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5㎜の腫瘤、生検をするか様子見か

[管理番号:6194]
性別:女性
年齢:56歳
 
田澤先生、初めまして。
 
人間ドックのエコーで腫瘤が見つかり、乳腺クリニックで精密検査(触診、マンモ、エコー)を受けました。
人間ドックと同様に触診とマンモは問題なし。
エコーで腫瘤が認められ、画像を見ながら細い針で細胞を採取しました。
細胞診断の結果はカテゴリー3のグレー、
悪性を否定できないというものでした。
 
(N/C比高くクロマチン増量した小型異型細胞が核密度高く不規則な重積で見られる。二相性欠如)
そのクリニックでは針生検まではできるのですが、腫瘤が5㎜と小さいので針生検(バネ式)は的を外す恐れがあるのと、本来1cmほど採れば良い組織を2cmほど採ることになることから、勧めたくないとのこと。
 
どうしても確定診断を受けたいなら、設備のある病院でマンモトームか外科的生検を受けられるように紹介状を書くと言われました。
さらに もしもマンモトームをするなら、
 
しこりの元の位置がわからなくなることを考慮して、事前にMRI をとっておくのも良いかもしれないという意見でした。
その一方で当面何もせず、2~3カ月後に再度エコーで大きさの変化を見るという案も出され、どうしたものか迷っています。
腫瘤の形状は不整で境界明瞭(素人目にはツノが一本あるマリモ型)、一部微細分葉状。
 
乳管との交通あり、血流なし。
現在56才ですが、直近の9年間ホルモン補充療法を続けていました。
 
田澤先生のご意見をお聞かせいただければありがたいです。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
 
「腫瘤が5㎜と小さいので針生検(バネ式)は的を外す恐れがある」
⇒こんな程度(の精度)では、安心して診断を任せることはできません。(2,3mmでもエコーで見えるかぎり診断できないことはないのです)
 ♯実際、5mmは「組織診断するには、十分すぎる大きさ」なのです。
 
「その一方で当面何もせず、2~3カ月後に再度エコーで大きさの変化を見るという」
⇒「形状不整」なのに、こんな提案をするようでは…
 困ったものです。
 
「腫瘤の形状は不整で境界明瞭(素人目にはツノが一本あるマリモ型)、一部微細分葉状」
「田澤先生のご意見をお聞かせいただければありがたい」

⇒当然ながら…
 確定診断すべきです。
 ただ「100%確定診断となります」という医師に行ってもらわないと、「却って間違いの素(これが最も厄介)」なので十分な注意が必要です。
 ♯(良性と出ても)「悪性に変わることがある」とか「悪性の部分が取れていない事もある」から「○カ月後に経過観察」などと、いうような医師は絶対に避けるようにしましょう。
 
 

 

質問者様から 【質問2 5㎜の腫瘤に適した生検】

性別:女性
年齢:56歳
 
田澤先生、5㎜の腫瘤で細胞診を受け、グレーと判定されたものです。
早々のご回答ありがとうございました。
 
そのクリニックで針生検は無理と言われたので、別の中規模病院の乳腺外科でセカンドオピニオンを受けました。
それまでにこのQ&Aを読ませていただき、自分にはエコーガイド下マンモトーム生検が良いのではないかと思っていましたが、
マンモトームは乳房の中がグチャグチャになるし、ガンだった場合結局場所の特定が難しくなり組織を大きくとらなければならなくなるから絶対にやらない方が良い。
やるなら外科的生検だと断言されました。
 
その医師が言うには検査の都度リスクはあるわけだから、一度ではっきりする方法をとった方が傷云々よりも よほど身体をいじめないのではないかということです。
 
私としては現段階で良性の可能性もあるなら、針生検が第一選択肢なのでは? という思いがあるので、いきなり外科的生検には抵抗がありますが、傷や乳房の変形が大きくなく、入院など日常生活に大きく影響しないならやっても良いかとも思います。
 
私のように小さめの腫瘤の場合、田澤先生ならどの方法で確定診断をつけられますか?
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
 
前回の回答の「確定診断すべき」というのは、勿論「針を用いた組織診」のことです。
「CNB、CELERO,MMTE」と3種ありますが、それぞれ使い分け(CNB:均一 MMTE:不均一やや広範囲 CELERO:その中間)するわけです。
画像に応じた(針を用いた)組織診をしてもらいましょう。(5mmの病変で針生検できないようでは診療になりません)
 
 

 

質問者様から 【質問3 市川メディカルプラザの受診について】

性別:女性
年齢:56歳
 
田澤先生、エコー画像に応じた針生検をしてもらいましょう。
との回答に安心いたしました。
ありがとうございます。
 
外科的生検を勧める医師は70才くらいの年配外科医なので、日帰りでできるし傷なんて人に見せるものでもないから、早くスッキリした方が良いでしょ!
とおっしゃるのですが、やはり私の段階でいきなり外科的生検は今どき少しレアケースなのかなと思っていました。
 
