン治療は必須で 迷いもなくはじめました
TAM終了から2年以上たって もう一度治療をはじめるのに迷い続けておりました
今回 先生の答えを何回も読み返し 閉経ならアロマターゼを始めてみようと思います 私の決断も 多くのデータのうちの一つになりますね
お忙しい中 丁寧にお答えくださり ありがとうございました
 

田澤先生から 【回答2】

 こんにちは。田澤です。
 「アロマターゼインヒビター」の5年投与は検討されてもいいと思います。
 タモキシフェンの10年投与の優位性が証明された以上、「タモキシフェン5年」から「アロマターゼインヒビター5年」へのスイッチも当然検討されるべきものだと思います。
 治療、頑張ってください。
 
 

 

質問者様から 【質問3 前向きに】

今回もよろしくお願いします
先日、術後の検査の結果を聞きに行きました
そこで治療の再開を希望しました
血液検査は E2 13.0 FSH 39.34 でした
14年がそれぞれ 15.0 40.63
13年は 20.0 30.32
はっきり 閉経といえる数字ではありませんが
個人差もあるだろうということで
2年半空いたこともあり フェマーラを処方していただきました
私のような年齢と状態で 卵巣が復活するようなことはあるのでしょうか
それから 悪玉コレステロールが高いので 要ダイエットだそうです
これから薬を続けていくために 私が気をつけることを
お教えくだされば幸いです
 

田澤先生から 【回答3】

 こんにちは。田澤です。
 E2, FSHを見ると、おっしゃるように「はっきり 閉経といえる数字ではありません」のでタモキシフェン再開の方が無難なように思います。

回答

「私のような年齢と状態で 卵巣が復活するようなことはあるのでしょうか」
⇒あまり無いとは思いますが…
 注意は必要です。
 
「これから薬を続けていくために 私が気をつけることをお教えくだされば幸いです」
⇒上記に挙げた「妊娠の復活」以外には「骨密度の低下」でしょう。
 
 閉経前なので、「現時点では十分な骨密度」だと思いますが、定期的なチェックは必要です。