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来週手術を控えていますが不安です。

[管理番号:357]
性別:女性
年齢:38歳
はじめまして。
私は来週GW明けに乳がんの手術予定なのですが、担当医からの術前説明がほとんどなかったため同意書にサインできず悩んでいます。
私の乳がんは大きさ5cmほどあり、針生検によりルミナールBと診断されました。
グレード3、ステージⅢだそうです。
術前化学療法FEC4クール+タキソテール4クール終えています。
手術は、全摘+レベルⅡリンパ節郭清+エキスパンダー挿入の予定です。
私の場合、センチネルリンパ生検はできないのでしょうか?
脇のリンパへの転移はわからないと言われました。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 「術前化学療法」ご苦労様でした。
 いよいよ手術を含めた治療が始まりますが、「化学療法」に比べれば、どれも大したことはありません。
 但し、「術前化学療法」後の「乳房再建」については少々注意が必要となります。
 状況の確認の上、回答します。

状況の確認

「乳癌の大きさ5cmほど」「ステージⅢ」
⇒質問者のリンパ節の(化学療法前)評価はN1(リンパ節転移軽度)なのでしょうか?それともN2(リンパ節転移高度)なのでしょうか?
「腫瘍の大きさが5cm以内とすれば、リンパ節転移が高度(N2)」でcT2(腫瘍径5cm以内), cN2, cStageⅢAとなるし、
「腫瘍の大きさが5cmを超えると、リンパ節転移は軽度(N1)でも高度(N2)でもcStageⅢAとなります。
 

回答

「私の場合、センチネルリンパ生検はできないのでしょうか?」
⇒センチネルリンパ節生検の適応はありません。
 質問者の場合は、(上記、状況の確認で示したように)『N1かN2』どちらかである筈です。
 そうすると『術前化学療法前にN1以上である症例においては、術前化学療法後のセンチネルリンパ節生検による郭清省略は基本的に勧められない』(乳癌診療ガイドライン推奨グレード C2:勧められない)
となります。
 
「化学療法をすることで」センチネルリンパ節生検の精度は「信頼できない」のです。
⇒「センチネルリンパ節生検で陰性」だとしても、その他に「リンパ節転移が生き残っている」可能性があるのです。
 その場合に「郭清省略」をしてしまうと、「リンパ節転移の取り残し」を招くことになるのです。
 危険です。やってはいけません。
 
「脇のリンパへの転移はわからないと言われました。」
⇒これは「化学療法後」の状態であり、『センチネルリンパ節生検の適応』は、あくまでも「化学療法前の状態」を基準に行われるのです。
 つまり、質問者が「化学療法により、(画像上)リンパ節転移無し」となったとしても、『化学療法前の状態(N1もしくはN2)』だけが「センチネルリンパ節生検の適応にとっては重要」なのです。
 
◎ひとつ懸念材料があります。
 「手術は、全摘+レベルⅡリンパ節郭清+エキスパンダー挿入の予定」とありますが、『術後放射線照射』は予定していないのでしょうか?
乳房切除後の「放射線照射」は(化学療法前の)リンパ節の状況をもとにして適応がきまります。
(化学療法前の画像評価で)4個以上のリンパ節転移⇒(乳房切除後)放射線照射が強く推奨される(推奨グレードA)
(化学療法前の画像評価で)1~3個のリンパ節転移⇒(乳房切除後)放射線照射が強く勧められる(推奨グレードB)
となります。
 
★つまり質問者は「術後照射の適応」があるのです。
 術後照射をする場合には「エキスパンダー留置はリスク」があります。(乳癌診療ガイドラインではC1)
 ※ちなみにアメリカのNCCNガイドラインでは「乳房切除術後放射線療法を必要とする場合」には一次再建は避け、(術後放射線治療終了後の)「二次再建を勧めて」います。

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