そこで針生検をお願いする気持ちは固まったのですが、ここで皆さんの例を見ていると医師の経験値の問題で、何度も検査のやり直しを強いられているケースが多いことに不安を感じています。
しかも私が受診した2件の医療機関ともにそこでは針生検できないので、近隣の大学病院に引き継ぐということなので、時間も無駄な検査も増えそうです。
 
市川のメディカルプラザでは先生のおっしゃる画像に応じた針生検の予約は出来ますか?
私の腫瘤に緊急性がないなら、数ヵ月待っても先生に確定診断していただいた方が、
結果的に最短コースになるような気がしてなりません。
 
また確定診断をいただいた後、手術や治療が必要な場合、自宅近くの病院につないでいただくこともできるのでしょうか?
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
 
「私の腫瘤に緊急性がないなら、数ヵ月待っても先生に確定診断していただいた方が、結果的に最短コースになるような気がしてなりません。」
⇒正直…
 私も、そう思います。
 
「また確定診断をいただいた後、手術や治療が必要な場合、自宅近くの病院につないでいただくこともできるのでしょうか?」
⇒勿論、問題ありません。
★ご希望なら、秘書メールしてもらえば、(市川の生検枠次第ですが)通常に電話予約するよりは早い案内ができると思います。

秘書室へメールは、
各ページの右上にある 「秘書室へメール」からご相談ください。
もしくは、こちらのリンクをクリックしてください。

 
 

 
 

 

質問者様から 【質問4 】

ルミナールA 病理結果後の治療について
性別:女性
年齢:56歳
病名:浸潤性乳管癌(硬癌)
症状:

田澤先生、いつもお世話になります。

6194で質問させていただいた後、確定診断から手術までお世話になったID’○○です。

さて先日 病理結果を伺って今後の治療について理解したつもりだったのですが、
主人と私で受け取り方の違いがあったので確認させてください。

【病理結果】
T1N0M0: Stage 1A
ly0, v0
ER, PgR : 陽性
HER2 : 1+
MIB-1 : 3%
手術標本からは2、3か所の非浸潤癌微小巣しか見られず、マンモトーム生検標本で浸潤径4㎜を確認。

術前のエコーとMRIでは浸潤径が5㎜だったので、温存術後の放射線療法とホルモン療法が必須だという認識を持っていたのですが、先生からの病理結果後の説明ではベネフィットとリスクを天秤にかけてホルモン療法は不要。
放射線も「あなたが80歳ならば何もしません」と強くは勧めないご様子でした。

以下が質問です。

①私は現在56歳ですが、放射線無治療も選択肢にありますか?
私のような低リスクの場合でも局所再発率は 通常言われる3倍程度にあがりますか?
また遠隔転移に影響を与えますか?

②放射線をせず局所再発をした場合、2回目の手術は全摘になりますか?

③ホルモン療法をしない=全身療法はしないということを意味するのでしょうか?
それは私の浸潤径が小さく、リンパ転移もなく、さらに増殖率もとても低い値だから
遠隔転移を疑う理由がないからでしょうか?

診察時に放射線科の予約まで入れていただいたのに、主人はやらなくて済むものならやらない方が良いのではと申します。

自分としては安全策をとっておきたい気がしますが、ステージ0に近いステージ1Aなら
ば、無治療も考慮できるのかと迷いが生じています。

最終的に決めるのは患者本人であることは承知しておりますが、迷いなく今後の治療に取り組みたいので、ご回答よろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。

勿論、すぐに特定できました。
術前の組織診(今回はマンモトーム)で病変が取り切れてしまう程度(若干の非浸潤癌が極少量ありましたが)で、正直再発(乳房内再発も遠隔転移再発も)の心配などしていません。
ただ、物事にはガイドラインがあるのです。
それで(個人的には勧めるわけではないが)ガイドライン上「適応がある」という話なのです。

「①私は現在56歳ですが、放射線無治療も選択肢にありますか?」
→勿論、あります。(上記通り)

 
「私のような低リスクの場合でも局所再発率は 通常言われる3倍程度にあがりますか?」
→乳房内再発のリスク自体、「通常の広がりを持ったケース」と同等に考える必要はありません。
 乳房内再発率自体が低いので放射線の効果も実質殆どないでしょう。

「また遠隔転移に影響を与えますか?」
→ありません。

「②放射線をせず局所再発をした場合、2回目の手術は全摘になりますか?」
→再温存も選択肢となります。(温存乳房内再発が「原則全摘」なのは、「照射は2度できない」からなのです)

「遠隔転移を疑う理由がないからでしょうか?」
→診察の場でもいいましたが…

 再発率が極端に低い(殆どゼロ)ので、ホルモン療法を行うことによる「有害事象とバランスしない」のです。

 
 


 

質問者様から 【結果5 【お礼】術前と変わらない生活に戻りました】

性別:女性
年齢:56歳
病名:硬癌
田澤先生の診察:[診察あり]
田澤先生の手術:[手術あり]

