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母の手術について

[管理番号:6176]
性別:女性
年齢:77歳
 
はじめまして。
2月始めに母(77歳)が、乳頭より少量の出血があり、色々と調べている中でこちらのサイトに出逢いました。
母の手術に関してのご相談をお願いいたします。
 
全摘か温存かで悩んでおります。
2月始めに左乳頭より少量の出血(単孔性)があり、マンモグラフィ、
エコー検査、針生検の結果、左乳房にしこりが見つかり乳がんだとわかりました。
その後、PET、CT、MRIの検査を行いました。
 
がんは左乳房の左側に、1センチくらいのものが2個並んでいて、ほぼくっついているので2センチのものと思っても良いとのこと。
浸潤がんで極めて悪性のがんと言われました。
ホルモン剤は効かないタイプ、HER2 2+でトリプルネガティブ
遠隔転移なし、リンパも腫れていないようなので今のところ転移はなさそう、手術時にセンチネルリンパ節生検や断端、広がりなどの病理検査をしてくださるとのことです。
 
おそらく一年前くらいにがんが芽生えていただろうことから、すでに血管を介して全身を巡っていることも考えられるため、全摘でも温存+放射線治療でも予後は変わらないとのことでした。
いずれにしても、術後は抗がん剤を2年くらい服用すると言われています。
母は147センチ、35kgと大変小柄なため、抗がん剤についても心配をしていますが、このような状況で全摘と温存手術とどちらが望ましいでしょうか。
 
乳頭からの出血もあったため、温存手術に不安もあるのですが、田澤先生のご見解を伺わせてください。
本人も家族も出来るだけ再発のリスクも体への負担も少なくしたいと考えています。
 
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
 
「がんは左乳房の左側に、1センチくらいのものが2個並んでいて、ほぼくっついているので2センチ」
「リンパも腫れていないようなので今のところ転移はなさそう」

→つまり「早期」だということです。
 
浸潤がんで極めて悪性のがんと言われました。」
→こんないい方をする医師のセンスが疑われます。(何のために患者さんを脅かすのでしょう?)
 
「術後は抗がん剤を2年くらい服用すると言われています。」
→不要です。
 そもそも内服抗がん剤にはエビデンスがないし、(70歳以上での術後補助療法としての化学療法のエビデンスはないので)早期癌である質問者のケースでは当然「無治療」です。
 
「このような状況で全摘と温存手術とどちらが望ましいでしょうか。」
→77歳と言う年齢ならば…
 私であれば「大きく切除して(マージンを大きくとって)放射線無し」とすることが多いです。(つまり温存)
 
「乳頭からの出血もあったため、温存手術に不安」
→乳頭浸潤とは意味が違います。
 乳癌は乳管から出るので、たんに乳管が乳頭と連続しているので(腫瘍からの出血が)乳頭から出ても「何の不思議もないこと」であり、乳頭に浸潤しているわけではない(=乳頭を残せる)のです。

 
 


 

質問者様から 【結果2 ご報告】

性別:女性
年齢:78歳
病名:乳がん
田澤先生の診察:[診察なし]
田澤先生の手術:[手術なし]

田澤先生

以前母の乳がん治療についてご相談させていただきました。
その節はありがとうございました。
ご報告が大変遅れてしまいまして申し訳ございませんでした。
ご相談させていただき、おかげさまで本人も家族も安心して手術に臨むことができました。
術前のエコー検査で思った以上に多発していたこと、乳頭近くまで広がっていたことがわかり、急きょ全摘になりました。
それでもセンチネルリンパ節、断端ともに陰性でした。
本当にありがとうございました。

その後の検診で、血液検査の2つの数値の片方が上がったリ下がったりとのことで心配をしております。術後一年までは様子を見ましょうとのことです。

お忙しい中、このようにたくさんの方の不安に応えていただいていることに感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。

<Q&A結果>