6月(上旬)日にマンモトーム、(下旬)日に硬がん(腫瘍径5mm)の診断、8月(中旬)日に温存手術を受けました。
市川の外来予約まで2ヶ月半、初診から更に2ヶ月待っての手術でしたが、江戸川病院を選んだことで間違いなく治療の最短コースだったと確信しております。

退院の朝、見舞いに来てくれた乳がん手術体験者の友人は、前日に手術した私が普段と全く変わらない歩調で病院内(江戸川病院は見どころ満載です!)を案内するのを見て、信じられないを連発していました。

全身麻酔の副作用や痛みも出ず、生まれて初めての入院生活は快適そのもので、看護師の皆さまに代わる代わるお世話になりましたが、どなたも感じ良くとても親切だったので、退院が少し寂しくもありました。

その足で駅前の寿司屋で食事をし、帰宅早々から家事をこなし、何の不安もなく術後3日めから仕事復帰(事務職)しています。
職場に病気のことは伏せていましたが、術後の体調不良も全くなかったため、誰にも気づかれずに7週間が過ぎました。
ダメージを最小限に。それが田澤先生の手技だと思います。

事前に この「乳がんプラザ」で先生のお考えを知ることが出来たので、初対面から一切の不安はなく、むしろお会いする度に経験に裏付けされた深い知識にますます信頼感が深まっていきました。
また自分自身 正しい知識を身につけることが出来たことで、後の判断の助けになりました。
もし迷うことがあっても「乳がんプラザ」内で似た症例を検索したり、実際に質問して回答がもらえる…こんなに心強いことはありません!

田澤先生の患者になったからこそ早期発見を勝ち取り、温存術にもかかわらず浸潤径が小さかったため、術後無治療を選択できました。
いかに早期治療が身体に負担が少ないかを身をもって体験し、友人知人に会うたびに伝えています。

田澤先生はじめ治療にあたってくださった看護師の皆さま、秘書の皆さまに心から感謝申しあげるとともに、更なるご活躍を祈念しております。

<Q&A結果>

 
 

 

質問者様から 【質問6 】

乳がんと食道隆起の関連性
性別:女性
年齢:58歳
病名:乳癌(2018年8月手術)
症状:
投稿日:2020年1月30日

田澤先生、いつもお世話になります。

先生の定期検診を3週間後に控えておりますが、気になることが出てきたので質問させて下さい。

2日前に受けた人間ドックのバリウム検査で食道に隆起を認めると言われました。

結果レポートは検査結果が出揃ってから2~3週間後に送付される予定ですが、おそらく胃カメラをしてもらうことになるでしょうとのこと。

言われて見れば大きなカプセル薬が飲み込みにくかったり、喉がかわく等の症状がありますが、喉の風邪か加齢によるものとやり過ごしていました。

ところがドックで指摘を受けたからには放置するわけにはいかず、結果が届き次第消化器内科の診察を受けようと思っています。

以下が質問です。

①胃カメラ(精密検査)をする際に乳がんの手術をしたことを伝えるべきですか?

②乳腺からの転移は骨、肺、肝臓などが多いと思っていましたが、食道(消化器)への転移もあり得ますか?

③原発か転移かの判断はどのようにつけるのですか?
また結果によって治療は変わりますか?

④万が一 転移であった場合、治療は乳がんとしての治療(田澤先生に診ていただく)なのか、消化器内科での治療になるのかなど、今後の治療についての道筋を教えてください。

以上 よろしくお願い申しあげます。

 

田澤先生から 【回答6】

こんにちは。田澤です。

まず、一言。
乳癌が胃に転移することは絶対にありません。

「①胃カメラ(精密検査)をする際に乳がんの手術をしたことを伝えるべきですか?」
→どちらでもいいですが、きっと問診票に記載欄があることでしょう。(隠すこともありませんね)

「②乳腺からの転移は骨、肺、肝臓などが多いと思っていましたが、食道(消化器)への転移もあり得ますか?」
→絶対にありません。
 ご安心を。

「③原発か転移かの判断はどのようにつけるのですか?また結果によって治療は変わりますか?」
→胃ですか?
 乳癌の胃への転移など絶対にありません。
 胃に癌があればそれは100%胃原発です。

「④万が一 転移であった場合」
→それは絶対にありません。
 

 
 

 

質問者様から 【質問7 】

コロナワクチン接種後 診察までの間隔について
性別:女性
年齢:60
病名:乳癌
症状:なし
投稿日:2022年2月6日

いつもお世話になり、ありがとうございます。

市川での診察を4月下旬に予定しているものです。

3回目のワクチン接種が2月下旬になりそうなのですが、2ヶ月ほどの間隔があいていれば診察は予定通り4月で問題ないでしょうか?
前回の診察時ワクチンの影響でリンパの腫れが見られ、3ヶ月後に再チェックになった経緯があります。

個人差があることかとは思いますが、患側に打った場合、どの程度間隔をあけて受診するのが望ましいですか?

 

田澤先生から 【回答7】

こんにちは田澤です。

3回目のワクチン接種が2月下旬になりそうなのですが、2ヶ月ほどの間隔があいていれば診察は予定通り4月で問題ないでしょうか?
⇒全く問題ありません。